「名前は…?」
「…ございません。どうか貴方様のお好みの名でお呼び下さい」
発せられた声音は
その少女のような衣装と
異なり、そこでようやく
我にかえり、此処へ来た
目的を思い出すのだ。
幾度訪れただろう、洋館。
中は薄暗い赤を基調とした
…洋風でもあり、
女郎屋のような
和室の間仕切りもある
色調の赤だけがバランスを
保つ、退廃的な妙な造りだった。
そのなかに、客は自分一人。
そして、辺りを見渡すと
まるで値踏みをするかの如く
着乱れた着物も気にせず
視線をよこす少年。
真っ黒なスーツを着た
少年は読んでいた本を閉じ
横にいた白い髪の子と同じに
緩やかな視線でソファに
身を沈めた。
媚びた声など聞こえない
誰もが選び選ばれることを待っていた。
それが彼等の仕事…いや
生きていく手段なのだ。
少年達と自分。
自分から手を差し延べ、
拒まなければ朝まで
背徳で生産性の無い時間を
楽しめる。
ショーウインドーのような
硝子越しの奥に眠っている
ブルネットの長い髪が印象的な彼は来年までもたないのだそうだ
もたない…
彼等は大人になる前に
死を受け入れる。
だが、誰かがその少年を
身受けすると
死なずに、そのままの姿で
生き続けるのだそうだ。
そうして、館にはまた
新しい少年が造られる
罪には問われない
色恋沙汰
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不幸そう×男の子=男娼
…我ながら単純(笑)
どっか怪我しててもいい
育てる際に 依頼されれば
閨房術は もちろん
踊れたり 歌えたり
殺しを覚えさせられると
いい(強くプッシュ)
あ、でも「生き人形」なので
問題なし、と(ホントか?)
…いやしかし、
これ以上書くと 人間性が
疑わしくなるのでやめとこ(笑)