ショックだった。
ただただショックだった。

私が仁野くんを好きでいることを
知っているであろう友人が
仁野くんと付き合いだしたこと。



それも彼女本人から聞いたのではなく

「え?仁野くんと××ちゃんは
付き合ってるんだよ?」と
違う友達に
何気ない会話から知らされた事。

それがまた衝撃を増幅させた。




私はその時凄く嫌な子で



なんであの子が
好きなんだろう

どうしてなんだろう


あんなブスのどこが
いいんだろう



なんて考えてた。






それから彼女は変わって
凄く人目を気にするというか
今までとは打って変わって
ウイッグとか付けたりだとか



なんて言うか…
当時の中学生の中でも
すっごく背伸びしだしたの…かな?





凄く努力してた。





やっぱ仁野くんは
私なんかよりもああいう子のが
いいんだなぁとか

私なんて疎ましかったんだろうと




自分をひたすら
納得させようと
色々言い聞かせたし、
少し自暴自棄になってた。






だけど仁野くんは
その子とも別れた。


その子もいっぱい泣いてた。



私と仁野くんなんて

親が関わってなかったら
きっと一言も話さないまま
学校を卒業してたと思うし

キスなんてした仲なんて
………到底思えない。






よかったじゃん
あんた付き合えたんだよ?
よかったじゃん
恋人だよ?彼女だったんだよ?

なんて、ね。

私なんて何でも
彼の特別でも何でも
なかったんだよって…






(その後の仁野くんと言えば
自分より身長の高い優秀な彼女を作り
美味しい思いをした筈です。)