:10/10 06:44(:日常
 腰に爆弾を抱えて出産した結果〜中編〜
さて、いよいよ出産へ向けて動き出しました。
日曜日に破水したと思って来院した時に既に入院準備品を預かってくれていた為、貴重品と陣痛最中に聞くためのウォークマン。あと無意識に連れてきたクマのぬいぐるみを持ち込んで、さぁいきみ逃し頑張るぞ!と病室に入る気満々な私の意気込みを挫く一言『では分娩室で…』

分 娩 室 !?(°ω°;)

普通、子宮口全開になってやっと行けるラストダンジョンにまだレベル10にも満たないヒヨッコが分娩室ですと!?

イマイチ状況が読めない私に助産師さん達が次々指示と説明をしてくれます。とりあえず従う私。お産はイメトレと、結局アレだ!プロの意見聞いときゃ何とかなる!な勢いで来たため、まぁいっかと分娩台に乗って周りの準備を眺めていました。

点滴を準備してくれていますが、何かただの点滴じゃない気がする…と思いつつ左腕手首に繋がった管を眺めて陣痛を呼吸で逃す私。
全て整ってから花柄パンツの夫登場。
『陣痛促進剤』の説明を始める助産師さん。

や っ ぱ り 促 進 剤 だ っ た。

促進剤慎重に扱わねばならない部類の点滴なので、NSTを装着して胎児の様子を確認しながら行うとの事。
胎児が拒否したら促進剤は使えなくなる事。
二時間しか使わない事。(それまでに陣痛が来なければ使用中止)
で、NSTが病室に運び込め無いため、分娩室からスタートと。なる程…。
(大きな病院とかなら違ったかもしれない)

なるべく自然に産気づいて欲しかっただけにちょっぴりガッカリ。しかし促進剤も効きが個人差だと言う話。ならば必殺マインドコントロールでいこうじゃないかと密かに決意。(マインドコントロールって凄いよ?)

で、9時半頃から点滴スタート。
マイコンのおかげか陣痛促進剤を入れて30分…10分間隔の陣痛が蘇ってきた…一時間…5分間隔くらいに…この時点で内診すると6センチに…辛くなってきたなりに夫と会話する余裕のある私。

夫は点滴に繋がれた私の左手を握ってくれています。
(´∀`)『終わったらおいしいもの食べような〜』
(´ω`)『うん』
(´∀`)『好きなもの食べれるな〜ケーキもワンホール夢じゃないで〜良いお肉食べよな〜』
(´ω`)『(母乳があるからケーキは微妙だしホールは無理だよ〜)そだね〜』←冷静

ちなみに6センチの内診時に毛を剃られている。手慣れたもんだぜ助産師さん。
しかし、横向きの体勢で耐えるのが楽なため分娩台の足掛けに足を乗せた状態が不安にさせる。
(´Д`)『え?これで固定?』
(´ω`)『いや、大丈夫だよ〜』
と下ろしてくれる。

ぼんやり『少なくとも生理の100倍と覚悟していたが、10倍くらいだなぁ…』と分析していたらまた内診。
分娩台に足を乗せた体勢で、ぐいぐい子宮口を開いてくれる事に。
子宮口グリグリされたり、いきみ逃しが大変だと聞いていただけに覚悟していたが、案外大丈夫。
しかし8センチ辺りから陣痛が辛くなってきた。
この時、駆けつけてくれたお義母さんとお義母さんのお姉さんがチラッと分娩室に来て手を握って励ましてくれました。
お姉さんの『あら、大人しいわね』の一言が妙に頭に残っている。普通はもっと叫ぶの?

そうこうしている内に2、3分間隔で痛みが襲ってくる。
呼吸法で逃し、2、3分の間に全力で全身の力を抜き、次に備える。リラックスと休憩が大切らしいと聞いていたので、全力で実戦。
陣痛が来るたびに呼吸をして、助産師さんが子宮口を開いてくれる。
6センチ過ぎた辺りで呼吸法だけでなく、右手で左腕の袖を握りしめて耐えていたが、助産師さんがそっとゴムボールを持たせてくれたのでそれを思い切り握り潰す。

あと2センチ!
あと1センチ!
ゴムボールを握り潰すだけでは飽きたらず、握りしめた拳で分娩台を殴りつける私。
しかし体中の理性を左腕手首先へ集中させ、夫の手はやんわりと握ったまま。
(無言で分娩台を殴りつける私を見て『決して怒らせてはいけない…』と思ったと夫は後に語る)

とうとう『んあぁッ!』と声に出る頃には子宮口全開。辛いなりに意外と余裕だったなぁとぼんやり考えている私。
この時点で丁度12時。約二時間で子宮口全開になった訳だ。
分娩台に足を固定される。
助産師さんからも呼吸やいきみ逃しが上手と励まされつついよいよ気張れる時が来た訳だが、イマイチいきみ方が分からない。
今まで散々力を抜いていた下半身に今更力を込めろと言われましても(´・ω・`)

しかし大便をしたい感じはきている。
無意識に力が入った時に暖かいものが股から流れ出たのも分かっていて(破水ではないのも何故か分かった)、いきんではヤバいと本能的に感じていた為、いきむのが何となく怖い。
(ちなみに本能的にいきむのを避けていたのがこの後大正解)

とは言え…いきまねば出てこない。
助産師さんがこう息をして、こういうタイミングで、こういう姿勢で、と説明してくれるのを聞く私。
『了解、分かった』←敬語を使えない程度には疲弊
とすんなり飲み込む私を
『もうコツ分かったんすげぇな!』と夫が励ましてくれる。

ちなみに夫は横で一緒に呼吸してくれたり、『あと○○センチやて!』と一生懸命声を掛けてくれていたが、私の中でアウトオブ眼中だった為、あまり気にしていなかった。手を握ってくれてたり、声かけやら一緒に呼吸してくれたりやらありがたかったが、私は助産師さんの指示と声かけに神経を集中していたのでピンボケした写真みたいにあまりはっきりと印象に残っていない(笑)

そして本当の闘いは幕を開ける。

〜後半へ続く〜

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