この話しは

薄桜鬼 随想録
限定版特典ドラマCD
「海亀はつらいよ〜決戦・乙姫vs風間、海産物の逆襲〜」

の後日談みたいなやつです。
多少ネタばれ等ありますので、見たくない方はBackぷりーず!



2度あることは3度ある



平助は悩んでいた。
剣術とか隊士とか恋とかの事ではなく、全然別の事で。


平「なぁ、佐之さん。」

佐「あ?なんだ?」

平「この前の、浦島太郎の変な寸劇の事なんだけどさぁ…なんでオレが亀なわけ?」

佐「なんだ平助、まだあの事気にしてるのか?」

平「だってどう考えてもオレだけ損な役じゃんか!総司のやつ、絶対オレを弄んでる…!」

佐「あ、あの役は総司が決めたわけじゃないぞ。」

平「……ぇえ?!じゃあ誰が決めたのさ!」

佐「くじ引き。」

平「くじ引きぃ!?」


目をぱちくりさせる平助を
面白そうに眺めながら佐之助は茶を啜った。


佐「いいか平助、よぉーく考えてみろ。百歩譲って総司がひらめの役を自分でやりたがるか?」

平「そう言われて見れば…」

佐「だろ?総司が自分で配役決めたなら、確実に主役の浦島太郎か楽なナレーションだろ。」

平「そうだよな…、でも!副長の乙姫役は絶対に総司が仕組んでないか?!」

佐「ああ、あれは副長自ら乙姫役になったんだよ。」

平「…佐之さん。いくら馬鹿なオレでもこんな簡単な冗談は真に受けないよ。」

佐「いや本当だって。実はくじ引きの時に副長が来てなぁ、総司に引かせるとろくな役にならないからって自分で引いたんだよ。」

平「マジで!?え、じゃあ本当に副長自ら乙姫役に…?」

佐「そうだ、しかも3回も引き直して3回とも乙姫だった。」

平「副長も気の毒だなぁ…、じゃあ風間は?」

佐「あいつは屯所に乗り込んで来たかと思ったら、くじだけ引いて帰って行ったんだよ。」

平「なんか…想像つくようでつかない光景だなぁ。」

佐「そんなもんだろ。」

平「じゃあオレのは誰がくじ引いたんだよ。」

総「君のは僕が引いたよ。」

平「へぇー総司が引いたんだ…って総司ぃい!?」


急に部屋に現れた沖田に
大袈裟に驚く平助。


総「僕じゃ不満かなぁ?」

平「不満だらけだよ!つか、いつそんなくじ引きやったんだ!」

総「ん?君が僕の代わりに巡回しに行ってる時かなぁ。」

平「ああ!もしかして腹痛とか仮病使ってオレに仕事押し付けたあの日かぁ!」

総「仮病だなんてひどいなぁ、僕は本当にお腹が痛かっただけなのに(棒読み」

平「嘘つくな!」

佐「っていうか総司、何か用事があって来たんじゃないのか?」

総「あ、そうだった。」


沖田が本題に入ろうとした
ちょうどその時だった。


土「おい平助!」

平「ふ…副長!?」

総「あ、土方さん。」

土「お前、職務をサボるとはどういう事だ!」

平「え、ああ!もうこんな時間じゃんかオレ巡回しないと!」

土「総司も平助の次に巡回だからな、忘れんなよ。」

総「その事なんだけどさ。」


沖田は立ち上がると
巡回に向かおうとする平助の肩をがっちりと掴む。


平「なんだよ総司!」

総「実は僕さっきからお腹が痛くってさぁ…、1時間余分に巡回して来てくれない?」

平「はぁ!?嫌だよなんでオレが総司の分まで巡回しないといけないのさ!」

総「ありがとう、引き受けてくれるんだね(超棒読み」

平「引き受けねぇよ!」

総「じゃあ僕は部屋に戻って続きでも書こうかな。」

平「は?続き?」

佐「あ、今日はくじ引きするんだったな。」

土「そうだった、次こそはまともな役を引いてみせる!」

平「え、くじ引き?!」

佐「じゃあな平助、気張って巡回してこいよ!」

平「ちょ、佐之さん!!次はなんのくじ引きなの?!」

総「君の分は僕が引いてあげるから安心して巡回してきてね。」

平「安心できないし!つか、オレもまぜてよ!」

土「職務の方が大事だろ、あれこれ言わずに巡回してこい!」

平「え、ちょ…、み…みんなの馬鹿野郎ぉお!」


こうして平助は
泣きながら巡回に向かった。


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平助が可哀相になってきた←






2月15日 20:26 *0



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