2011年9月5日月曜日

2012.6.1 Fri 22:10 :詩
詩136 ホイップクリーム

 




『ホイップクリーム』





















この腕をあげるから

きっと夢をつかんでくれ

この足もあげるから

高く高く跳んでくれ






この目だって持っていって

見えないものを見たらいい

そしてこの歌声で

世界中に教えてやれ






夜勤明けで孤独とふたり

やりきれなくて

点けたラジオから

聞き覚えのある歌声

中腰で最後まで聴いた






あれだけおまえの成功を

心から願っていたのに

意外と俺は小さくて

つまらないやつだったみたいだ






白線の内側には

もう何もないことを

まさかおまえに教わるなんて

こんな日がくるなんて






俺にはわかるんだ

あの電車に見える鉄は

きっと神様の腕に違いない






あと少しで まるで俺は

ホイップクリームか

なにかみたいに

受け止めてもらえるだろう






それで日差しに反射して

泡の粒として煌めくんだ

きっときっと綺麗だと思う

たぶん。





















 



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