『真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ』の感想です。
作・大沼紀子
ポプラ文庫
話題:本の感想
女子高生の希実ちゃんが、あるパン屋さんの居候になるところから始まりますが、そのパン屋のお二人と希実ちゃんのバランスがたまりませんでした。可愛い(笑)
オーナーの暮林さんはおっとりしてイライラしがちな希実ちゃんの気持ちを落ち着かせたり、パン職人の弘基くんと希実ちゃんはガンガン言い争ったり、暮林さんと弘基くんはちょっと複雑な関係だけど良いコンビで(笑)
彼らが出会う人々はなかなかに変わっていて、それぞれに重いものを抱えてパン屋に訪れます。
ドタバタしながらトラブル等を解決していくのですが、これがまぁ温かい。
優しさが巡りめぐって誰かを救っているというか。
優しい世界と言うには、いじめや外国の地雷の問題だとか…意外にハードな描写や設定が多い印象でしたが、どの人も必死に生きているんだな、と思ったり。
登場人物にはどこか欠けているところが多いけど、その事で悩んだりしながらも、自分や相手の様々な部分を受け入れる姿はとても愛しく思いました。
実は、はじめの希実ちゃんがいじめられているシーンがツラくて挫折しそうでしたが、読み終えることが出来て良かったです。最終的にとてもほっこりいたしました。
あと、これ読むとパンが食べたくなりますね。いそいそとパン屋さんに通いました(笑)