話題:トラウマ

つい最近の話。
ドラッグストアで、学生の私にはちょっと高くてずっと手がでなかったメーカーのアイライナーと同メーカーのグロスを臨時収入で買って、気分がよかった日のこと。多分月曜日で、WJかなにか読みに行ったんだと思う。その足で近くの本屋に入った途端、

ピー…

入り口にいたのは私含め4人。
大人の男性ふたりとひとりに手を引かれた女の子、それと私。もちろん、店に入ってもいない私が原因で万引き防止のブザーが鳴るはずがない。子供連れではない方の男性だろう、そう思って何事もなかったように店内へ。
一通り回って、入り口でのことなんて本の内容で埋め尽くされて忘れたころ、
ピーピー
鳴った。私が入り口を通ったすぐあと。
後ろにも前にもなにもしない。これだけは言える、バックには財布と携帯とメイク道具しか入ってない。
通り過ぎて音が鳴り止んだあと、訳も解らず振り返った私を、大勢の知らない人が見てた。馬鹿だなって思ったと思う。現に私は入店したときにすれ違ったひとのどちらかにご愁傷様、と頭の中で呟いていた。
一番びっくりしたのは店員が誰一人、声をかけて来なかったことだった。確かに2、3人はこっちを見てた。なのに、立ち止まってる私に何も言わず動こうとしない。
腹が立った。
あそこで何か言われれば反論する気はあったのだと思う。何も、してないって。
私が店から出るのに1分はかからなかったと思う。結局私は万引き犯の目で見られたまま店を出た。モヤモヤと気分を害されたイライラで悪い言い方だけど『死にたい気分』だった。
隣のスーパーに置いた自転車を取りに行くと、書店から3人若そうな店員が走って出て行くのが見えた。私を追いかけてるのか?そう考えると馬鹿馬鹿しくなった。
たかが女子高生のガキの万引きに何一つ出来ない役立たずが
こんな店、万引きで潰れてしまえ
今となっては自分勝手極まりないとも感じる。だけどそのときは本気でそう思った。戻ろうかも考えたけど信じてもらえなそうだからやめた。


馬鹿は私だったと思う。
何が悪いのかは知らない。
よくわかんない。

でも今でもあの光景が、人の目が忘れられなくてその店は疎かあの機械のあるところにひとりで近寄れないでいる。

ばかみたい