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夏を感じる


フロンティア内、グリフィスパーク。
あたりに響く蝉の鳴き声。暑い、暑すぎる。地球の四季を模したこのフロンティアには、当然の様に夏というものが存在する。
移り行く季節を肌や目で感じることは確かに風流ではあるが、なにも茹だるような暑さにする必要はないだろうと毎年思う。


それに加えてこの鳴き声。ミーンというこの音を聞くだけで暑くなるのだから堪らない。もっとも、地球に比べて圧倒的に少ない蝉の数。それに比べたらこの大合唱は大分マシなのだろうが、生憎俺は地球の蝉の鳴き声など聞いたこともなく、行ったことすらない。


木陰を見つけて腰を下ろす。幹に背を預けて座り、ゆったりと流れる人工の雲を眺める。

ああ、暑い。
ツゥ、と一筋汗が頬を伝うのを感じ、眉を寄せながら腕で大雑把に拭う。
暑い、頭がぼーっとする、喉が渇いた。

ふうっと小さく一つ溜息をこぼす。
別に夏が嫌いと言うわけではない。暑さ故か、さらに美味しく感じるアイスに麦茶、縁側に小さく響く風鈴の音色、プールに祭、そしてからっと晴れた空。どれも趣があっていい。ただ、この暑さが苦手なだけだ。


ああ、暑い。
何度も同じことを考える。喉の乾きを少しだけ紛らわすようにゴクリと唾を飲む。

ああ、ミシェルはまだなのか。早く冷たい紅茶が飲みたい。
ほんのり口内に広がる甘さと程よい冷たさを思い浮かべ、酷く、喉が渇いた。



売り切れていたからといってホットを買ってきたニヤケた面はとりあえず殴っておいた。



end
more..!
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