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フライング・デイ3.5(SS)

*『フライング・デイ』の番外編
*立花くんのお話



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ありふれたひの(SS)

※現代で留伊
※伊作が♀
※おそらく女体化初作品





そういえば、出かける前には必ずキスをしている。夜にするみたいに濃厚なものでなく、ちゅ、と触れる可愛いものだ。


「…」
「…うぇ、な、なにじっと見て…」
「や、何でもない」


ぼすりと留三郎の胸に顔が埋まる。彼の声は明らかに照れが混ざっていた。おそらく真っ赤な顔をしているのだろうが、残念ながらその顔を拝むことは難しい。


「あー…会社行きたくねぇー」
「だ、だめだよ!ちゃんと行かないと!!」


分かってるよ、と優しい声と共にもう一度口づけをされた。


「じゃ、行ってくるな」
「うん、行ってらっしゃい」


足りない身長を補うように屈んでくれた留三郎に行ってらっしゃいのキスをして、とびっきりの笑顔で見送った。
寂しく思うのは一瞬。エプロンのポケットから携帯電話を取り出す。今日の夕飯はは留三郎の好きなハンバーグにするから早く帰っておいでね。文末にうさぎさんとハートマークをつけて送信ボタンを押した。



END
***
そしてハンバーグは留三郎が17:30(最短記録)に帰ってきたおかげで黒焦げにならずにすみました。
なぜか夫婦設定という。この二人はずっといちゃいちゃらぶらぶしてるよきっと。

灯華の音(SS)


当時の俺にとって、夜というのは未知の世界だった。必ず21時には布団に行かされ、渦を巻いている蚊取り線香から立ち上る煙がゆらゆら揺れるのをぼんやり見つめ、漂う独特の香りと、それから虫たちの鳴き声が背景音楽となり、静かに眠りへと誘われる。街灯なんてこんな片田舎には沢山なく、網戸越しに見える景色は黒い山と濃紺の空に輝く白い星々だけだった。

そんな俺が、唯一21時に布団にやられない日。それが、祀りの日だった。しかし子どもは神社へ行けない。何故か知らないけれど、それが習俗として今でも残っている。だけど親がいないということは、なんでもできる、自由ということだ。俺はその希少な時間を楽しむために、テーブルにならべたお菓子を食べ、コップに注いだ炭酸ジュースを飲み、優雅にテレビを観ていた。
そうしたら、いつもは寝ている22時ぴったりに、玄関の方から音がした。


「悪い、へいすけ!」
「遅いよ、はっちゃん」


戸を開けたらにこやかに笑う竹谷の姿があった。彼が家に来ると約束していたのは21時半。まぁ、元々時間にルーズな彼が丁度に来るとは思っていなかったが。


「早く上がれよ」


先程から蚊や小さな蛾がひっきりなしに家に侵入している。早く戸を閉めたくて、竹谷を促した。しかし彼は動かない。そのまま、固い声で俺の名を呼ぶ。


「なあ、祀りに行かないか」
「…はっちゃん」
「だって、俺ずっと気になってんだ。へいすけだって、そうじゃないのか」
「……」


俺たちは好奇心の塊である12歳だった。知りたくなかったわけじゃない。むしろ、ずっと行きたかった。秘匿された子ども禁制の祀り。何が行われているのか、何を行っているのか。
俺は無言で居間に行き、テレビと電気を消した。階段にかけておいたパーカーをはおり、靴箱の上にある鍵を掴む。


「…怒られるかもな」
「怒られるのは子どもの特権だろ」


罪悪感が無いわけではないが、それでも胸の高まりはおさえきれない。誕生日に買ってもらったマウンテンバイクにまたがり、俺はペダルに力をかけた。


「バレたらおやつ抜きになるかもな!」
「うわあ!それは嫌だ!」


そんな他愛ない話をしながら、俺と竹谷は未踏の世界へ進んでゆく。それが、はじまりだった。




***
書きたかった田舎の夏。続くか分からない。

文明の進化(SS)

※6年のSS
※現パロ
※下ネタのためワンクッション
※まあ下ネタというかエロ本の話です
※文三木、仙綾要素あり
※しかも三木と綾部はにょた
※それでも読んでもやるって方はどうぞ
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七夕(SS)

○6年の場合

『日々鍛練』
『バレーボールしたい』
『この世からしめりけと鼻水が無くなりますように』
『物が壊れませんように』
『平穏無事』
『幸せになりた』



「小平太のヤツなんかただの呟きじゃねぇか」
「そういう文次郎だって願い事じゃないよ!」
「私の願いが叶うかはは貴様の手にかかっているぞ留三郎」
「俺の願いもお前んとこの委員会によっては叶うぜ仙蔵」
「長次のお願いは和むね」
「……伊作、これ途中で切れて」
「うん何も言わないでいいよ」
「………頭のたんこぶ」
「……、……願い事書いてる最中にボールが当たるとかさ、ホント無いよね…」


(願い事すら不運に邪魔され書けない伊作)



○5年の場合

『世界平和』
『世界征服』
『世界豆腐』
『世界は友達』



「雷蔵と俺以外ひでえな!」
「お前もひどいよ!!何だよ世界は友達って!!一人だけ一字多いじゃねーか!!」
「全く皆分かってないな」
「分かってねえのはてめえだ豆腐め!」
「これ皆叶ったらすごいよね」
「どれも叶わねぇよ!!!」


(オールツッコミ、三郎)



○4年の場合

『射撃の腕が上がりますように』
『これ以上美しくなりませんように』
『キャラが統一されますように』
『土井先生と竹谷くんがトリートメントさせてくれますように』



「三木ったら普通過ぎてつまんない。滝もそのまますぎてつまんない。タカ丸さんもそんなに髪を構いたければ夜這いすればいいじゃないですか」
「ダメ出しすんなああ!!」
「ていうかその願いはダメだ!!ダメだぞ綾部!!!」
「禁句だよお!!」


(綾部フリーダム)

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