少し倒した椅子に座った
先生に抱っこされる
先生にもたれかかってると、このまま私の体が先生の体に溶けていくような気分になる
バイバイするのが嫌でずっとぎゅってしてる
離れないように
ちょっとでも長くそうしていられるように
ぎゅってしてる間もバイバイした後を考えてる
きっと恋しくなるのがわかってるから、今いっぱい抱きしめ合っておこうと考える
ずっと一緒に居られればいいのにって思う
いつもいつも先生といる時間はあっという間に過ぎていってしまう
どんな話をしたか、
どんな顔をしてたか、
どんな声で話してたか
忘れないようにその時間を噛みしめる
ぎゅってされた時の安心感を思い出してるよ
それが私を支えてる
私元々
先生のことなんとも思ってなかったんです。
ただの先生としか思ってなかった。
悪印象はなかったけど普通の先生って感じでした。
でも良い先生だった。
私特に目立つ生徒じゃなかったんです。
特別悪いこともしなければ、成績が良いわけでもなく。
本当に普通の生徒で。
でも先生はそんな私も覚えててくれたんです。
久しぶりに本屋でたまたま会った時、声をかけてくれたのは先生でした。
私は本ばかりみて気づいてなかった。
でも先生が私を見つけてくれた。
塾は大きな塾で一学年100人くらいいました。
それに私は塾でほとんど先生と喋ったことがなかった。
それでも覚えててくれたことに驚きました。
疲れた先生は時々私に甘えてくる
私の膝の上に頭を置いてなにもいわずに目を閉じてる
きっと先生には先生の悩みや不安があるんだろうなと思う
私は特に聞いたりはせずに頭を撫でてる
先生がぼそっと喋り出したらうんうんって相槌をうつ
10歳
年上のプライドもあってか愚痴ることは少ない
話した後はいつも『つまらない話してごめん』って言う
つまらなくなんかないよ
話してくれて嬉しいよ
何も気の利いたこと言えないけどいつも見てるよ
何かあった時、大丈夫って笑って支えてあげられるくらい強くなりたい