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拾われました

とある山のふもと。昔からある少し古い神社から少し離れたところに、さらに古ぼけた小さな社があった。

「おばあちゃん、あれなに?」

「ああ、あそこにはね、鈴の神様がいらっしゃるんだよ」

「鈴の神様?」

少年が指す方にはその古ぼけた小さな社。一緒にいた老婆が簡単に説明するも、幼い子供は首をかしげるばかりである。

「大きくなったらわかるよ」

「うん!」

多少投げやりな気がするが、子供はとりあえず納得したようだ。


老婆と子供が去ってしばらくして、突然空から人が降ってきた。

ドシャッ
「っあのやろう…」

落ちてきたのは神獣白澤。とある人物によって掘られた穴により、天から地上に落とされたのである。

「ん?」

腹を立てつつ服についた汚れを払いながら起き上がると、ふと小さな社が目にとまった。

「へぇ、だいぶ古いな。たぶんそろそろ…」

ポンッ

「!」

まじまじと社を見ていると、目の前に突然少女
が現れた。

「ニーハオ?」

「…にぃ、はぉ?」

突然な現れ方とは裏腹に、徐々に目を開ける少女。白澤が軽く手を振りながら呼びかけると、首をかしげながらたどたどしく言葉を繰り返す。

「僕は白澤。君の名前は?」

「…珠々」

「珠々ちゃんか!いい名前だね」

ニッコリ笑って自己紹介をする白澤に対して少女、珠々の方はどこかぼんやりとしていて、まるで寝起きのようだった。

「ねぇ、珠々ちゃん。僕と一緒に桃源郷に来ない?」

「とうげんきょう?」

「とっても綺麗な場所だよ。どうかな?」

ニコニコと手を差しのべる自分よりも1回り大きな手に珠々は少し間を置いて、自らの手を重ねた。

鬼灯の冷徹夢主

白澤寄り夢主

珠々(すず)

小さなお社に祀ってある鈴の付喪神

社に古くから祀ってある鈴にやどっおり、最近実体化


容姿
黒い髪に片端だけお団子を作ってる
初登場時は巫女服に近い着物。


メモメモ…

本編6

「まさかハニーの言う迎えが警察だったなんて」

思いもしなかった、と肩をすくめるアリサ。
ハニーのことだこの駅にアリサが来ることも、マイティで予想していたのだろう。アートもハニーからの情報の少なさに苦笑しかない。

「改めて、横浜警察署のアートです。」

「アリサよ。敬語はいらないわ、あなたの方が年上でしょ?」

「それもそうだね」

ともかくそろそろ周りの視線も痛いので詳しいことは移動しながら話すということで2人はガスケの待つ車へと歩き出す。

「駿才学園、出身よね?」

「アリサもだろう?」

「ええ、まあ。てゆーか私達同期だったのよね」

「君は結構いないことが多かったみたいだけど…」

「仕方ないわ。このミニマムのお陰であちこち散々飛び回ることになったんだもの」

「すごいことじゃないか」

「…別にすごくないわ」

「おーい、アート!」

話しながらいつの間にか駅の入口まで来ていて、入口前にはガスケが車を停めて待っていた。

「ガスケさん」

「おう、そいつが助っ人ってやつか」

「助っ人?」

「詳しいことは車で話すよ」

車に乗り込み横浜警察署へと向かいながらアートは事の発端である今回の事件の詳細とハニーとのやりとりを説明した。


「なるほど、それで私が呼ばれたのね」

「ああ。協力、頼めるかな?」

「いいわ、引き受けましょう」

「ありがとう」

「別にお礼なんていいわ。わたしもニュースでこの事件のこと聞いててちょっと気になってたし」

「なにか気になることでも?」

「少し…ね。とにかく現場まで案内してくれる?」

ガガッ
《こちら通信室。○○町△通りで女性の遺体を発見。繰り返す…》

車に付属された無線機からの報告に車内の空気が変わる。
3人の考えは一致していた。


「近くだな」

「僕達も行きましょう」







現場に到着するとそこはブルシートで覆れ、既に鑑識が入っていた。
アートたちはその場に集まっている野次馬たちをかき分け、現場へと入る。

「アート警視!」

「すまない、状況を説明してくれないか」

「は、しかし…」

ブルシートの手前で待機していた警察官は、アートを見るなりサッと敬礼をする。アートの求めにはすぐに応じることはなく、その視線は後ろにいるアリサに向く

「構わない。彼女は捜査協力者だ」

「そうでしたか」

「で、どうなってんだ?」

「11時20分頃、女の人が血だらけで倒れているという通報があり、駆けつけたところ女性は既に死亡しており鑑識によると、死後数時間がたったいるとのことです」

「ありがとう、もう持ち場に戻って結構です」

「はっ失礼します」

ピシッとまた敬礼をして、警察官は持ち場に戻って行った。

「中、入らせてもらうわよ」

「構わないが、、、」

「なに?」

少しためらうような心配そうな表情で言葉を切ったアート。
その後を引き継ぐように、ガスケが少々遠まわしに問いかけてくる。

「嬢ちゃん、大丈夫か?」

「ああ、平気よ。慣れてるもの」

余計な気遣いだと言わんばかりにあっさりとは返答し、ブルーシートをくぐって中へと入るアリサに2人は目を丸くしつつ自分たちも中に入る。

「……」

「こりゃひでーな」

「おそらく連続殺人事件と同一犯でしょう」

アリサはさっと中を見回すと被害女性の遺体へと近づき、膝をつく。
アートもガスケも、アリサの一連の行動を黙ってみていた。





本編5

横浜警察の屋上、アートはとある人物に電話をかけていた。

『ハイ、アート』

電話の相手はアートと同じ駿才(ファクルタース)学園出身のハニーであった。


「すまない、ハニー」

『捜査協力の依頼ね。今度はどんな案件に関わっているのかしら』

「殺人事件だ。それも女性ばかりを狙った。すでに6人もの被害者が出ている」

『犯人はまだ特定できてないのね』

「情けないことに」

事実だが痛いところを突いてくる彼女の言葉に苦笑がこぼれる。

『よっぽどみたいね、、、でも残念なことに私たちいま長期の仕事に入っていて手が離せないのよ』

「そうか。すまない、忙しいときに電話をしてしまったようだ。じゃあ・・・」

『あ、ちょっと待って!私たちは無理だけど代わりに別の助っ人を送るわ』

「別の助っ人・・・?」

『そ、あの子ならあなたも知ってるし大いに活躍してくれるでしょ』

「ちょっと待ってくれ僕も知ってる助っ人って、一体・・・」

思わず声が大きくなってしまい、いつの間にか屋上に来ていたガスケが訝しげにアートを見やる。

『あ、もう行かなきゃ。最寄りの駅に11時に着くから、迎えに行ってね!こっちから話はしておくから、じゃ!』

「まっハニー!」

アートの呼びかけもむなしく、一方的にまくしたてられ電話は切れた。
だめもとでかけなおしてみるも、話し中になり、思わずため息がこぼれた。

「してやられたみたいだな」

「ええ、車を出しましょう。ハニーが代わりの助っ人を送ってくれるそうです。」

「わかった」

二人は助っ人を迎えるべく屋上を後にした。







わらわらと人が行きかう駅構内にアルビノにゴスロリというひときわ目を引く風貌をした少女アリサはいた。


「もしもし?」

『ハイ、アリサ。突然だけど、あなたそこで待ってなさい。』

「は?」

『あと1分後に、そっちに迎えが来るから』



「・・・どういうこと?私迎え呼んだ覚えなんてないけど」

『とにかく、そこで待ってなさい。』

「ちょっ!」

アリサの問いかけもむなしく突然かかってきた電話は一方的に切られたのであった。

「もう!なんなのよ・・・」


「あの」

「きゃっ!?」

「失礼、驚かせてしまって・・・。横浜警察のアートといいます。あなたはアリサさんですか?」

「え?」

本編4

「なあ、」

「はい?」

「それだけが理由でその男の事疑ってんの?」

「え?」

「おい、ナイス何を・・・」

突然切りだしたナイスにムラサキも顔をしかめる。

「他になんかあったんじゃないの?たとえば、犯行の現場を見たとか」

「・・・なんだって?」

「・・・」

ナイスの言葉を聞いたムラサキも、思わず彼女のほうに視線やる。
彼女はうつ向かせ何かをこらえるかのように黙ってナイスの言葉を聞いていたが、やがていくらか不安を残した顔を上げ、口を開いた。

「2年生に進級して、しばらくたったころ、私のバックにメモが入っていたんです。そのメモには彼の名前と時間と住所と話があるとかいてあったんです。」

彼女がメモの指定通り行ったその場所は、とあるマンションの一室だった。
戸惑いつつドアノブを回してみると鍵はかかっておらず、中に入ってみると沢村がいた。
何か用かと彼に近寄ると、突然床に押し倒され、襲われそうになる。
のしかかってきた彼にこれから起こることを予想し血の気が引いた彼女は無我夢中で暴れ、たまたまバックの中からこぼれ出ていたシャーペンを彼の腕に刺した。
痛みに悶えた彼の力が弱まったすきに抜け出した彼女はすぐにそのマンションでて家に帰った。

「このこと、警察には?」


黙ったまま首を横に振った彼女はそのまま言葉を続ける。

「その次の日、えりから沢村君と付き合うことになったって聞いてすぐに別れるように言ったんですけど、そしたら彼女怒って、わたしも沢村君が好きなんだと勘違いされてしまって、、、」

「ケンカ別れか・・・」

「その後も、何度かこのことを話そうとしたんですけど、えりのそばにはいつも沢村君がいて・・・」

「そりゃこわくてちかづけないよな」

「このままじゃ今度はえりが殺されちゃう!どうか、助けてくださいっ」

いよいよ瞳に涙を浮かべて頭を下げる彼女に二人は顔を見合わせうなずいた。
すっと近づいたコネコが彼女にやんわりと声をかける。

「怖かったですね、顔をあげてください。えりさんの事は、このハマトラがなんとかしますから!ね?」

「それ俺たちのセリフー」

「こういう場合は同じ女性のほうがいいんですよ」

「うんうん」

「はじめちゃんまで・・・」

一気に和やかになった空気に、彼女の顔にも笑みが戻っていく。


「さて、問題は君だよな」

「ああ、失敗したうえに顔を見られているんだ。このままほうっておくことはまずないだろう」

「となると護衛もいるか、、、」

「護衛ならおれたちが引き受けるぜ。なあ、レシオ」

「ああ、そのほうが調べるほうも問題なく進むだろう」

今まで完全に空気となっていた便利屋二人が護衛を買って出る。

「あれ?でも依頼は?」

「そんなの、こんなきれいな女の子が困ってるんだ。選ぶまでもないだろ」

「いいのか・・・」

「ま、いんじゃね?とりあえずやるか!」





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