好きなんて気づかんかったら良かった
そう思うのも好きな証だからかな








橋本くんを好きだと気づいてから
今まで気にしてなかったことまで
一つ一つ気になってきて

今日だって普通にしてるつもりでも
毎朝白石さんと登校してるの今更知って
朝から上手く笑えてないのがわかる








前に橋本くんは白石さんのこと
ただの幼馴染みって言ってたけど
"ただの幼馴染み"には見えなくて







やっぱ白石さんには敵わないなぁ〜








「なぁちゃん、今日ずっと険しい顔してる」



「え?あ、うん、ごめん」




「私に謝らなくていいよ〜」






かずみんはいつも私を笑顔にしてくれるけど
今日ばかりはちょっと笑えなくて
自信も余裕もない自分には笑えてくるのに。






「なぁちゃんはわかってないな〜」




「え?なにが?」





「いや、いつかわかるよ」






いつもかずみんはななより先を見てて
答えを知ってるかのように、
でも自分で見つけるまで教えてくれなくて
かずみんみたいな先生が増えたら
子供たちの夢も広がるだろうな






「西野〜」




今日初めてその人に呼ばれた名前に
いつもより過剰に反応しちゃったけど



「どうしたん?」




「昼飯食うから机貸して」



「あ、うん」





そう言いながら友達と机を合わせて
ご飯を食べてる姿に笑っちゃったんだ。
でもそれだけじゃなくて、
自分の席じゃなくてわざわざ
ななの席に座って食べてる橋本くんに
後から理由を聞いたら

知らない男子に使われるの嫌かな?ってって



きっとこういうとこも好きな理由なんだなって思って、ニヤニヤしてる自分がわかる。





知らなくていいこともたくさん見えるけど
知りたいことの方が多いから