スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

SS

狭いワンルームのドア。君の笑顔が早く見たくて、いつもドキドキして、早く開いてと思った、少し古ぼけたドア。…なのに、何でだろう。今はずっと開かなければいいのにとさえ願ってしまう。


泣きながら、俺の服の裾を掴む君。こんな事はしたくないんだ。けど、君を巻き込みたくないんだ。これは俺のエゴ。だから、許してくれ。


「…、さようなら」


振り払った君の白くて細い手。


―涙が零れそうだ。


『…なんでぇ…っ!…』


嗚咽混じりの泣き声。そんなもので貴方を引き止められるなんて思ってやしないけど、それでも泣かずにいられる程強くもなくて、振り払われてしまった右手が、悲しくて哀しくてたまらなくて、


いつの間にか広くなった背中。ぐんぐんと身長も伸びて、あっという間に追い抜かれて、友達も沢山沢山増えて。そんな貴方の変化をずっと隣で見てきた。


―そしてこれからもそれは変わらないんだろうと思ってた。


なのに、なのに…!


『一緒にいてよ…!』


『嘘だよ、って抱き締めてよ…!』


バタンと音をたてて閉じられたドア。


『…お願いだからぁ…っ!』



部屋を離れても、君から離れても、君の泣き声が耳について離れない。耐える様に、唇を強く噛んだ。俺だって一緒にいたいよ。けど、今から俺が生きようとする世界は、君にはあまりにも残酷で。


君と共にある世界を何よりも望んだのに。


貴方の為にと買った、橙色のマグカップ。このカップでよく甘いココアを飲んだよね。2人で話し合って買った白とクリーム色のクッション。貴方はこのクッションがとても気に入って、私が何て言っても変えなくて、ここに来るたび使ってた。気付けば、貴方にこの狭いワンルームは満たされていた。けど、今はそんな部屋は苦痛でしかなくて、でも“貴方”を捨てる事も、忘れる事もできない。何て弱虫なの。



そこに居座っただけの俺の存在など
君の記憶から消えるだろう
(君が俺を忘れても俺は)


そこに居座っただけの私の存在だけど
貴方の記憶から消さないで
(貴方が私を忘れても私は)


また会えたなら、






――――――――――――

『from YtoY』という曲と“手を振り払う”を元として作ってみました。…友人と言っていいのだろうか。ネタ提供ありがとう!

ss×1

昼の刺す様な日差しが幾分か和らいだ夕方。いつもなら真っ暗なこの時間も、遠くで橙色に染まった空と夕日が明るく照らしている。昼に熱を吸収したアスファルトで、空気は蒸す様に暑い。


近くの自販機で炭酸飲料を買って、水分補給と爽やかな刺激を味わう。待ち人は未だ姿を見せず、まだかかるのか、と心ばかり涼しくなる様に、手で仰いでみる。それでもあまり変わりはなく、すぐ見つけられる様にと立っていた日中から日陰へと移動する。


そこで鞄の中にしまってあった携帯を取り出し、友達にメールを返信する。側にある自販機が低く唸っていて、空ではカラスがカァカァと鳴いている。


しばらくして、携帯に集中していたのか、自販機のガコンッという音にハッとする。自販機の方へ向くと、ニカッと笑って今し方買ったジュースの缶を掲げる待ち人の姿があった。


「わりぃな!お待たせ。」


山本 武。幼い頃からの友人、所謂幼馴染みというやつなのだが、あの笑顔にはいつも負けてばかりだ。


『お疲れ。今日はもう終わったの?部活』


携帯を閉じて、鞄の中へ再びしまい込む。その間武は缶のプルトップを上げて、缶の中身を飲み干さんばかりに勢いよく飲んでいく。


「ぷはっ!…はー、今日はもう終わったぜ!」


『そっか。じゃあぼちぼち帰ろっか』


「おう!」


自宅の方へ歩みを進めた2人。今日あった何気ない事や、笑い話、最近特に仲のいい沢田綱吉君や獄寺隼人君の事、話はどこまでいっても尽きる事がなくて楽しい。


『―…でね、その友達が「お姉ちゃんが結婚する事になったんだ!けど、今まで姉妹仲良くやってきたのに、その相手の人にお姉ちゃんをとられたみたいで寂しい」って言うの』


「ははっ!随分仲の良い姉妹だったんだな。」


『うん。本当に仲が良かったの。だから寂しいんだろうね』


そんな話をしていると、竹寿司の看板が見えてきた。私の家はその2件先だ。


『…じゃあ、武。また、「姉妹でさ、」    何?』


「そんなに寂しい思いすんならさ、俺達もどっちかが誰かと結婚したりしたらさ、寂しい思いするんじゃね?」


確かに幼い頃からずっと一緒だったから、寂しい思いをしないとは言い切れない。けど、本当に幸せになって欲しいから、私は心から祝福すると思う。


「俺は嫌だな。そんな思いするのも、誰かにお前とられんのも」

『え、』


「だから、お前のその左の薬指、予約しとくのな!」


『ちょ、た、武?意味分かって言ってるの?』


ニカッと笑って何でもない様に宣言するものだから、驚いて何と言っていいのかわからなくなる。


「勿論分かってるぜ!じゃ、また明日な!」


『え、ちょっ!』


引き止める言葉もむなしく、暖簾をくぐり、カラカラと音を立てて中に入っていった。中からは、親父ただいまー!と大きな声が聞こえてきた。


後に残ったのは、戸を閉めるピシャンという音と、夕暮れの中立ち尽くす彼女の姿があった。


『―…どうしろっていうのよ…』










――――――――――――
3日連続は流石にきつかった。けど、やり切れて若干達成感。追記あります。
continue...

ss×2

この物語は、可愛い彼女にめろめろな骸さんと、骸さんの部下な彼女さんとの物語です。



―夏


赤い絨毯の敷かれたアジトの廊下を歩くは六道 骸一人。
外はジリジリと太陽の光があたってとても暑いが、中は程良く空調が聞いていて、心地よい。


ここのイタリア本部では、あれだけ嫌だ嫌だと言って逃げていた沢田綱吉が、今やボンゴレというマフィアを背負うボス。その沢田綱吉からの任務で、ロシアへ長期任務へ出ていた骸は任務を滞りなく済ませ、報告書を手に、沢田綱吉の執務室へ向かっていた。


窓から見える景色は雲ひとつなく、快晴だ。こんな時、考えるのはやはり彼女の事。お互いの仕事柄、どうしても会う回数というのは少なくなる。しかし、そうであっても、己の過去を知っていても尚、ただひたすら純粋な笑顔と気持ちを向けてくれる愛しい人。


この報告書を出し、自分と彼女の休みをもぎ取ろう。そしてどこか、…この季節だから海へでも一緒に行こうか。きっと喜んでくれる筈。


そう思案していると、後方からパタパタと走ってくる足音がする。


『…―骸さーん!』

驚いた。彼女が手を振りながらこちらへ走ってくるではないか。以心伝心とでも言うのか。会いたいと思っている時に会えるとは。
勿論、驚きは表に出さず、問いかける。どうしました?、と。


『今日、骸さんが帰ってくるってボスに聞いてたんです!』


『で、窓から骸さんが見えたので、走ってお迎えに来ちゃいました!』


ニコニコ笑って、可愛らしい。きっとつられて自分も笑顔なのだろう。


『ただいま戻りました』


『お帰りなさい。お疲れ様でした!』


思いもよらなかった出迎えに、頬が緩んだままでいると、彼女が手に持った、小さな箱を手渡してきた。


「この箱は?」


淡い藍色の手のひらサイズの小さな箱。ボックス兵器と同じ位だろうか。


『かなり遅くなっちゃいましたけど、プレゼントです!開けてみて下さい。』


言われて箱を開けてみると、中にはシルバーで筒状の髪留めが入っていた。


『骸さん、後ろの髪長いから、いつも髪留め使ってるでしょう?』


『プレゼントにするなら、使って貰える物がいいだろうと思って、作ってみたの!』


―…作って、みた?


「…貴女の手作りなんですか?」


『はい!初めて作ったので、ちょっと不格好ですけど、骸さんをイメージして蓮の花も描いてみました!』


『気に入って、貰えましたか?』


不安気に見つめてくる瞳。あぁ、どこまで可愛らしいんでしょう。貴女から貰った物が気に入らない訳がないというのに。


『ありがとうございます。大切に使わせて貰いますね。』


礼を言うと、自然と笑みがこぼれてしまうのは致し方ない。


『気に入って貰えて良かったです!』


喜ぶ彼女の手を見ると、所々に絆創膏が貼ってある。怪我をしながら、失敗しながら、一生懸命作ってくれたのであろう証。


―…これを愛しいと言わず、何というのか―


「お願いがあります」


『はい、何ですか?』


小首を傾げる様まで可愛らしい。


「これを、貴女の手で付けて下さい」


箱から取り出した髪留めを彼女に手渡し、彼女に背を向け、少し屈む。


『了解です!じっとしてて下さいね!』


その声に微笑ましく思っていると、そういえば来月は彼女の誕生日ではなかったか、と思い出した。


彼女の手が自分の髪に触れる。ゆっくりとすくう様に持ち上げ、パチリと留める音。


『…はい、できましたよ!』


その声で彼女の方へと振り向く。ニコと微笑んで、いたずらを仕掛ける子供の様な心を隠す。


不思議そうな顔をした彼女の顎をすくい、耳元に顔を寄せてこう言った。


「来月の貴女の誕生日、楽しみにしてて下さいね?」





―あぁ、何が起きる事やら…






―――――――――――――
思いの外、長くなってしまった…f^_^;

SS×3



―イタリア、ボンゴレ本部



「…これ、判押しといて」


『分かりました。』


そう言って書類を受け取ろうとする君の手を引き、唇を寄せる。



―ちゅ



『…な、な…っ何をっ!』


真っ赤になって、口元を押さえる君


君の唇に付いたグロスが俺の唇に移って。可愛い君の姿に思わず、もう一度君の唇をペロリと舐めた。


(あ、…甘い)


これはグロスが甘いのか、君が甘いのか分からないけれど、ひとまず君を、溺れさせようか。




――――――――――――
秘書ネタ。強引で油断できないツナ。

うわぁああぁあ

こんばんはー

突然なんですけれど、知り合いに/デ/ュ/ラ/ラ/ラ!!の本を貸そうとしたら、第1巻だけ見当たらない!部屋中を探すけれど、漫画が山積みで雪崩はおきるわ…探せない!

あーイライラしてきた!何で見当たらないのぉぉおお!!

<<prev next>>