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下ネタ?普通だよ普通(9)

「春、どうしたんだ?珍しく神妙な顔して」

「‥‥実は昨日の夕方教室で見てしまったんだ」

「見た‥‥ってまさか、ゆゆ幽霊とか言わないよな?!な?!違うって言ってくれ!田所!」

「いや、山田落ち着けよ。どうせ春の事だからアレに関する事だろ?」

「そ、そうだよな!田所に霊感あるなんて聞いたこと無いしな!」

「ん?山田には言った事無かったか?」

「え‥ま、さかマジで幽霊なんて非科学的な‥‥」

「多分、十数年前に事故で死んだこの学園の生徒だと思うんだが‥」

「ひいいい!ちょっ、ま、マジ止めてくれぇ!」

「おいおい、本気かよ」

「───実はその幽霊が山田の席に座っ‥あ、」

「!! 山田、大丈夫か?!」

「気絶したみたいだな」

「‥‥春、その幽霊は山田にとり憑いてんのか?」

「いや?ただ、その幽霊は山田の席でオナニ一してただけで山田には何の興味も無いと思う」

「は?」

「山田の席は窓際だろう?幽霊の視線が窓の外に固定されてたから一緒に覗いてみたんだよ。そしたら風紀委員長が小悪魔会計にバックで喘がされてた」

「‥‥風紀委員長って確か抱かれたいランク2位だったよな?」

「鷹二、人の好みはそれぞれだ」







きっとそれは覗き趣味の変態さんですヽ(´∀`)ノ

いい度胸だな(季節外れ篇)

「Trick or Death?僕のお薦めは"Death"だよ」

「翡翠!悪戯ってどんな工口い事して貰えるんだ?!」

「会長…その前にDeathにツッコミを入れるべきだと僕は思います…」

「平凡、テメェは何言ってやがる。俺様が突っ込むのは翡翠だけだぞ。諦めな!」

「駄目だ!この人、色々な意味で駄目だ!しかも俺がフラれた感じになってて凄く不愉快なんですけど?!」

「なら久近をKilIでいいよね?」

「会長、選択肢すら無くなっちゃったよ…!」

はなきりん(11)

「毬藻、か‥ちょっと見てみたい気もするが」
「あんな者、目の毒ですよ」
「まぁまぁ‥それだけで決め付けるのは可哀想だよ。理事長代理が不信だからといっても本人はいい子かも知れないじゃないか」
「そうだといいんですけどね」
「何でそんな警戒してんだよ、お前」


 そう深月が訝し気に問えば副会長は少し躊躇う素振りをしてから口を開いた。


「‥‥私、先週一人で町へ降りたでしよう?」
「ああ、そう言えば」
「その時、代理が絶賛していた甥子さんに出会ったんです。‥いえ、ボサボサの髪と分厚い眼鏡が一緒だっただけで同一人物かどうかは定かではなんですが‥」
「へぇ?で、そいつがどうしたんだ?」


 興味津々という風の深月に時冬が眉を潜めた。唯一執着する恋人が他に意識を向けているせいか、それとも此れから先の学園を案じてか。
 もしかしたら時冬自身、分かっていなかったのかも知れない。転校生が来る‥たったそれだけの事でよもや全校生徒を巻き込んだ台風を───。

はなきりん(10)

「どうやら話を聞く限り理事長代理の身内のようなんですよ。偉くベタ褒めの上、私にまで牽制してきました」
「牽制?」
「えぇ『この子に手を出したら只ではおかない』とご丁寧にね。彼はあくまでも理事長"代理"の筈です。教職者という立場でありながら一個人を優遇して他の生徒を脅しつけるなど言語道断でしょう?」


 代理のセリフを思い出したせいか、異国の王子様フェイスを鬼のように歪めて舌打ちを洩らす。


「随分ご立腹のようだね」
「当たり前です!一時間も褒めちぎるくらいだからどれ程見目麗しいのかと思えば‥‥」
「不細工だったってか?」
「‥‥分かりません」
「は?」
「だから美醜など分かりません」
「まぁ、確かにアレではね」
「時冬も見たのか?」
「僕も写真だけだけれど‥」
「へぇ?どんな奴だったんだ?」


 興味津々らしい深月に問われ、時冬はしっくりくる言葉を探すかのように首を傾げ答えた。


「アレは‥何と言うべきか‥毬藻、かな?」
「マリモって北海道の、あのマリモか?」
「言い得て妙とはこの事ですね。見る限り明らかに鬘で今時瓶ぞこ眼鏡ですよ?顔の大半が隠れているのに口元は満面の笑みとかあり得ない!」


 気持ち悪い!と今にも叫ばんばかりの形相で己の両腕を擦る。潔癖症のきらいがある副会長には視界に入れるのも抵抗があるようだ。

はなきりん(9)

「‥‥貴方逹、廊下の真ん中で甘いムードを作るのは止めて下さい。他の生徒の迷惑です」
「副会長」
「ちょ、ちょっと待て!別に俺達は普通に話をしてただけだぞっ?!」


 あれだけベタベタ引っ付き虫で周囲に砂を吐かせておいて何言ってやがるこの馬鹿。
──と王子様フェイスの副会長は内心毒づいた。

 付き合う前の深月は風紀委員長に会う度、自分の無意識の失態に頭を悩ませ鬱陶しかったが付き合ってからは違う意味で凄く凄ぉぉぉく鬱陶しい。
 何と言うか安物のチョコレートに練乳と砂糖と蜂蜜を練って練って練ったような甘さを身体中の毛穴から放出してるのだ。

 教師も生徒も用務員もコックもウェイターもイチャつく彼等を直視出来ない。(見てはいけないものを見た気になるらしい)
 廊下の真ん中でやられた日には通り抜けすら不可能。全くもってはた迷惑な馬鹿ップルである。


「すまない副会長。深月があまりに可愛くてつい」
「時冬も何言って‥?!」
「‥‥はぁ。もう勝手にして下さい」


 何だか馬鹿馬鹿しくなってしまった。これ以上、此処に居て馬に蹴られる趣味など自分には無いのだ。用事を済ませて早々に立ち去ろう。


「そもそも私は風紀委員長に用事があって来たんです」
「僕に?珍しい」
「ええ、実は転入生の事で気になる事がありまして」
「転入生って明日から入寮する奴か?ソイツがどうしたんだよ?」
「実は先程電話で理事長代理に学園を案内する様に言われたんです」
「代理に?それは可笑しいね。外部生には事前に地図が送られる筈だし、寮内は寮長が案内する手筈になっているだろう」


 初等部からの持ち上がり組は建物の構造に慣れている為、余程の方向音痴でなければ迷う事は無い。

 だが慣れない外部生は無駄に広いこの学園で必ず迷子になる者が出るのだ。
 然し、日々仕事に追われる生徒会役員が一人の生徒の為に案内へ駆り出されるなど前例がなかった。
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