ただ、ぼーっと見つめるその先に、彼とのペアリングが二つ。私の好みでプレゼントした大きめのペアリングに、彼からのプレゼントである細身のシルバーリング。
お互いの魅力を引き立てるかのように、並んでいる。
彼から度々メールがあった。約6通。私は薬を飲んでから、少しまいってしまった。だから、返信ができなかった。
「
ごめんなさい」と、今すぐに謝りたいのに、メール画面を開いては閉じてしまう。
彼は、私からの連絡を、今も尚、待つと言う。
私の心は、まるでナイフを突き立てられたかのように酷く痛み、体温を失ったかのように、冷たい。
久々に、引き出しの中にしまってあった眠剤を取り出して、アルコールと一緒に飲んだ。
薬を乱用するのはいつぶりだっただろう。
そんな風に、冷静に考える自分が居る。生憎数がなかったため、少し後悔した。
明るい記事を、今の私は書けない。目は見えているはずなのに、何一つとして明かりは見えず、ただ、生きなければいけない不安や恐怖に怯えている。どうして、私は、生きてるの。
あの頃の私が、今、確かに此処にいる。
埋まらない心の隙間。私は何とも言えない悲しみに飲み込まれ、身動きがとれない。
隙間を埋めてしまいたいから、手当たり次第に周りを見渡してみる。けど、私の心にある歪な隙間は、埋まることはない。
前に進んでいるつもりだったのに、私は知らぬ間に、逆方向にまた走り出している。
この
寂しさに、誰かが気づいてくれることなどはなくて。浮かび上がっては、ただ胸の奥に染み込んでゆく。
私は、独り。
少し強い風に向かって、自転車をこぐ。空を見上げると、広がる雲間から、所々に星が見えた。
疲れた身体に、疲れた心までもが、かっちりとはまっている。
今日は
疲れた。
まるでストーカーのようなお客さんに、1時間、つきまとわれたのだ。なのに、誰も助けてくれない。
社員さんは、ある程度庇ってくれた面もあったけれど、店長なんて、自分が接客したくないから、ただただ知らんぷりだった。
心の底から湧き出る怒りに、身体が震える。そして同時に、克服したはずの男嫌いがまた、湧き出しそうだった。
なんだか、心が、疲れてしまった。
結局、あのまま朝を迎えた。“2日休みだから会いに行く”なんて言う彼。私はバイトが入っていて、会えない。
どうして会いたいのに、
会えないんだろう。
ぎゅうぎゅう胸が締め付けられて、苦しい。私はどうしてこんなに弱いの。
◎29日:auさん
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