スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

『innocent』







『innocent』







痛い 痛い 痛い



「いてぇよ“   ”」







空虚な痛みが体を蝕む。


ある筈のない腕。

ある筈のない心。


痛むのはどっちだ。
苦しいのはどっちだ。


ぽっかりと空いた穴が埋まることなんか無くて、痛みに耐えることが出来ない。



見えない

逢えない

触れられない

呼べない



一体どれだけの痛みを背負えばいい。


吐き出すことも出来ないこの言葉を、心を何処にやればいいのかさえ分からない。

いや、わかりたくない。

この痛みをずっと忘れることのないように、躯にだけは刻み付けたくて。痛みが君を感じる全てなら奪うことなんて許さない。


誰に 君に 逢いたい。


逢いたくて逢いたくて

また歯を食い縛る。


呼べない名前を、俺は確かに持っているから。






なぁ、失くしたオレの右腕は

君の側にいますか

君を抱き締めていますか



もう離さないように、
強く強く繋がっていますか






独りきりで



泣いていませんか?






ただ、君の幸せを祈っている。







fin.
















─────────

11巻読みました。

猫の宵風と雪見さんの絡みに癒されて、やっぱり雪見さんが一番の男前だと再確認!!!!

色々ネタバレかもです。あとがきで書くことじゃないですね(苦笑)

宵風宵風宵風


もう 呼ぶことも出来ないんですね。苦しい気持ちがリンクし過ぎて潰されないで欲しい。誰より幸せになって欲しい。



飛び飛びでの更新すみません。いくらなんでもマイペースすぎますね。



でもまだこの居場所を手放せない私の勝手な我が儘に、付き合っていただけたら幸いです。

『終わらない願い』




それは、夢かもしれない。

終わらない、永遠に続く夢。



だからどうか醒めないでくれ。





『終わらない願い』






「ゆきみ…、壬晴を守って」


最期

最期まで

お前は自分のことなんか後回しだった。

自分の願いを叶えるために、たくさんのものを犠牲にしてきたとお前は嘆くけど

それだけ 心ん中ずたずたにしといて、どうしてお前を憎めるだろう。


「はァ…、めんどくせーなぁ」


ただそれしか言えなくて、それだけしか言えない自分の無力さが息が出来ないくらい苦しいこともあったけれど、微笑むお前の信頼がくすぐったく思えた。

そう、今はお前に逢えただけで全て救われる気がするんだ。

お前が帰れる場所は俺で、俺はそんな存在になっていたって自惚れてもいいよな。

自然と零れ落ちる笑みは、きっと縮まった距離の分だけ君の側にいれたから。


最期まで、側に

手の届く距離にいたかったけど

もう体が動かねぇや。


宵風

宵風

宵風








好きだった。

愛してた。




ただ 君の幸せを願う俺に君の願いを叶える力をくれ。


動け

まだ終わらない。

終わらせない。





宵風、側にいれて幸せだったのは

きっと俺の方だ。








白の深さに全て奪われた。



もう 君の名さえ呼べない俺に


君はまた微笑んでくれますか?




fin.










明けましておめでとうございます。新年から雪宵妄想が止まりませんでした。
年末に最新刊を読んだお陰で、涙がやばかったです。宵風が幸せに本当に幸せになれたと思っていいんですよね。

忘れる ことが辛いことでも宵風が最期まで笑う姿を見て、全て救われていたらいいなと 勝手ながら思っています。

ただの駄文で突発文ですが、今年もマイペースに頑張ります(*^_^*)
どうぞ宜しくお願いします。

『ことだま』(雪宵)





名前を呼ぶ度、深く溶け合えたなら


そんな途方もない願いを


その名に乗せて






『ことだま』










初めて 名を貰った

あの夜。


“よいて”と名付けられた優しい夜。

自分の存在をただ示すための言霊に、何故か強く引かれた。

消えゆくことを願うのに、初めて居場所を与えられたような温もり。


その名前がただの思いつきでも、誰かの名なのだとしても

ただ、自分だけのものにしたかった。


何も持たなかった自分に初めて、与えてもらった確かに存在する証。


その矛盾さえも

いつしか 愛しいものへと、変わっていったんだ。







正午よりも幾ばくか過ぎた時計をぼんやりと眺めていると、仕事をしていたはずの雪見がすぐ後ろに来ていた。




「宵風、オムライス食うか?」

「…おむらいす?」


「おっ前、オムライス知んねーのかよ」


こくりと一つ頷くと、ゆきみは突然立ち上がった。


「よし!作ってやる。教えてやるからお前も来い」


「………?」



やる気満々に腕まくりをしながら、ゆきみはキッチンへと消えてしまう。
正直面倒だと感じてしまったが、好奇心には勝てずに素直にゆきみの後を追った。



「お前は卵を混ぜな」

キッチンに着くと直ぐにそう言って、卵とボールと箸を強引に渡されて渋々と受け取る。
そして、さっとエプロンを来たゆきみは冷蔵庫からケチャップやらを取り出していた。



「俺はご飯やるから、混ぜながら見とけ」


そい言うと、いつの間にかまな板に並んでいた野菜を細かく切っていく。

その素早い手つきに、僕は卵を混ぜるのも忘れて食い入るように見入っていた。




「──ん?宵風、お前もしかして卵割れねぇのか?」


僕がはっとして、未だに卵を持ったままだということに気づく。
じっとゆきみの作業を見ていたせいで、全く手が動いていなかった。


それを見てしょうがねーなーと言いながらも、ゆきみは僕の手に持っていた卵を一つ取り上げた。



「こうやってだな、角にぶつけてヒビをいれてだな──」



そう説明しながら、流れるように僕の持っていたボールに黄身と白身がするりと綺麗に入れられた。


「分かったか?宵風」


何てことない動作なのに、ゆきみがやると何故だか変な違和感を感じた。



「次、お前がやってみな」


もう一つの卵を渡されて、頭にポンポンと掌を置かれる。
任務をこなすときの指と同じ筈なのに、頭に優しく触れられる指先が、何故か温かく感じてしまった。



早速、角に卵をぶつけると思ったよりもべしょっと潰れてしまって、僕は急いでボールに卵を入れた。

しかし、黄身が割れてしまったようで形が崩れてしまった。

それを見たゆきみは少し笑って、また頭をぽんぽんと叩いて髪をくしゃくしゃと撫でた。




「やってけば、上手くなるからな。慣れだ慣れ。最初にしては上々だ」


そう言って、頭から掌は離れ何事もなかったかの様に自分の作業に戻っていく。


そう 何てこともない日常の事なのかもしれないけれど、自分にとっては初めてのことのようで、ゆきみに触れられた頭に無意識に触れていた。


初めて感じるこの気持ちが、何なのかも分からないけれど、ただいつも聞こえていた責め続ける声達がすっと聞こえなくなった。



必要とされ必要としたい。

自然と無くなった願いだけが、言霊のように頭を巡った。



「宵風、手ぇ止まってんぞ。飯の方はあとちょいで出来るから、お前も働け」


僕は言われた通りに箸を握って、左手にボールを持ってかき混ぜ始める。

怒っているような口調なのに、何故かゆきみは楽しそうだ。



僕はじーっと、ゆきみを見つめながら

へんな人だと心のなかで呟いた。



手際よくご飯を炒めてるゆきみは、僕がそんなことを考えているとも知らず、おむらいすの作り方を僕にしっかりと聞かせながら作業をてきぱきとこなす。



「んじゃ、卵」


ほれ と差し出された手が、何故だかとてもくすぐったく感じた。









宵風と呼ばれる度に、僕の存在は明確なものへと変貌する。


それは望んでいなかったこと。



けれど、一生叶わないと諦めてしまった願いだから、


だから


振り払えない。


ただひとり

僕に居場所をくれた



あなた だけは─────







fin.








**************
お久しぶり過ぎて、何かもうすみませんιι
書きかけを放置したままえらい時間が過ぎていました(;□;)
今回の話は、えぇそうです。素敵な扉絵に触発されまして書きました。笑 もう分かりやすすぎな思考回路で本当すみません。でもほのぼので書いててとても楽しかったです。

時間があればもっと詳しくオムライスの作り方を調べて、書きたかったですね(T_T)でもそれが結果アップするロスになってしまったのですが……。
駄目駄目な管理人ですが、マイペースに頑張りますのでこれからも宜しくお願いします(ノ_・。)

コメントレス


8/4

野中様へ


コメント有難うございますY(>_<、)Yいつもいつもたくさんのパワーを貰ってます。
それなのに、なかなか更新出来なくてすみません。ほのぼのも書きたいですので目指せ脱スランプ!を目標に頑張りますo(^-^)o

雪見は最後を看取りたいんですね(;_;)そのためなら、本当にずっとずっと宵風の側に居続けたいんじゃないかと思うんです。優しさじゃなくて只のエゴだったとしても、それだけは譲れない。自分だけの役割。

雪見さんは優しすぎなんですよね(ノ_・。)絶対自分じゃ気づいてないかもしれませんが……。

そんな2人をこれからも書き続けたいです。

重ねてとなりますが、本当にコメント嬉しくて嬉しくて、有難うございました。


『白昼夢』(雪宵)




「ごめんなさい」


そう呟く声は、
その姿と共に

闇に溶けていった。










『白昼夢』









宵風、宵風、宵風



何度も何度も名前を叫ぶのに、俺の喉から声が出ない。

口をぱくぱくと意味もなく開閉し続けて、宵風に近付こうとするのにその距離は縮まない。




どこにも行くな。



その一言が、声が出ないとしても口に紡ぐことが出来ないまま、時間と云う歯車に犯されていく肢体。



側にいるにはあまりに短い時間だった。


それでも、


それでも確かに俺の中を掻き乱した存在なんだ。


確かにここにいたんだとお前に伝えたい。



この心が、言葉を介さず伝えることが出来たならどんなに楽だろう。


言葉がない世界。

それは、確かに俺が望んだ世界だ。


それでも、人間は言葉に乗せないと伝わらないことがたくさんあるから。




言葉にすることは何より難しく、何より簡単。そして、時に人を傷つける残酷な凶器になる。


俺の想いを口に出したら、きっと何かが音もなく崩れさる。

それでも、ただ



















「───宵風っ!!」



声と共に開けられた眸。

汗でじっとりと濡れている肢体。


自分の呼吸音。


悪い夢を見た後のような倦怠感と嫌悪感。


体が重く、それに動くのも億劫だ。



何度この夢を見たら許されるんだ。



( 何に───?)



分からない。それでもただ責められている気がした。


また、同じ過ちを繰り返すのかと。


深く息を吐き出すと共に、明瞭になってくる視界。そして、感覚。


ひんやりとした温もりが、掌に感じた。


ゆっくりと横に目をやると、宵風が俺の手を握って寝ていた。




「ここにいたんだな、宵風」


夢と現実が急速に近づき、溶け合う。境界線が消えていく。



そして、何が何だか理解できないまま、訳の分からない感情だけが膨らんでいく。






「宵風、


 側にいろよ」



呟いた言葉は届くはずなんかないのに、

力なく握り返された指先に、柄にもなく嗚咽が漏れた。




そう

ただ、それだけのことなのに






このまま時間が止まってしまえばいいとさえ願う俺は、



もう後戻り出来ないことなど、とっくに分かっていたんだ。




fin.






***************

やっっっと9巻を手に入れました。まず、表紙に発狂するかと思いました。(お ち つ け)

雪見さんのある言葉で、答えがやっと見つかった気がしました。これ以上いったらネタバレになりますね。

気づいたら打ってたという突発文ですが、久しぶりに更新出来て良かったです。

どーにも最近雪見さんを好き過ぎて困りますね。笑

それでは。

前の記事へ 次の記事へ