現代:銀桂



毎年、紫陽花が見事に咲き誇る6月半ば、かぶき町から離れた田舎町で紫陽花祭りが行われる

例年、もう少し早いのだが今年は6月26日の開催だった


神楽と新八はお妙に連れられて、その紫陽花祭りへ出かけてしまった

いや、無理やり行かせたと言った方が正しいだろうか

お妙に
「銀さんもいかがですか」
と言われたが先約がいたから断った





そんなこんな俺は小雨の降る中、万事屋で一人アイツを待った


ガラガラ


きた

二十数年前の今日生まれたアイツ


「銀時、今日は俺の頼みを聞いてくれてすまなかった。ん?リーダーはまだ寝ているのか?」


なんでも自分の誕生日ケーキをたくさん買ったのでそれを万事屋メンバーと食べたかったらしい

加えて神楽には可愛いらしい髪飾りを持ってきたという

「紫陽花祭りに行ったぜ。ていうか、なんで神楽のために髪飾り買ってんの?」
「あ、いや、昨日仲間に誕生日プレゼントでもらったんだが、こんな女々しいものを男の俺が付けるわけにもいかんだろうて」

確かに袋に入っていた髪飾りはピンクの花がついている簪

これをプレゼントするなんて、絶対ヅラ狙ってんだろ。と殺意がふつふつとわいてきたがそこは押さえた


「…で銀時、お前からプレゼントはないのか?」

忘れてた訳じゃない
寧ろ、この日のために何ヵ月まえからプレゼントに悩んだか
だが結局決められずプレゼントがなかった

「ん…うん、あー」

「まあ、ないんだろうな。大丈夫、期待はしてなかったぞ。それに昨日仲間たちからたくさんプレゼントもらったしな」

なんだそりゃ
俺にプレゼントたかりにきたのかとおもった

「夕方には神楽たち帰ってくるから、ケーキ置いて帰れや」

沈黙が続いた。桂は帰ろうとはせずただただ俺の横にいた

「俺はお前といれるだけで十分だ」

そうですか。
誕生日プレゼントは俺がいいってことか
なるほどな

「……おめでとう」