「 お前が好きだよ 」

その一言から始まった新しい関係

そう思っているのは…あなただけでしょう

「 私は… 」



あなたが、大嫌いです。



ー…パタン

「 しつこかったですね… 」

疲れた身体を布団へ潜り込ませ

溜息と共に口から滑り落ちた言葉に苦笑した

これは、少し前のこと…


「 僕じゃだめなの?! 」

「 あなたと私は男です 」

「 そうだけどっ、僕は! 」

「 それにあなたは神獣、私は鬼神立場が違いすぎます 」

「 僕、は………っ」

「 …失礼します 」


意識を現実に戻し考えた

今にも泣いてしまいそうなあの表情はこの長い時間で初めて見たものでした

それは私を想って現れた表情なのですね…

「 あなたが…好きです」

今度の溜息と共に出た言葉は自分でも驚いてしまうくらい酷く甘いものでした

すぐにでもかき抱いて、この気持ちを伝えてしまいたい…

それは、許されないこと…

この気持ちはずっと閉まっておきましょう

あの愛しい方に届いてしまわぬよう

開いてしまわぬように…

ずっと、ずっと…

END 次回 白澤side