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とある3つの設定を合わせ持つキャラは、ギャグ的には王道のキャラだとおもうB(6927100)

家庭教師ヒットマンREBORN!で『台詞一つでショートショート』なお題バトンI



小説(ショートショート)用の、ちょっと特殊なお題バトンです。

文中のどこでも構わないので

「幸福も不幸も善も悪も、所詮それぞれの価値観でコロコロ変わる様な薄っぺらいものだと思わない?」

を入れてショートショートを創作して下さい。ジャンルは問いません。口調等の細部は変えても構いません。


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 連れてこられたのは、リムジンの中で見た花園だった。様々な花が咲き誇っている。白蘭は家康と屋敷の奥に、桔梗はナックルと共に何処かへ。ザクロはエントランスで暴れ始めた。
 この食えない男は夏本番前だというのに薄手の長いコートを着ている。ポロシャツとニーハイブーツは黒い。ポロシャツにしめているネクタイとパンツは白だ。

「それにしても、珍しい男だ。見ただけで彼に嫌われるなど」
「そうですか」

 感情込めずに答える。

「彼の弟君と仲良くしたいという希望は叶いませんよ」
「やはり、これも家康さんのいう『テスト』の一貫ですか」

 左様、とデイモンは酷薄な笑みを浮かべた。

「一番希望があるのは、花の名前の男ですね。ナックルはああいう争い事を好まない臆病者に甘い。次に言えば、暴れん坊な彼…Gは家康の右腕だ。それになかなか見込もある…──あの中で一番強い人間をアッサリと選び抜くとは、相当な手練れだ…」

 ヌフヌフ楽しそうに笑っているが、面白くとも何ともない。この男に誉められると、かなり不愉快だ。間違いなくろくなこと考えていない。あとでザクロにはこの男に注意するよう言っておこうと思う。
 そして、自分はその対象物になっていなくて実に良かった。

「それにしても…──何故、君は嫌われたのでしょうねぇ? 私は、非能力者には興味がとんとないのですよ」

 ん〜、とこちらを振り向いた。
 辿り着いたのは、ここも綱吉の実家の敷地内である…──『林』。花園から少し離れた所にあって、さっき植物園らしき全面ガラス張りの建物を越えてきた。
 何やら言いたげたが、内容は分かりきっている。こいつもそこら辺のチンピラと同じことを言うつもりだろう。

 やはり、と目を細め。

「その紅い目が気味悪かったんでしょうね」


***


「ねぇねぇ、オニーサマ? あのダブル稲妻のパイナップル男はオトモダチ?」
「一応、そうだ」

 ふーん、と家康は白蘭を連れてまだ廊下を歩いていた。

「あのつり目のオニーサマだってやる気はなさそうだったけど場の空気には馴染んでた。けど、あのデイモンとかいう人は全然空気違ったよ。アレって、僕らの何かを『判断』するための余興でしょう?」
「余興か。酷いことをいう。私は本気だ」

 まぁ、いいけどぉ、と白蘭は頭の後ろで手を組んだ。

「一体、何を基準にテストするつもり? 人柄とか? だったら骸クンを『あんなの』に預けられるのは不愉快かなぁ。一応、幼馴染みだし、一番マトモだよ」

 あることを除けばね、と白蘭は飲み込んで言わないでおく。骸の中の『決まりごと』は骸の中の喜怒哀楽の『怒』を全面的に押さえ込む役割をしている。
 幼馴染みでありながら、それ以外の理由で本気で怒っている所を見たことがない。

 但し、外されたら目も当てられない。

 それは、桔梗も真似をして信条としている。

 むくろ、と家康は呟く。
 それから思い至ったように顔を少し上向けた。



「あの、綺麗な紅い目の青年か」


***


 おおよそ、デイモンや家康が生きている世界では、殺し屋をヒットマン。あるいは『プレイヤー』と呼ぶ。(あれ、と思われた方。僕も西尾さんのファンであります)
 家康を更に甘くしたような弟が連れてきた友人の中でも、骸はそれは大人しく、同時に禍々しい雰囲気を持っている青年だった。あの中では間違いなく、喧嘩屋よりも、ヤクザよりも、自分達が属しているマフィアよりも『殺し屋』の類いが持つような雰囲気だった。

 油断をしたつもりは無かった。

 無かったが。

「君! 飛行機に乗ってきたのでしょう!? 何故、金属探知機にそれほどの量の『ナイフ』が引っ掛からないのです!?」
「クハハ。知りません。空港会社の金属探知機が壊れていたのでしょう。だから検問を越えられた。簡単なことです」
「そんな話が簡単なわけないでしょう!」

 とす、と股の間にナイフを、それはダーツの要領で投げつけた。
 既にフード、両脇がナイフで木に縫い付けられている。

 彼は『術師』だ。
 しかも、体術も兼ね備えている攻撃特化タイプの術師だ。幻覚能力さえも気味が悪いほど高い。

「分かりました! 貴方の実力は認めます! 認めるからナイフを投げるのを止めなさい!!」
「クハハ。実力など貴様に認められた所で何だと言う。そんなもの、幸福や不幸、善と悪。その人間独自の価値観でコロコロ変わるものと同じだ。そんな薄っぺらいものを貴様に認められたとして、何が喜ばしいか。そうだと思いませんか、デイモン」

 この、悟りきったようなクソガキは!
 デイモンはまた服の中から抜き取ったらしいナイフを握った骸に忌々しさから睨み付けた。


***


「ほぅ。あのオッドアイの青年が師匠なのか…──」

 はい、と桔梗は屈託なく笑んだ。
 そうか。あの青年が。

 独特の雰囲気がある、あの青年が師匠…──この笑顔は本気で信頼している顔だ。
 これはデイモンがなんと言おうと信用できる青年なのは間違いない。
 桔梗は師匠は言ってくれました、と目を閉じた。

「力を得ることは、道を誤りやすい。だから正しく歩けるように自らを律するように言われました。しかし…──私達は神ではない」

 ふいに、桔梗はふっと笑った。
 それは、感慨に耽っているように。

 それから桔梗は苦笑した。

「我々は神にはなれない。決して万人に慈悲を与えられない。罪人を許すことなど出来ない…──神のような御心を持てと言いますが、人間には無理であると…──」

 ナックルは、まるで自慢するような桔梗に目を奪われる。

「ですが、さらに『神とは哀れだ』と言いました。自らの怒りのために、力を振るうことを許されていないのです。誰かを守るために、一心不乱に振るうことを禁じられている…──それをするだけで、たくさんの命を薙ぎ払えてしまうから。だから、私達は例え暴力を是としなくても、怒りのままに力を振るうことはしていいのです、と」

 そうして、桔梗はただし、と呟いた。

「誰かれかまわず振るうのは愚か者の行為だ。力を得て、使い方を謝った人間のやることだ…──だから1つだけ、許さなくて良いことを決めなさい。その時は構わず暴れていい。力を振るっていいと…──こんなことを牧師様の前で話すなんて忍びないのですが、私は師匠のその教えはとても好きなのです。ですから私も、そうしているのです」

 桔梗は続けて、まるで純粋な信者のように困った顔をしている。

「ただ、師匠は本当に容赦がないのです…──あのデイモンという男が…──」


***


 少し、心配ですね。


 花の名を持つ青年の予感は、抜けるような青空の下で適中することになる。
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死にかけ

頑張った。
咳が、まるでくたばる前の病人のようだ(笑)

魔王のつもりで書き始めたのに、勇者みたいだと連呼して、こうなった(笑)

とある3つの設定を合わせ持つキャラは、ギャグ的には王道のキャラだとおもうA(6927100)

 家庭教師ヒットマンREBORN!で『台詞一つでショートショート』なお題バトンL



 小説(ショートショート)用の、ちょっと特殊なお題バトンです。
 文中のどこでも構わないので

「『死は平等に訪れる』っていうけどさ、それはつまり…死以外は何ひとつ平等なものなんて無いって事だよね。」

 を入れてショートショートを創作して下さい。ジャンルは問いません。口調等の細部は変えても構いません。



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とある3つの設定を合わせ持つキャラは、ギャグ的には王道のキャラだとおもう@(6927100)

家庭教師ヒットマンREBORN!で『台詞一つでショートショート』なお題バトンF



 小説(ショートショート)用の、ちょっと特殊なお題バトンです。
 文中のどこでも構わないので

「『○○』が大事なのは分かったけど、それに気をとられて『○○』を疎かにするのはどうかと思うよ?」

 を入れてショートショートを創作して下さい。ジャンルは問いません。口調等の細部は変えても構いません。


※今回はいつもの条件の他に『』内に入る言葉も、自由に考えて下さい。



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僕の悪友はとことん規格外である(6927100)

家庭教師ヒットマンREBORN!で『台詞二つでショートショート』なお題バトンH




 小説(ショートショート)用の、ちょっと特殊なお題バトンです。
 文中のどこでも構わないので

「ごめんね、悪気や悪意は無かったんだよ?」

「ついでに遠慮も容赦もな。」

 を入れてショートショートを創作して下さい。ジャンルは問いません。口調等の細部は変えても構いません。



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 骸と白蘭にあの桔梗とザクロが知り合いだと分かると、とうとうこの学校でも魔手が伸び始めてきたのである。

 それは当然、一緒にいる綱吉にも及ぶわけで。

「ひぃー!」

 頭を抱えてしゃがみこむと、綱吉を襲ってきた不良に骸と白蘭からのダブルキックを前後から食らい、崩れ落ちた。

「ごごご、ごめんなさい!」
「えー? ツナ君悪くないよー?」
「謝らないでください。綱吉は悪くないですから」

 目の前の敗者は邪魔だ。蹴って転がす。

 尻餅をついている綱吉の前に跪いて頭を撫でた。

 それより、大丈夫だろうか。
 怪我はないだろうか。
 身体全体を確認する。

「骸クンの変態っ」
「怪我がないから調べているだけですよ」

 大丈夫そうですね、と骸がぽんっと肩を叩く。安堵から笑みが溢れる。

「しかし、白蘭のせいですよ。ちゃんと桔梗の面倒を見なかったから…僕まで不良扱いです」
「ごめんね。悪気や悪意は無かったんだよ?」
「嘘おっしゃい。遠慮も容赦もなく人を巻き込んだでしょう」
「えー? でも、思いっきりやってたじゃん! そりゃもう清々しい顔で」

 今度は白蘭と骸が互いを掴みあう。
 そんな放課後が、幾日も過ぎていって…――。


***


「おい、白蘭、六道。沢田知らんか?」
「はい?」

 授業が始まる数分前。音楽の教科担任の指示通り、そちらに向かった旨を伝えると教師は眉をしかめた。

「それが来てないんだ」

 どうしたんだろうか。
 一応、来ているかもしれないと教師は職員室に戻っていった。

「なぁんか嫌な感じ」

 白蘭が頭の後ろに手を組んで椅子に寄り掛かる。

「君のせいですよ」
「僕ばっかり。正当防衛訴えてたの骸クンのくせにぃー」

 暫し沈黙して。

「僕は外を含めて一階から探してきます」
「僕、屋上行ってくる」

 白蘭が軽い足取りで教室を出て行く。そして、自分は下るため階段へ。
 階段のそばに背を預けている男子生徒がいる。腕を組んで明らかに誰か待ち。
 骸を見て、表情を変えた。

「綱吉は何処ですか」
「あいつならコッチだ」

 やはり捕まっていたのか。
 沸き上がる苛立ちを抑え…――るのは辛そうだ。

 どこぉ、と階段を降り始めた生徒を壁へ叩きつけ、背中を蹴飛ばして階段から突き落とす。
 ゴロゴロ転がって落ちていく彼が止まった所で、階段の上から更に飛び降りて生徒をに着地する。

 呻いた所で傍らに膝をつき頭を持ち上げて床へ叩きつける。
 がき、と固いものが折れた音だ。すかさず間接技へ持ち込む。

「何処ですか? 綱吉君は何処ですか?」

 いだだだ、と悲鳴をあげるので言えば解放するといって更に締め上げる。
 やはり、癖で君が付く。
 白蘭みたいで嫌なのだが、ふとした瞬間に『君』をつけてしまう。

「わかった! わかったから離してくれ!!」
「そのような無駄口を叩けるんですからまだイケますね。なかなか骨のある方だ」

 更にキメてやると、ようやく体育館裏だと白状した。遅いんですよと頭を蹴飛ばす。

 それを放置するはずもなく、更にズルズル引きずりながら階段を登って手摺から膝裏で手摺に引っ掛かるようにぶら下げてやる。

「主犯は? 何人ですか?」
「ま、待て! 落ちるっ! 落ちるーっ!!」
「大丈夫です。僕が押さえてますし、膝裏というのはとても便利なフック代わりになるんですよ。鉄棒したことがあるでしょう。そんな感じです。ですが、言わないようなら時間が惜しいので『行きます』」

 両手をパッと離すと、ごめんなさいと謝りながら首謀者の名前に人数を教えてもらった。
 流石に落ちては死にかねないので(まぁ死んでも良いとは思ったが)階段の手摺から下ろして体育館裏へ向かう。
 その途中、白蘭の携帯へ繋げる。

『もっしー? 骸クン。綱吉クン見つけたー?』
「いいえ。場所が分かりました。体育館裏です。首謀者は3年生の糸崎とその仲間5名。計6人です」
『うっわぁ…僕メチャクチャ反対側じゃん? 今、視聴覚室なんだけど』

 何故そこにいる。
 白蘭がいるのは屋上とは正反対だ。屋上へ行くなら音楽室から出て左に進み一番近くの階段を2回上がったら直ぐだ。

「来なくても大丈夫ですよ」
『待って待って! 今、飛んでいくから1人で片付けな…――』

 ぷつりと切る。
 視聴覚室から体育館裏ならば本来、10分掛かるだろうが白蘭ならその半分か。
 間違いなく骸より先に到着するだろう。

 白蘭は、とことん『規格外』なのだから。

 あの生徒から奪った携帯の『メール』の送信履歴を漁り、彼の糸崎のやり取り時の口調を覚える。
 やりました、とメールすれば、手はず通りに校舎裏に連れてこいと、やはり何か策を張り巡らせていたのであろうと推測出来るメールが返って来た。

 体育館裏までの最短距離…――『体育館を通る』。わざわざ外靴を履いて体育館裏に行くなど手間だ。大方、建物の影に身を潜めて強襲する気だったのだろう。

 ならば、大体これで相手方に意表をつける。

 その作戦は無駄に終わらせる。いやしかし、簡単に見抜かれるような作戦は作戦ではないか。

 そんなのは『無駄』というものである。
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