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よいお年を!

今年ももう終わりですねぇー。本当に早いなぁ!!
とりあえず去年のこの時期とは全然違う状況に立たされていることは確かです。笑


クリスマス小説の感想ありがとうございました!!めっちゃうれしかったです;;


ここでコメレスさせてください!
(コメレス後も続くよ)



烏兎さん→

ほろりときたとか・・・もうなんてうれしいお言葉;;ありがとうございます!
こんな小説をサイトに載せていただけるなんてほんと畏れ多いですっ!!
サイト閉鎖してもこれからもよろしくおねがいします^^


かつらさん→


クリスマスプレゼントがこんなで本当申し訳ないっす!
幸せな気持ちになってもらえたら本望です!めっちゃうれしい;;
どうしても私が書くとヘタレぎんぱち×女々しい土方になってしまいます。笑

この二人の話はもう少し書きたいことがあるので、暇ができたらまた載せます^^
ありがとうございましたっ♪


すー→

学校行けよwwwだから遅刻すんだよーwww
なにがやばいのかよくわからないwww
けどコメントありがとう^^
馴れ初めは英語表現の時間に途中まで書いてたんだけど、寝てしまった。笑
できたらのせるね♪

おそまつさまー^^

櫻嘩さん→

わぁー!お久しぶりです!!!こっちも全然連絡取らずに…すいません;
素敵な感想いただけて感動です;;ありがとうございます!
小説好きって言ってももらえると本当に励みになりますっ;;

もうすぐ受験ですね!がんばってください☆
終わったらまたイベント行きましょうー!!!!





つかコメレスとか久し振りでしたね。ほんと申し訳ない…
今年もいろいろあったね。
初めてイベント行ったり、オフ会したり、サイト作ったり、
新しい環境に戸惑うこととか多かったけど、充実した1年にはなったかなあ♪
それより大事なお友達が増えたことが何よりもうれしかった!
ずっと仲良くして行けたらいいな^^


って私のことなんかはどうでもよくって。
なんか今本誌やばいよね。銀土フラグたちすぎ!なんなのあれっ!!
つかトシなんなの?!
ヲタクのふりしてたとか、誰かの同人誌のネタじゃないか?
私もそんな小説書いたことがある気がします・・・笑
久しぶりにトッシー見ると、いいね。思い出すね。動乱編。
銀土編だよね、あれは。神だよ神。はあはあ

ぼそりという名の追記にうんこ文くっつけといたんでお正月の暇なときにでも…ww
かなりなぐり書きというか即席というか適当すぎるオチなので期待せずに読んでね。笑








さあ!!!!

12月29日に初めてコミケいきます!!!はあはあ
やばい緊張する〜うううう〜戦場怖いいいい〜
大好きな作家さんとおしゃべり&スケブ描いてもらうのが目標ですはあはあ
ルックスもかわいすぎてはあはあがおさまらない絶対ハアハアハアハア←

大手さんも再録だしまくってくれちゃうみたいで
うれしいやら悲しいやら重たいやらwww
もうすでに本棚ぱんぱんで薄い本一冊たりとも入らないんだよーどうすりゃいいのー笑
金銭的な面は惜しまないよつか惜しめないよ惜しみたくても・・・;

1月はめざせ出費ゼロでがんばるし!テストとか風のごとく過ぎ去って行け!
そんで2月は全国!!!はあはあ
あと43日だってさあ!!!
またみんなに会えるよ〜!!!うれしいよ〜;;



そんなわけであっという間だね。人生って。←
時間を大切に。計画的にを目標に頑張ろうー!!!!!!!!

来年もどうぞよろしくおねがいしますっ!!!!




続きを読む

クリスマス記念小説−Last




「恋人ってのはお互いの弱いところも醜いところもすべて見せられてこそ本当に愛し合えるもんだと思います。」

そう沖田が言っていたことを思い出した。
あの時は、好きな人の前で、守ってあげたい人の前でそんな弱みなんて絶対に見せられるわけがないと思っていた。
でも今、それが理解できた気がする。
自分の全てをさらけ出して、この人と愛し合いたいとそう思った。






「ごめん、ごめんね、土方くん」

銀八は土方に顔を埋めたままつぶやいた。

「どうしたの?」

心配そうに土方が尋ねると、銀八は起き上がり、土方の体を起して後ろから抱き抱える格好になった。

「先生…それじゃ顔が見えないよ」

銀八は、不安な声を出す土方を後ろから手を回し優しく抱き締めたまま話し始めた。

「この1か月、土方くんと全然会えない間にいろいろ考えたんだ、俺達の関係のこと。
最初は俺が望むままにセックスして、土方くんの気持ちなんか無視して、たくさん傷つけたでしょ。
だから俺の誕生日に気持ちが通じ合ったときから俺は絶対に土方くんを守って、傷つけないって決めた。
でもまたこうやって自分が我慢できなくなったら、すぐ土方くんの体を求めて、自分の性欲だけ吐き出そうとして
結局俺は最初と何も変わってない。」

銀八は土方を抱き締める手に一層力を入れた。

「ここ最近、土方くんに会えなくて、どうしようもなく寂しかった、つらかった。
浮気してるんじゃないかとか、この関係に飽きてしまったんじゃないかとか、むしろ最初から俺の事なんてすきじゃなかったんじゃないかとか。
不安で不安でたまらなくて、信じることを忘れてたんだ。。
だから今日土方くんが来てくれて本当に嬉しかった。
でももう土方くんの顔を見た途端抑えきれなくなった。

怖い。
いつか土方くんが自分の前から去っていくんだと考えるとどうしようもなく怖いんだよ。
だからセックスして、俺の性欲をぶちまけて、土方くんの中に俺を焼き付けたかった。土方くんをもう俺なしじゃイケないような身体したかった。

本当は俺、土方くんを守れるような強い人間なんかじゃない。
土方くんに少しでも会えないだけでだめになっちゃうぐらい弱くて、土方くんがいなくならないように身体を求める、醜い人間なんだよ。

ごめんね・・・ごめん、土方くん・・・
こんな恋人で、ごめん・・・」


ごめん、ごめん、と何度も何度も言う銀八の声はどんどん小さくなっていった。
すると、急に土方は銀八の腕を振りほどき立ちあがって、部屋を出て行ってしまった。

「(やっぱりこんな弱い俺じゃ土方くんにはふさわしくないんだな・・・)」

銀八は土方の行動をそう察し、その場を動くことなく座っていた。


ふわっ、と風が銀八の髪を揺らす。
首元の温かい感触に驚き、後ろを振り返ると、土方がにこりと微笑んでいた。









「土方くん、これ・・・?」

銀八が後ろから首に巻かれたスカイブルーのマフラーを掴み、土方を見た。

「Merry Xmas!せんせっ!大好きっ!」

驚いている銀八をよそに土方は無邪気に笑ってこう言った。

自分でもびっくりするほどこんな言葉が素直に言えたのは、他でもない銀八のおかげだ。
自分が弱くて醜い人間だと包み隠さず正直な気持ちを伝えてくれた銀八になら、今はどんな事でも言えてしまうと、土方はそう思った。

「よかった。やっぱりよく似合ってる。絶対先生に似合うと思っ・・・んっ」

土方が最後まで言い終わらないうちに土方の唇に温かい感触があった。
柔らかいキス。息苦しさは一切ない。
お互いの口が離れると、今度は正面から2人は抱き合った。

「ありがとう、っありが、と・・・」

「先生、なんかすっごい今日涙もろいなっ。」

ふっと笑って土方が言う。その言い方には少しも棘がなかった。

「うるせぇーチクショー、俺カッコ悪すぎ」

土方からは銀時の顔の様子は見えないが、おそらく涙を流しながら赤面しているのだろう。
そう考えると、初めて銀八がかわいいと思えた。

チクショー、ずびっ、ぐずっとそんな音を立て続けている銀八に自分も素直な気持ちを伝えようと、土方は口を開く。

「先生?俺もさ、不安だったんだ。不安になって、1ヶ月の自分の行動をすごく後悔した。
先生にどうにか喜んでほしくて、喜ばせたくて必死にアルバイトしてたんだ。
ごめんね、黙ってこんなことして。」

「土方くん…俺のためなんかにバイトなんて…」

「先生のためならバイトなんて苦でもなんでもなかった。
だけど気がついたら自分のことで精一杯になってて、どんどん先生は離れていった。
信じてなきゃいけないのに、先生が総悟と二人でいるの見たりして、疑ったりもしたし。
むしろ自分が先生にふさわしくないんじゃないかってそう思ってた。
でもさっき、先生の弱いところも全部知れて、うれしかった。
自惚れかもしれないけど、こんなにも自分は愛されてるんだってわかって、ほんとに、うれし・・・っ
ああーもう俺もだめだ今日ーぅうーっ」

土方の目から一度止まったはずの涙がまた溢れてくる。
いい男が2人抱き合って泣いている様子は軽く滑稽にも思える。
すると少し涙の乾いた銀八が顔を上げ、土方を見つめた。

「自惚れなんかじゃないよ、先生は土方くんが・・・十四郎が大好きだよ、愛してる。」

「っ!」

声にならない嬉しさと喜びが込み上げる。
銀八は土方に巻いてもらったマフラーを半分自分の首から外し、土方の首へと巻きつけた。

「えへへー。こういう事してみたかったんだよねー!」

鼻を伸ばしただらしない顔でそう言った。
そんな銀八を恥ずかしそうに見て土方は言う。

「んなっ!バカップル見たいなことしてんじゃねぇよっ。うわっ」

照れ隠しからか、やたらと声を張り上げる土方を銀八は再度抱き締めてベッドに倒れこんだ。

「あーマフラー暖けぇー。学校の行き帰りまじ寒かったんだわ。さすが、土方くん。俺がほしいものわかったんだね!」

「ち、ちげーよ!偶然、いいのがあっただけ・・・、偶然だ!」

「照れんなってー!かわいいな本当に」

「て、照れてねぇっ!」

「ごめんね、先生なんも用意してないわ。その代わり、明日はとびっきり幸せな1日にしてやるから。」

「いいよ、俺は・・・その、先生が・・・だけで。」

「え?何?よく聞き取れなかったんだけど?んー??」

「うるせー!なんでもねぇよ馬鹿!」

「先生も土方くんがいるだけで幸せだよ。Merry Xmas・・・愛してるよ、十四郎・・・」

「俺も・・・だいすき、せんせい・・・」

聖夜に改めて愛を確かめ合った二人には幸せが満ち溢れていた。

そして二つの唇が自然と重なる。


優しい優しいキスだった。












Merry Xmas...


聖なる夜に真実の愛を














最後まで読んでいただき、ありがとうございましたっ!

2008/12/17 りえ









クリスマス記念小説−4






どれくらいの時間が過ぎただろうか。
子供のように泣きじゃくっていた土方が大分落ち着いてきたにも拘らず、銀八が腕の力を緩めることはなかった。

「…せ、せんせ?」

さっきから一言も発さない銀八に疑問を持った土方は様子を窺おうと、彼から離れようとする。
しかし上げた顔は再度銀八の手のひらによって伏せられてしまった。その時、微かに鼻を啜る音が聞こえた。

「先生まさか…泣いてるの?」

めったに感情を露わにしない銀八が泣いていることに土方は驚いたが、それくらい自分のことを待っていてくれたのかと思うと、それが自惚れでもうれしかった。

「なっ、泣いてなんかねーよコノヤロー!ぐすっ」

まるで子供みたいに意地を張る銀八がなんだか貴重で、土方にはとても愛おしく感じられた。
そして何より決して人前では見せないような彼の姿を目撃できたことで、自分は彼の恋人でいられているのだと思えた。







とりあえず場所を変えようという土方の提案で二人は部屋の中に足を踏み入れた。
靴を脱ぎ、リビングへ向かおうと廊下を歩きだした。
と、その時、土方はものすごい力で右腕を掴まれ、思わず手に持っていた袋をその場に落としてしまった。

「あっ、ちょっと!先生っ!」

土方はあまりの勢いに何事かと銀八の顔を見ようとしたが、そんな隙はないまま手を引っ張られ、あっという間に寝室にあるベッドの上に押し倒された。
そして何の声も発せないまま、彼の唇で自らの口は塞がれた。
抵抗という文字は頭になかった。
むしろ頭の中で、こんな優しいキスは初めてだなと考えていた。
自分をとても大切に扱ってくれる銀八の心遣いが窺えた。

そして、やっと銀八の唇が離れたかと思うと、今度は自分の顔を土方の左の首筋に埋めながら土方が着ていた上着を器用に脱がせ、チェックのシャツのボタンを上から丁寧に外していった。もちろんその間も首筋への愛撫は止まらない。

「んっ、うぁあっ…」

自然と土方の口から色っぽい声が漏れる。
このままいつもの行為に縺れ込むのだろうなと思ったときだった。
シャツのボタンを開けるのをあと二つほど残したところで、銀八の手と口の動きが急に止まった。

「先生…?」

すると、土方は自分の首筋に水滴が伝うのを感じた。











→続きます

クリスマス記念小説−3



12月24日。やはりこんな日に通りで買い物をするのは失敗だっただろうか。
土方はまたあのショーウインドウの前に立っていた。
でも今日はいつもとは違う。手には初めてもらった給料を握りしめている。
目の前に飾られているスカイブルーのマフラーを見つめながら、この一カ月のことを思い出した。
切ない気持ちを胸に、店の中へと足を踏み入れた。












12月24日。世間はお祭り騒ぎ、とでもいうのだろうか。
しかしそういう日に限って銀八は家で珍しく仕事に取り組んでいた。
自分から土方に連絡を取ることはしなかった。
それはただの子供の意地の張り合いとは違う。最後まで恋人を信じようと決めた銀八の決意だった。
「(土方くん…待ってるから…)」


ピンポーンと来客を知らせる音が鳴っている。
ふせていた顔をあげ、最初はぼーっとその音を聞いていたが、突然思いついたようにハッと立ち上がり、急いで玄関へと向かう。
その向こうに立っている人物など、確かめることもなく、勢いよくドアを開いた。
銀八はそこに立っていた待ち望んでいた人を見つめると、何も言わずに強く抱き締めた。








右手に『Merry Xmas!』と大きく書かれた袋を持ち、土方は銀八の家へと向かっていた。
時刻は午後6時。みんな明るく賑わう町の中心へ行っているのだろうか、銀八の家の周りは閑散としている。
土方は時折イルミネーションがきれいな住宅街を歩きながら、不安な気持ちに襲われていた。
先生は本当に待っていてくれるだろうか。愛想を尽かして他の人と出掛けてしまったりしていないだろうか。何よりまだ自分を好きでいてくれているのだろうか。
こんなにも不安な気持ちになるのはおそらく2,3日前に見た光景が原因だろう。
土方だって恋人や後輩を信じていたい。
けれど、自分の後輩である沖田に、自分以外にはめったに見せることのない笑顔を向けていた銀八を見ると、不安にならずにはいられなかった。

そうこう考えているうちに、銀八の住むアパートに到着した。
ここまで来たらもう何を考えても仕方がない。
土方は意を決して坂田と書かれたプレートのかかる部屋のインターホンを押した。

ボタンを押してからとても長い時間が過ぎたような気がする。
しかし中から人の出てくる気配はなかった。
土方はその場に立ち尽くしたまま動けなかった。

「(やっぱいねぇ・・・よな。)」

不安が現実となったことで悲しみがあふれ出し、彼の眼が潤んだ。

「(ばっかみてぇ俺...)」

彼がここ一カ月の自分の行動をひどく後悔し、その手に持っていた袋を投げつけようとした時だった。
中でドタドタと物音がしたかと思うと、目の前の扉が勢いよく開いた。
あいたドアの向こうにいた愛しい人は、しばらく土方をみつめると、黙って抱き締めてくれた。

「せんせっ、ううー…せんせいぃー!っっ」

驚きとそれに勝るうれしさで、潤んだ瞳にはみるみるうちに涙が溜まり、流れ落ちていった。






クリスマス記念小説−2




「さっみぃなあチクショー。やっぱ原チャにマフラーなしはきついよなー」

上着が手放せず、寒さがそろそろ本格化するだろうという時期。

坂田銀八は落ち込んでいた。

寒さの原因は季節のせいだけではないんだろうなとぼんやり考える。
学校帰り、町を通れば光り輝くイルミネーションが嫌でも目に入ってきた。
それは彼を一層寂しくさせるのだ。

「ああー。クリスマスなんてくそくらえだコノヤロー」

そうぼやきながら今日の出来事を振り返る。
学校のお昼休み。銀八はいつものように立ち入り禁止の屋上で愛する人と過ごしていた。

「そういえばさあ、土方。お前、クリスマスどうしたい?」

世間では恋人との一大イベントであるクリスマス。
愛する土方と初めてむかえる行事に銀八は浮かれていた。
しかし土方から返ってきた言葉はあまりに冷たかった。

「クリスマス?俺、行事とかそういうの興味ないんだわ。」

「そ、そうなんだ、へえー。
でもまあせっかくだしさ!今日夜先生んち来ない?計画立てようよー。」

「無理。今日もちょっと用事がある。」

「えー?また?土方最近そればっかじゃん。先生さびしいんだけど。」

「こうやって毎日屋上で会ってんだから、いいだろ。」


そんなやりとりを思い出し、また盛大な溜息をついた。
口から出た白い息とともに幸せが逃げていくのかな、などとくだらないことを考えながら、赤信号で停車する。
人々が目の前を横断していく様子を眺めていると、見覚えのある制服を見つけた。
プップッと二度クラクションを鳴らすと沖田総悟はこちらを向いた。


「総一郎くん、聞いてる??先生はさ、嫌われてんのかねー。」

「先生俺は総悟でさぁ。いい加減生徒の名前くらい覚えてくだせェ。」

二人は通りにあるファミリーレストランで向かい合って座っていた。どうしようもなく寂しいこの気持ちを誰かに聞いてほしくて、銀八は教え子である沖田に相談を持ちかけたのだ。

「ねえねえー、恋人とクリスマス一緒に過ごさないってどうなのよ?
絶対他に相手いるんだよ。浮気してんだよ。俺のことなんか、遊びなんだよー!」

プライドなどという言葉はとうに消え失せていた。
パフェを貪りながら相手が生徒であることも忘れ、銀八は弱音を吐きだしていた。

「先生が弱気だなんて、珍しいですねぇ。
やっぱり恋人に関することとなると男はこんなになってしまうんですかねぇー。あー嫌だ嫌だ。」

沖田は恋の悩みによってヘタれてしまった銀八を馬鹿にしたように言った。

「夜神くんも大人になればわかるよきっと」

「沖田です。もはや原形とどめてやせんぜ。ふぅ、まあいいか・・・」

もはや酔っぱらいのようにブツブツと愚痴をこぼす銀八に沖田の言葉は聞こえてないだろう。

「ねえー沖田君。どうすればいいかねぇ?どうすればアイツの気を引けるのかねえ―」

「(あの人はもう十分すぎるくらい先生のことが好きですぜ)」

すべての事情がわかっている沖田にもまさかそんなことが言えるはずもなく、とりあえず言葉を掛けることにした。

「目には目を歯には歯を。ツンツンにはツンツンを。
こちらからも会うのを控えればいいじゃないですかぃ?そうすれば絶対向こうは気になって仕方なくなる。
寂しくてすぐに先生のところにやってきますぜきっと。
先生、恋は『押してダメなら引いてみろ』って言うじゃないですかぃ。」

沖田の的確なアドバイスに銀八はきょとんとした顔をして耳を傾けていた。

「沖田君てさ、本当に高校生?なんかいつもすっごく大人じみてて先生びっくりするよ。」

「それは褒め言葉ですかぃ?まあいいや俺はこれで帰ります。せいぜい頑張ってくだせェ。
あっ、コーヒーごちそうさまでした。お幸せにー」

沖田はそう言いながら席を立ち、店を出ていった。
店を出ていく沖田を目でたどりながら銀八はタバコに火を付けた。

「押してダメなら・・・引いてみろ、か。」

白い煙を吐き出し、そうつぶやいた。













2時間目終了のチャイムがなると土方は急いで教室を飛び出した。
階段を上り、上がる息を抑えながら立ち入り禁止と書かれた扉をの前に立つ。

この扉を開ければ教室の中とは違う、自分だけの先生が自分だけに笑顔を向けてくれる。
そんな幸せを前に胸を高鳴らせ、土方は古びた扉を開いた。

「せんせっ!」

子供のような無邪気な声を上げ、一歩屋上に足を踏み入れた。
しかしそこに大好きな人の姿はなく、冷たい風が土方の髪を揺らした。

「(また校長の呼び出しか?)」

連絡もなしに遅れるなんて珍しいなと思いながらも期待を胸に銀八が来るのを待っていた。

お昼休み終了のチャイムが鳴った。
土方は静かに立ち上がり、冷えた手を擦り合わせながら一人で教室へと向かった。









「ねぇねぇ、沖田くん?おかしくね?」

時は12月の後半。放課後の静まり返った教室には2つの影があった。

「何がですかィ?」

銀八が沖田に相談を持ちかけたあの時からもう1週間以上の時間が過ぎていた。

「何がって!あの子、ちっとも俺に会いに来ないよ?
俺もう一週間以上もあの子に触れてないどころか、声すら聞いてない!
寂しくなってすぐ会いに来るって、沖田君言ってたじゃん!」

子供みたいに文句を言う自分の教師を見て、沖田は呆れたと言うようにふぅーと大きく息を吐きだした。

「テストが終わって、しかも明日から冬休み。そんな学生の至福の時に呼び出して、どんな大事な用かと思えば…」

そう言って沖田はまた大きくため息をついた。

「何言ってんの!一大事じゃん!先生の危機じゃん!いいの?先生悲しみのあまり自殺してしまうかもよ?みんなの銀八先生がいなくなっちゃいますよー!」

ああ、本当に子供っぽい。普段は冷めきっていて人生なんてつまらないからなんとなく生きていますみたいな顔をしてるくせに...
恋人の・・・土方のためならこんなにまでなってしまうのだ。
沖田は呆れるというより、もはや感心さえ覚えた。これ以上どんな言葉をかければいいのだろうか。
しばらく考えた挙句、思い切ったように口を開いた。

「先生。なんで土方さんと付き合ってるんですかぃ?」

どんなことを言うかと思えば、あまりに当たり前なことを聞いてきた沖田に銀八は少し落胆しつつも答えた。

「そんなの、土方が好きだからに決まってるでしょ!愛してるしまじで!
あれ・・・っていうか何で土方だって知ってんの?あれ?」

「好きなんでしょう?愛してるんでしょう?だったら何で信じてやらないんですかぃ?
土方さんはイブの日に必ず先生に会いにきやす。信じて待ちなせぇ。」

沖田のこの自信はどこからくるのかわからなかった。しかしなんとなくこのとき、自分も土方を信じたいという気持ちになったのだ。
銀八は珍しく声を張った目の前の生徒に少々驚きながらも、その説得力を有す言葉に心を打たれたようだ。

「ありがとね、沖田君。先生いい生徒持ったよ、はは!」

銀八はそう言って軽く微笑んだ。

「それは土方さんに言ってください。
ああー珍しく大きい声出したらお腹すいちゃったなー僕ー」

「はいはい、好きなものおごってあげますよ、おぼっちゃま。ファミレス限定だけどな。」

そう話しながら二人は立ち上がり、教室の出口へと向かう。
窓から見えるグラウンドの隅には少数の野球部員と切ない目で教室をみつめる、土方の姿があった。





→続きます




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