「雨の日って、どうも憂鬱になるんで私嫌なんですよね」
こじんまりとした部屋の窓から、一人雨を眺めているライナさんに私はこう話し掛けた。
そもそも旅の途中、不運にも雨が降ってきて先に進めなくなった私達は、やむ終えず立ち寄った小さな村の宿屋に泊まる事となったのだ。
そして、雨脚は酷くなる一方で私の心も酷く憂鬱となっていく。
そんな私と部屋には外を眺めているライナさんと、ふかふかベッドで爆睡をしている人が約一名。
気持ち良さそうに眠っているヒューズさんには鼻ちょうちんのおまけ付きときた。
あとの他四人は各人やりたい事があるとか何かで外出している。
居残り組みの私は繋がりもしない携帯を弄っていたんだけど……何だかそれも厭きたんで、同じ居残り組のライナさんに『親睦を深める為のお喋り会をしてみようかな〜』っと思い話し掛けてみた。
「確かに、重々しい空気になるし、天然パーマの私にとって雨は天敵だけどね」
ライナさん天パだったんだ。
てっきり、毛先だけパーマをあててるのかと思ったや。
「でも、私は雨が好きだよ」
「ええっ〜、じめじめしてコッチが憂鬱な気分になる雨がですか?」
天パを気にしているのに雨が好きだなんて、ちょっと変わった人だな――そう思ってたら、不意にライナさんは私の方へ体を向けて
「うん。降り頻る雨はね、多くの生き物達に恵みを与え、そして汚れも綺麗に洗い落としてくれる」
(――そう、幾度となく魔物と戦う私にこびりついた血生臭い匂いも一緒に洗い落としてくれる)
「それに、雨って神様の涙でもあるんだよ」
「神様の涙?」
「泣けない人達の分を、空にいる神様が代わりに泣いてくれているの」
だから、私は雨が好きなんだ――そう言い、曇天の空を眺めるライナさんはとても儚げで、まるで女神のように綺麗だった。
ああ、嫌いだった筈の雨の日もライナさんを見ていたら何だか好きになれそうだ。
憂鬱な雨と恵みの雨
(まぁ、雨が上がった後の空気はひんやりと冷たくて好きですけどね)
(あっ、その気持ちわかるっ。涼しくて気持ちがいいよね)
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トリップヒロインとライナの絡み話。
物語の主人公同士(トリップ夢の主人公と【Land Queen】の主人公)で絡みさせてみました。
それとヒロインちゃんはライナのことを怖がっとりますのであまり自分から話をしようとはしません。ライナから話掛けられたら喋りはしますが、でも内心ではおどおどしとります(苦笑)
因みに、ヒロインちゃんがライナを恐れている理由は『ライナさんを怒らしたら魔法をぶっ放たれる』と思い怖がってます(苦笑/前回のトリップ話を参照)
まぁ、ライナは特定の人間(ヒューズとホトギ)にしかやりませんがね。
つか、この絡み話には裏設定がありまして…実はヒロインちゃん、ライナに対する恐怖心を克服したいが為に『ライナさんとの親睦を深める為のお喋り会』だと自分に暗示させて自ら喋りいったのが真相だったり…(苦笑)
そして話をしてみた結果、ヒロインちゃんの中でのライナは【ちょっと変わった人】と【実は天然パーマ】が付け足しされたとか。
あと雨の日ってどうしても憂鬱になりますよね。
そして、今日(って言っても昨日になりますが…)のバイトはえらく忙しかったです。近隣で花火大会があるとか何やらで親子連れのお客さんがぎょうさん来てはりましたよ。
さて、今日も朝からバイトなんで頑張るぞ〜(・ω・)