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カーディガン

恋は痛いの。彼の幸せのことを一番に考えていたくても、私を寂しくしないで、と心の片隅で訴えているのだから矛盾している。

丸一日連絡が途絶えたのは初めてのことで、彼を失うのじゃないかと恐怖にかられて昨晩はほとんど眠れなかった。心配症なの。
こんな時、今の私はひとりぼっち。 本を読みながら、編み物をしながら、紛れもしない気をどうにか誤魔化した。

うとうとすると、短く夢を見た。彼から連絡が来る夢を何度も何度も。

苦しくて、もう眠りたくなくて、重たい身体を起こしてお気に入りのカップにあたたかい珈琲を淹れた。寒いと余計に哀しくなるからね。
身体をあたためてあとはもう眠らずに、朝の6時前から家事やら身仕度をせっせと。

一日が長くて仕方なかった。自分がどれだけ寂しい人間なのかを実感したよ。


昨日は新しい仕事の初日で、彼に頑張れって言ってほしかったから余計に哀しくて。
砕けそうだったなー。
私は彼をあたためてあげたいの。でも、じゃあ、私がひんやりと寂しい時、誰が私をあたためてくれる?
私は本とお洋服が大好き。だから好きなものに慰めてもらおうと、午後は本を持って下北沢にお買い物。今は、小川洋子に夢中で端から読んでる。
ゆっくり古着屋さんを回って、欲しかった赤いカーディガンを買ったの。ちっとも楽しくなかった。彼がいなきゃ、私に幸せを与えるものがない。

結局ふと彼から連絡がきたけど、嬉しかったし安心したけど、心がどうにも元に戻らない。今日も眠れそうにないから夜カフェしてる。

明日は私、お休みだから彼に会うの。会えるかな?あたためてあげなきゃ。涙は禁止だよ。
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