ずっと下を向いて歩いて来た。今でも芋っぽい自分が大嫌い

自分にほんとによくしてもらった人、お世話してくれた人にだけ
自分もその分、その人に良くする。

という、何か与えてくれた人に限り俺も返してやる精神なんだよね
って言うのが滲み出ている

彼の話し方は自信過剰というか、見下す言い方するというか
鼻につくなって感じた

たかひろが私にはなしたこと

おれ収入負けるの大嫌いだからさ
4年目だけど12年目の人と同じくらい貰ってる

上の人たちと関係もすげーめんどくさかった
飲みに行っても途中で抜けてミューズ行ってたし
雰囲気悪くなっても、上の人に怒られても。

ミューズでテキーラ煽って女ナンパして逆にナンパされたりしたし
きっとこれが彼を一番楽しませてたこと

大学のヤツらなんて大嫌いだし今
でも嫌いだし
つるもうなんてまるっきり考えなかった


本当に好き嫌いが激しいというか
人と上手く付き合うのが下手なんだなって
さすがの私でさえ思った

彼自身があんなに自分のことを私に話したのも
きっと初めてだったと思う
私じゃなくて彼がずっと話してた

彼が話すのを聞きながら

こんな目細い人だったっけ？
上から目線の話し方だなあ
下唇が厚いんだなあ

色々なこと思った

久しぶりに見たたかひろは
なんだかまた太ってしまってて
取り敢えず回した手が肉厚感を感じるくらい
身体がでかかった

ジャケットを着ればさまになっていた姿も
フード付きのそんなおしゃれには見えない上着

出会った4年前程前とは似つかない姿

こんなにも人は姿が変わってしまうものか
あの時の私は彼がこんな風になるとは考えも想像もできなかっただろう

いまでは店に来てる客と同じく
私は彼の昔のホストのような容姿が今では思い出せない

ホストとかやってる？って聞いた記憶だけがあるから、きっとそういうシルエットではあったのだろう

今では売れない中年ホストにさえ
見えなくなってた

ほんと、客。
よくキャバクラにいる客のシルエット