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傷の慰めあい

 


馬鹿なことをしているのは、
重々承知だった。

細くも何処か男らしさを感じ
させる彼のその指が、私の髪
を撫でる。何故だろう、今、
無性に泣き出したい気分だ。

彼は私が好きだと言った。他
に想い人が居てもいい。代わ
りにしてくれても構わないと
。確かに、彼はそう言ったの
だ。


「貴方がそんな方だとは思い
ませんでしたよ」

「自分自身でも驚いているん
だ、君が驚くのも無理はない
よ」


ふ、と彼は笑ってそう言った
。普段顰めっ面ばかりな彼が
、私にだけ見せるその笑顔。
何処かくすぐったくて、そし
て胸が痛い。


「……あの、」

「なんだい」


もう一度、抱いて下さい。俯
きながら、そう言った。狡い
ことをしているのは分かって
る。でもそんな私を彼は愛し
てくれている。

彼は優しい手付きで私の体を
引き寄せると、甘い甘いキス
をしてくれた。深く絡めあう
舌と共に、じんわりと体に広
がる熱。

泣きたい、
ふとそう思った。


「ねぇ」


あまりにも酷く切ない顔をし
て私を呼ぶものだから、耐え
きれなくなって目を逸らして
しまった。そんな顔で、そん
な声で、私を呼ばないで。辛
くなるから、泣き出したい、
そんな衝動を抑えきれなくな
るから。


「   」


優しい愛撫に、疼く身体。彼
の熱、私の熱。全てが混ざり
あって溶けていくかのような
感覚。気がつけば私は静かに
涙を流していた。


(ごめんなさい、)


貴方を愛せなくて。貴方の気
持ちを利用してしまうような
狡い女で。本当、に


「………ごめんなさい」




嬉しいのに、求めているあの
人とは違うなんて。こんなに
も優しい貴方なのに、どうし
て私は愛せないのだろう。

嗚呼本当に私は狡い女だ。



 

新年

 


「明けましておめでとう」


艶やかな着物に身を包み、彼女はに
こりと笑ってそう言った。綺麗に結
った髪と、薄く施された化粧。いつ
もと何処か雰囲気の違う彼女のその
姿に、心臓が大きく高鳴った。


「あ、明けましておめでと」


へらり、自分も彼女に微笑みながら
言葉を返す。柄にもなく緊張して少
し声が高くなってしまったが、幸い
にも彼女には気付かれてはいないよ
うだ。ほっと胸を撫で下ろす。


「じゃあ早速行こうか」

「え、」

「え、じゃないよ。行くんじゃない
の?初詣」

「だってお前、確か今年は初詣行か
ないって……」


言いかけたその言葉を最後まで発す
ることはできなかった。すっ、と自
分の唇に当てられた人差し指。まる
で悪戯っこのような笑みを浮かべた
まま、彼女は口を開いた。


「やだなぁ。そんなの間に受けない
でよ」


それならわざわざ呼び出したりしな
いって。おかしそうに笑う彼女。う
まく現状が理解できていない自分に
差し伸べられた小さな右手。


「ね、行こ」

「……うん、」


そっと優しく重なる手と手。じんわ
りと広がっていく胸のあたたかさに
、自然と笑みが零れるのを感じた。


「今年も、宜しく」


 

聴こえますか、

 



こぽこぽと響く、水中特有のあの音が

酷く好きだった。ざばん。勢いよく飛

び込んだ後、水中から空を見てみれば

、空には大きな満月がゆらりゆらりと

歪みながら輝いている。こぽこぽ。嗚

呼どうしてこの音はこんなにも酷く自

身の心を落ち着かせてくれるのだろう

。水中に身を預けながら、ぼんやりと

そんなことを思った。このまま、水に

溶けてしまいたい。



 

とある人のとある戯言

 

 私は世間一般でいう、「ごくごく普通」の女子高生である。得意なこともなければ、苦手なこともない。けれどどれも人並みにこなすことはできる。所謂器用貧乏というやつだ。何の面白味もない人間。我ながらそう思う。

 毎日毎日同じような出来事の繰り返し。何の為に生きているのだろう、ふとそう考えることもしばしば。幾ら考えたところで、その疑問の答えは出やしないのだけれど。

 嗚呼、今日もまた1日が始まる。






携帯のフォルダに残してあったので勿体無いからアップしてみた(´・ω・`)←


 

図書館では教えてくれない天使の秘密

 



もし目が覚めて世界が変わっていたら、なんて。

あの人は私に夢中になってくれるかな?私に優しいキスをしてくれるかな?それが馬鹿馬鹿しい妄想だってことくらい、本当は分かっていたけど。

現実問題、あの人はあの子に夢中で、私の方なんかちっとも見向きやしない。ねぇ、それがどれほど辛いか分かってる?

あたしだって頑張ってるんだから、少しでもあの人に見てもらえますように。そんなことを思いながら、ずっとずっと頑張ってるんだから。

だからねぇ、神様。一つくらい、私の願いを叶えてよ。あの人が夢中な、あの子に成れますように。そうしたらあの人も私を見てくれるでしょう?

……ううん、違う、そんなことをしても意味がないことくらい、分かってる。あの人が見るのはあくまでもあの子であって私じゃない。意味がない、の。

ならねぇせめて、あの人の好きな音楽を教えて神様!覚えてあの人と二人で仲良く口ずさめるように、私、頑張るから。



図書館では教えてくれない天使の秘密



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ぐだったので無理やり終わらせてみる。タイトルの曲をなんとなく小説風にしたかったんです、……失敗したけど\(^o^)/←

神様家族の曲は2つともすごく好きなんだ。特にこの曲はきゅんきゅんくるね(^p^)くは


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