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カカオ98%




金色の瞳の少年は、屋上から想い人を見つめていた。


「なぁシルバー」

「…何だ」

「レッド先輩、イエロー先輩が好きなんだよ」

「………」

「で、俺がレッド先輩を好きなワケ」


だからどうした

と、いつもならシルバーはそう言っていただろう。

だが今日は流石に言えない。


今日は2月14日。

世の中はバレンタインデー。
女子から何個チョコをもらえるかとゴールドは毎年わくわくしていたが、今年はそうではなく逆にこの日が来ないで欲しいと何度も漏らしていた。

それはゴールドの先輩であるレッド先輩がイエロー先輩のことが好き、だと聞いてから。


「はっ…これが失恋ってやつか」


数日前、珍しくバレンタインの話題をふってきた先輩をまさかと思い問いただしてみたら案の定。

更に、オレはイエロー先輩がレッド先輩を好きだということを人づてに聞いていた。


そして今日。
うまくいったらしい2人は初々しく一緒に下校している。


「ほんと…良かったッスね、先輩」


遠くに見えるレッドは本当に嬉しそうに笑っている。
隣にいる黄色のポニーテールの人と一緒に。
屋上から見ていても分かる。
あんなに先輩のことが好きだったのだから。


「………」

「おい、黙ってねぇで何とか言いやがれシルバー」

「……(俺に何を言えと)」

「ったく、しんみりすんなよお前はよー」


オレは泣きてェぜ、と何の意味もなく青い空を仰ぐ。


分かってた

先輩は男。んでオレも男。
いくら好きだって、いつまでも一緒にいたいって思っていたって、性別上これは実ることのない恋だったってこと。


あの2人が前から両思いだったこと。


「はーっ…ま、こんなモンだよな」

そうやっては笑ってみせる。


「…………ゴールド、」

「お?何だ」

「……………無r」



刹那、屋上のドアがバァン!
と勢いよく開いた。


「やっぱりここにいた!もー、下校時間になると同時に教室からすぐいなくなるのやめてよね!捜すこっちの身にもなってよ」


振り向くと、そこには真面目な学級委員であり幼なじみのクリスタルがいた。


「クリス、何の用だ?」

「はい、義理チョコです!あなたたちに」


スッと差し出される2つの小さな紙袋。


「うわ…人がブルーな気分だってのに…」

「?何か言った?」

「いーえ、何でも。早速いただくとするか」


と言い、ガサガサと乱暴に包装紙やらを破く。


「ゴールド乱暴すぎ!家に帰ってから食べなさいよ!」

「うっせぇ!今すんごくチョコが食いてー気分なんだよ!オレはよ!!」

「訳分かんない!」

「んじゃいただきー!……………ゲホッ…苦っ!!!!!!!」

「大人なカカオ100%のチョコにしてみました」


そういうクリスは何故か誇らしげだ。


「苦ぇにも限度っつーモンがあるだろ!!シルバーお前も食ってみろホレ!」


そう言うとゴールドは、シルバーの口へと無理矢理チョコを押し込む。


「………何する…!…ぅ゛」

「そらみろ!」

「何よシルバーまで!」

「ヘッ!さ、帰るぜ!!」

「……ゲホ……ゴールド、」


無理してるのではないかとシルバーはゴールドの顔を覗いてみた。

だが、もうあの2人の姿はないが、校門辺りを見つめるゴールドの表情はいつも通りに戻り、自信に満ちたような瞳をしていて。

でも、すぐに壊れてしまいそうだった。



「…ゴールド、オレたちが、一緒にいてやる………ずっとな」


クリスに聞こえないようにぼそっと言った。


「………ガラじゃねぇこと言うなよバカシルバー」

「なっ………」







「…………ありがとよ!」




さっきまで苦いと感じていたチョコが、少しだけ甘くなった気がした。




(2%の甘さはお前たちのおかげ)








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初めての文がこんなので
すいませぇぇ!/(^o^)\

こんなのが書きたいなとか
ずっと思ってたのですが、
いざ書いてみたらよく
分かんないことにorz

ジョウトの3人は幼なじみがいいです
決してシルゴとかではないです(^p^)
ああもうよく分かんないwwwww


ハッピーバレンタイン!←まとめた

------------------------10/02/14
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