なんか酷いおがふるってか古市。
いや、やっぱ両方酷い。
続かないからコネタ扱いで。
数年後設定(笑)
ちょっとえっちいかもしれませんね。
「好きだ。」
唐突過ぎて、頭が真っ白になった。
幼馴染みと離れるきっかけになった、冬の終わりの出来事。
―――フリーズから解けた頭で、冗談だと処理する。
だから、「冗談だろ」といったのに、「真剣だ」と返ってくる声。
そんなの、受けられなかった。
出会ってから十余年。幾ら男鹿に関しては広いキャパシティでも、受け止めるのは無理だった。
「おま…親友を散々蔑ろにしてた奴が言う?」
「してねぇよ。」
「…無自覚かよ。」
言って、溜め息を吐いた。
だって、無理だ。
男鹿には最早、都合の良い時に側に居れば十分なのだ。
それなのに、今更「好きだ」なんて、ふざけている。
「悪いけど、俺はそう言う意味でお前を好きになることは出来ない。」
「っ…!」
ケジメだった。
ダラダラと続く恋人未満の親友関係。
気付いたら離れられない雁字搦めに、互いが囚われていた。筈だけれど、約二年前にコイツが赤子を拾ってから、状況は一変した。
置いて行かれては、悪魔が迎えに来る―――だけど、コイツは迎えに来ない。
コイツは俺を関わらせておきながら、何かあっても、巻き込まれても、決して何も言わずに何処かへ行ってしまう。
更には、平然と俺が居た"隣"の位置を、あっさりと"何とも思ってない女"に譲ってしまった。
ああ、自分はもう必要ないのだと、認識せざるを得ない距離、疎外感を与えられて二年前経った。
色んな事があった。でも、俺は何時でも流されるままに悪魔に手を引かれてきた。
巻き込んだ男鹿自身の手に引かれた事は、一度もない。
「卒業間近で、思い切ってくれたんだろうけどさ…ごめんな。」
今更――――そう、今更受け取れなかった。
付き合っても、泣くのは目に見えてる。
――これだけ、苦しい思いさせられてんのに、これ以上とか…無理。絶対無理。
男鹿は、何も言わない。コイツも、だいぶ雰囲気が変わったなと思う。男鹿自身は気付いてないが、前より随分物腰柔らかくなった。今や当たって砕くのは、向かって来た奴だけだ。
そんな男鹿は、ショックで固まっていた。どうやら、俺は断らないと踏んでいた様だ。
「そうだ…大学受かったんだ。俺、一人暮らしすっから…」
「っ何処にだ…!」
ガンッとテーブルに手をついて、身を乗り出してきた。
生憎、教えるつもりはない。
こいつら一家ウチに住み着くのは目に見えてるから。
そしてやはり俺を除け者にするのが解って要るから。
「教えない。」
「あぁっ?!」
「睨んでも教えない。」
向こうが頑固であるように、此方も頑固なのだ。
簡単には崩れてやらない。
そう思って、結局教えないまま卒業して。
今や俺は、一人暮らし三年目に突入する。
男鹿とは卒業以来それっきり。
男鹿程のパートナーは作れると期待してないから、とりあえず上部だけの友達を数人確保しておいた。
これで、楽しければ良かったのだが、特に普通で面白くもなく。
まぁ元々、他人アレルギーと言うか―――兎に角、俺は近寄らせなかったから。その一線越えれば楽しかったんだろうけども。
アランドロンは追い掛けて来なかった。ラミアも来なかった。
誰も来ない家は、親の勘違いお節介の所為で、一人で住むには無駄に広くて部屋を持て余していた。
最初こそ、慣れなかった違和感も取れて。
それでもやはり、あの騒音に近い連中が居ないのが寂しいなんて、思ってしまう俺は贅沢者。
「……」
男鹿を切り捨てたあの日から、日常はどんどん色褪せて行った。
元々は、男鹿が俺の世界を作ったのだから。
「ッん……何も、こんな…路地裏で、あっ!」
「外って興奮しねぇ…?」
――するけども…っ!
路地裏でも誰が来るか解らないのに。
セフレってこわいとか、頭の片隅で思う。
満たされなくて、ちょっとした刺激のつもりだったけど、なんかハマった。勿論、固定の相手は持たない。二度目以降は情を湧かれるのも嫌だから禁止が暗黙ルール。
そんなこんな、今日のお相手は、スリリングなのがお好きなようで。
近くを通ろうとする足音が聞こえて来るのに、手も口も止めることはしなかった。
「ッ…誰か、通るから…は、あ、」
「んー?」
「…ふ、ぅんッ」
不意打ちで吸われて、白濁を溢す。
そして喉を鳴らし、男は俺の欲を飲み込んだ。
「やっぱ…人間は美味しいよね。」
ヤバいの引っ掛けたな…と、ソッコーで解るような台詞を吐きながら。
――うっそーん…悪魔か。また、悪魔なのか。
首筋に顔を埋めながら、後孔に先ので濡れた指を這わせて、埋め込む。何時まで経っても慣れない感覚に眉を潜めてしまうのは、何時もの事。
首筋にチリリと痛みが走り、目の前に居る人物の姿が変わる。
これまた、傷を抉るような顔だった。
「食べるんだから…夢くらい見させるぜ…?」
「っ…あ、嘘、悪魔?」
コレは好きな人に成り済まして、食べてしまうらしい。
正解。なんて笑いながら、後孔を掻き回す悪魔。
男鹿じゃないって、解ってるのに―――男鹿に食べられるなら、いいか…なんて。
悪魔の頭を、乱された衣服のまま自らの胸元に抱き寄せる。持って行ってどうぞって事だ。
後孔の一点を見つけるなり執拗に引っ掻かれ、身体を震わせる。
「ッあ…、ん、んぅッ…」
「声、出せ―――」
そう聞こえた時―――悪魔が腕の中から消え去り、左側正面の壁にめり込んだ。
執拗に一点に触れられた所為で、再び立ち上がったそれに、さっきまでのとは違う人の手が触れた。
小さく声を上げて、その長身を見上げれば―――見知ったなんてもんじゃない、悪魔より悪魔なヤツが笑っていた。
ってか、キレていた。
「オレ振っといて、路地裏で男とお遊びとは…良い度胸じゃねーかよ、古市くん。」
「男鹿…?」
男鹿の熱い手が自身を弄び、ビクリと身体を揺する。
直にソレは、熱い口腔へと招き入れられた。
「や、めっ…ん、男鹿っ…」
「――――」
「ぁ、あ…っはなせ、でちゃう、からっ」
こんな状況だって、男鹿はマイペースで。自分勝手で、傍若無人のまま。
チラリと見られて、でも気にせず吸われて。簡単に欲を吐き出した。
そんな、史上最悪の再会。
この後、古市のところ行って古市と喧嘩して、でも古市のところに居座る男鹿さん。
ヒモ生活。
ある日、ヒルダさんが尋ねて来て、後ろには五歳のベル坊。
ヒルダさんが上がるぞと言って、男鹿さん見つかって、魔界から逃亡したのが発覚。
そんで、まぁよいって言って、ヒルダさんと坊っちゃまが住み着く―――と
言うところでしょうかね。
ああ、パソコンのネット環境が欲しい(笑)