12:06 2024/1/15
話題:アニメ映画

『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』

原作・監督:モンキー・パンチ
音楽:根岸貴幸
出演:栗田貫一、小林清志、井上真樹夫 他

舞台は独裁国家と化した、ズフ王国。反乱を起こし、先代の国王と王子・パニシュを殺害した張本人である首狩り将軍が政権を握っていた。しかし、そんな将軍でも国王が『漂流島』に隠したという財宝を入手する事は長らく叶わなかった。ルパン達も同じく財宝目当てに島へ乗り込むが、謎の防衛システムに行く手を阻まれ、撤退を余儀なくされる。果たして、このシステムの正体とは。一体、誰が仕組んだ物だろうか。そして、ルパン達は島に眠る財宝の在処を探し当てられるのか?

『ルパン三世』の劇場版でもお気に入りの作品の中の一本。1996年制作なので随分前の物だけれども古さを感じさせず、長い年月を過ぎても色褪せない迫力が魅力だ。またルパン一味や銭形警部は勿論、特別出演の登場人物達も各々の個性を発揮して、作品全体を見事に彩ってくれている。特にヒロインのオーリエンダー(銭形警部がルパン逮捕の為に送り込んだ秘密工作員)とパニシュのほろ苦い恋は、その切なさに胸を締め付けられそうになる。パニシュはルパン達がズフ王国へ来る2年前、首狩り将軍によって父親諸共処刑されてしまっており、オーリエンダーも現実を受け止めていたようだった。しかし、この世にいないと思っていた恋人が昔と変わらぬ姿で現れた時。彼女の心は揺れ動き、役に立ちたいと強く思うようになった。彼がたとえ偽物であったとしても。そして最後にオーリエンダーは、パニシュと共に写った写真が納まったロケットのペンダントを海へと投げ捨てる。だけれど、彼女の表情は晴れ晴れとしていた。「有難う、良い夢だった」と。





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