:10/10 09:31(:日常
 腰に爆弾を抱えて出産した結果〜後編〜
さぁいよいよ山場だ!

陣痛の波に合わせてヒッヒッフーをする私。出産と聞いて一番想像するあの場面である。今正にその状況なんだなぁと頭の隅で考えている私。

赤ちゃんはまだまだ降りてこない。
何回かヒッヒッフーをしている内に、どうやら子宮口の出口付近で頭が引っかかっている様子。
察するに、子宮口が弁のようになり、赤ちゃんが押し戻されてしまうらしい。

助産師さんが必死にグリグリベコベコ子宮口をいじくり回すも、一向に進まぬ頭。
何となく私もこりゃあ絞り出すの大変だぞと思う。
と、助産師さん先生にヘルプ。
数分後先生登場。
どれどれ…と子宮口グリグリ…
(´・ω・`)『ん?これ全開か?』
の言葉に一瞬『マジか!またいきみ逃しか!』と戦慄するも
(´・ω・`)『ん〜ああ、はいはい…ちょっとここがアレやねんな…ほっ!』
と言う掛け声(?)で赤ちゃんの頭が中で何からベルンッと何かを剥いた感覚。
直感で子宮口の取っ掛かりを越えたのだと分かったので、陣痛に合わせていきみ開始。
陣痛促進剤を使った進行具合から上手く行けば一時には産まれるよ!と言われていたのだが…一向に降りてこない赤ちゃん。
そして昨夜から寝てない上に食べていない私は体力の限界が近い事を悟る。

ついでに、腰が悪い為に力が上手く入れられない。『あ、この(分娩台に仰向けの)姿勢じゃ私産めないな』と悟る私。
え、どうしよう…止めたい…いや、止めたいと言うか一回仕切り直したい…体勢整えて、呼吸整えて、痛みも一回無い瞬間を下さい…と言う気持ちからか、今まで黙っていたのに
『ちょいタンマ、ちょいタンマ…』
と譫言の様に呟き始める私。
『ん?何?大丈夫か?』と夫や助産師さん達。
『ちょ…休憩…休憩…(助産師さんその道具突っ込んでグリグリすんの止めて休憩させて下さい)』
『そうね!休憩して!で、また痛みきたらいきんで!(グリグリグリグリグリグリギリギリメキメキグリグリギリギリメキメキグリグリグリグリグリグリ)』
『ちょ…だか…タンマ…休憩…』
『いいよ!休憩して!(グリグリギリギリギリギリメキメキグリグリギリギリギリギリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリ)』
『ちょ…(あ、もうコレ産んだ方が早い(´Д`))』

それで何度も頑張るんですが…やっぱり一向に下がってきてくれない。
私、この時点で足がガクガク震え、力が入らず、腰がバキバキになっている為、上手くいきめず若干パニックになりかけている。
助産師さんが『ちょっと座らそう!足外して!』と周りに指示。
『(ああ、うん…私様式より和式の方がウ○コ出るの…)』
と頭の中で意味分からない事を助産師さんに回答。

分娩台から解放され、そのまま上半身を起こし、助産師さんにもたれしがみつき、何回もいきむ!
本来一番力の入れやすい姿勢になった事と重力も手伝って、何とか赤ちゃんが下がってきた。
『よしよし、下がった!じゃあもう一回寝て…』
『(え、このまま産ませて下さいいきめませんあの姿勢!)』
と思いつつなすがままの私。
しかし赤ちゃんが下がってきてくれたおかげで段々と頭が出てきた。
助産師さんが『頭見えてるよ!髪の毛見えてる!』と励ましてくれたおかげでネットで恐る恐る見た出産シーン(まさに頭が見えて出てくる衝撃的動画)が頭をよぎり、なんだあと少しだ!と再び頑張れる。
あと『やっぱり髪の毛フサフサなのか…』と夫似な男児である事を冷静に確信。
後はもういきむ度に出てきました。
『あと何回?あと何回?』
と譫言のように言ってる間に先生登場。
パチンとパチンとお股を切られ、ズルンッと頭が出てきました。

ああ…やっと解放される…と思ったのですが、後産、縫合…で終わる筈がなんだか産道を裏返して捲る勢いで先生が何やらチェックしまくっています。
ただのチェックにしては何かおかしい…と思ってる間に、
『ちょっと○○先生呼んできて!』
と…え?ドクター二人で私の股見て何する気?と思ってる間に助産師さんも加わって三人で股を捲ります。
これが地味にきつかった…。

結局、会隠(産道出口…所謂体の外側に見えてる部分)は裂けずにいけたのですが、中を赤ちゃんが通る時に傷付けてしまったらしく、3カ所程細かく裂傷していて出血が止まらなかった模様。
いきむ前から出血していたので、元々裂けていて尚且つ裂けやすい体質(?)だったようです。
上手くいきみを逃していなければ、大量出血必死でした。

ちなみに出血量は850…普通は300くらいらしく、危うくあと150出血で緊急搬送されるところでした。
やれやれ…とそれぞれ解散する先生や助産師さん。

しかし、私にはもう一つ爆弾があったのです。
解散されて分娩台に放置プレイ(二時間くらい寝たきりは普通にしなければならない)されてるウチに、下半身が上手く動かせない事に気づく。
産後は普通なんだろうけど、私は直感した。

ヘ ル ニ ア だ(´Д`)

ただ、ヘルニア再発と言う意味ではなく、ヘルニアがあるから二時間放置されてもきっと立てない…立てないどころか足を動かす事すら無理だろうと。

大量出血故に本来歩いて病室に戻る筈がストレッチャーで帰ることになっていたのですが…さぁ移動しますよと言う段階で私が腰の状態と病気を説明。
やっとの事で病室に帰るも、案の定微動だに出来ず…バルーン(採尿管)をつけられ、3日間安静の流れになりました…。

お産自体より、助産師さんの産道グリグリギリギリメキメキ、三人にいじられる産道縫合…そして腰痛が辛かったです。

微弱陣痛もどうやらヘルニアが原因の様で、『こんな体でよく頑張ったなぁ!』とみんなに言われました。
降りてこない原因もベビ彦の臍の尾が短い上に肩に絡んでいた様です。
その上ヘルニア故に骨盤が上手く開かず子宮口で引っかかり、産道も傷付いたのだろうと。
だから妊娠検診の時あれほど腰が心配だと何回も…(´・ω・`)

一般的な腰痛の訴えと同等に捉えられていた様です。やっぱりね。

『知ってたら怖くて普通に助産できなかったかも〜(笑)』なので知らぬが仏…結果オーライだったのでしょう。
私自身、普通に下から産めて良かったよ…。

ベビ彦にはおしるしが来てから
『ママの身体の事なんて気にしなくて良いから、自分の思うように出てきなさいね。その代わり、頑張って出てくるんだよ?ママも頑張るから、一緒に頑張ろうね!』
と言い聞かせていたのでその通り出てきてくれました。
ベビ彦の協力なくば、普通に産めてなかったかも(´ω`)


さて、只今腰に自転車チューブのようなゴム(トコちゃんシリーズ)を巻き付け、バルーンを付け、3日間安静の為まだ授乳出来ていません。
ベビ彦に会えなくて凄く寂しい(´・ω・`)

ちなみに文章中では夫が空気と化していますが、ちゃんと隣でずっと励ましてくれ、身体が動かぬ私に夕食を介添えしてくれました。
若干、次々おにぎりを口に放り込む荒行をされ二度目の生死をさまよいましたが、さすが三人目立会ともなれば落ち着いていて、出来ることを上手にリードしてくれたと思います。

貴方の子を産めて良かったよ(´ω`)

改めてベビ彦が居なくなったお腹をさすってマタニティライフとお別れした実感を噛みしめています。
これから色々大変だろうけど、ベビ彦がお腹に来てくれた日、お腹で一緒に過ごした日々、そして頑張って産まれてきてくれた今日を忘れないように育てていこうと思います。

新生児だからまだ泣き声が『ふぎゃぁ〜』程度で可愛いですが、これが1ヶ月も2ヶ月もしたら『ふんっぎぃぃあぁあ〜』って顔真っ赤にして気張るように泣き叫ぶんだろなぁ…。
最初は可愛いウンチも、離乳食を始めたある日突然臭くなるんだろうなぁ…(´・ω・`)
最初の一年は本当にあっと言う間です。

分かっているだけに、3ヶ月までを大変だと知りながら楽しんで育児したいと思います。

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