正直なところ残念だった。
原作のコミックは未読なのでキック・アスそのものがどういったジャンルかはわからないが、映画では現実離れしないヒーロー物というのがひとつの魅力としてあるだろう。
一作目は、強烈なキャラクター設定(メインのキックアスはオタクでひょろひょろ、ヒットガールは童顔で華奢なのに何でも使いこなす最強女の子)が、現実性とファンタジーとの良い架け橋となっており超展開でも笑いで済ませれた。

しかし、今作では設定と王道とを縦横無尽に駆け巡れず、スクリーンのこっち側を気にしている。
というより、そうならざるを得なかったようにも思える。

王道でよくあるスーパーパワーのラスボスは登場させれないので、代わりに多くのヒーロー・悪役を登場させる。
しかし、どうしても各キャラクターにインパクトが欠け、多すぎるが故に存在も薄い。(スターズ・アンド・ストライプス大佐がジム・キャリーでなくてはいけなかった理由もよくわからない
さらに、現実離れしてはいけないのでアクションシーンは殴りあいで解決させる。それぞれの活躍が背景で終わってしまい、メインには結局いつもの二人・・・
しかし、あくまでヒーロー物なのでストーリーはヒーロー的解決をみせる。

一作目ではクールに映った暴力的なセリフも鮮血が飛散するシーンも今作では、アイアンマンがウェポンをぶっ放すような、スパイダーマンが糸でビル群移動するようなものでしかなくなっている。
展開にイライラした観客を宥めるものでしかない。
中途半端に設定を守り、中途半端に王道になっているように感じた。

話題:アクション映画