あなたは幸せになって良い。
それが世界の幸福につながるとSigは言う。
人は一日のうち何度か幸福感を味わうという。
しかし、その中で人は「自分なんかがこの幸福を味わう
資格があるのだろうか?」と考える。
そしてせっかくの幸福を手放す。

あおやま提督「幸福の途中で何か騙されてるんじゃないか?
何か大事なことを忘れてるだけで本当は切羽詰まった状態
なんじゃないか?とひどく不安になるんだ」

Sig「そして今の幸福に疑いを持つ」

あおやま提督「そう、そして結構な確率で、
"あ、あれしておいた方が良いんじゃないか?
しまった、そうなるともう時間がないぞ!"と
慌て始めるんだ」

Sig「なにを幸福感なんて感じてたんだ?
自分はなんて馬鹿だったんだろう
自分の人生に幸せなんてあるはずないじゃないか
そんな資格があるはずないじゃないか」

あおやま提督「おっしゃるとおり、そして後悔と悲しみの中
ストレスと疲労を溜めていく、でもね、」

Sig「でも?」

あおやま提督「幸福を捨ててなかったら"しなければならないこと"を
忘れて大惨事になるところだったんだ」

Sig「"しなければならないこと"なんて何もないよ、あおやまさん、
それは幻想だよ」

あおやま提督「幻想・・・でもそれをやっておかないと現に
困る人が出てくるし、それで迷惑が掛かっちゃうと私の責任になる
そうなると・・・」

Sig「責められる?」

あおやま提督「いや、私が責められることは良いんだ
だが、結果としてほかの人に迷惑が掛かるとそれは・・・
だって、人が困ると・・・」

Sig「・・・ありのままを言ってごらん」

あおやま提督「・・・怒られるのが怖い」

Sig「怒られるのが怖いんだね?」

あおやま提督は"恥ずかしそうに"小さくうなづいた。

Sig「よく言ったくれたね、ありがとう。
ところであおやまさん、"怒られるかもしれない"と
"怒られてること"は違うね、あおやまさんは
幸福を自ら手放すとき、"怒られるかもしれない可能性"に
不安を感じるのか"怒られて"困っているのかどっち?」

あおやま提督「怒られるかもしれないという
杞憂で終わるときばかりだと良いんだけど、残念ながら
人生は厳しい、実際に幸福のさなかに突然非難されて
怒られるときもあるんだ、人によってはこんなことばかりで
"幸福イコール不幸の前触れ"と思っている人もいるよ」

Sig「宇宙は望んだ経験を創造するよ
人に非難されるところばかり思い描いたら実現するね
宇宙の法則がしっかりと働いている証拠さ」

あおやま提督「しかし、それじゃあ、幸福の中、わざわざ
私が不幸を望んだということなのか?
幸福を感じている途中、なぜ不安になるのだろうか?」

Sig「それが相対性の世界、幻想の世界の特徴さ、
あおやまさんが右に寄れば左側が同時に生まれる
そうすることによってはじめて自分が右に寄ったという認識、
経験が出来るからなんだ」

あおやま提督「ということは不幸があるから幸福が
どういうものか分かると・・・あ、Sig思い出したよ!
私は自分が不幸な時、周りが幸福に見えてたよ、
"自分だけが不幸で周りはのんきに幸福になりやがって"と
思っていたよ」

Sig「衝撃の真実を教えてあげようか、あおやまさんが不幸な時、
周りは本当に幸福だったよ」

あおやま提督「・・・やはりか」

Sig「そうすることであおやまさんは不幸の立場を取ることが
出来たってことなのさ、宇宙はあおやまさんの願ったことを叶えた」

あおやま提督「ちょっと待ってSig!じゃあこういうことかい?
右があるから左がある自分が右になれば左が生まれる・・・
私が不幸になればその反対の幸福者が周りに生まれる
じゃあ、私が幸福になればみんな不幸になるのかい?
それはひどい話じゃないか?」

Sig「あはは、あおやまさんは優しいね、でも安心して、
あおやまさんが幸福になっても周りは不幸にならないよ、
どういうことかって?あおやまさん、幸福とは何だろう?
あおやまさんはソーシャルゲームに興味があるかい?」

あおやま提督「いや、ないなぁ」

Sig「じゃあ、何者かが勝手にソーシャルゲームに
あおやまさんのIDを作って、そのIDに本来100万円くらい
つぎ込まないと出てこないような超レアカードを引き当てて
ストックしていたら、あおやまさんは幸福かな?」

あおやま提督「ぜんぜん」

Sig「でもそのゲームを真剣にやっている人からすると
天にも昇るほどの幸福で歓喜すると思うよ」

あおやま提督「だろうね、そうか、不幸か幸福かは
絶対的なものではなく主観的なものなんだ・・・


Sig「あおやまさんが"あの人不幸だろうな"と思う人も幸福な場合がある、
その逆もね、でも究極的にはあおやまさん含め世界全体が幸福なんだよ、
なぜなら不幸な人も不幸になるという願いが叶っているからさ」

あおやま提督「そんな願いは叶えたくないなぁ」

Sig「それなら別のものを願えば良いよ」

あおやま提督「そうしたいんだけど、なんか不安になっちゃうんだ、
どうすればいい?」

Sig「そこで"許す"ということさ、幸福である自分を許す
幸福になろうとする自分を許す、今の自分を許す」

あおやま提督「私は許されるのか・・・」

Sig「もちろんだよ、あおやまさんのすべてを許そう」

あおやま提督「ありがとう」