値引き作業してるときに、ふと棚越しに向こう側を見たら中学の頃の同級生(女性)が来てた。
5度見ぐらいした(笑)
そして、ガン見してしまった。
まさか来ると思わなかったし、よりによって真ん前にいるなんて。

元から可愛かったのだけれど、更に可愛くなっていた。そして、美人にもなっていた。びびった。しかし、昔からのということですごく動揺はしなかった。相手がどういう人か分かってるので。
例えるなら、有村架純を美人にした感じ。しかも、頭脳明晰。まさに才色兼備なのだ。物静かだが、芯ははしっかりしたお嬢様のような人だ。服装も清楚系だ。彼女はそういう人。昔から本を読んだり勉強をしてる姿をよく見てきた。まあまあ運動もできるほうだったと思う。中学の頃彼女は、地区の読書感想文コンクールで特選をとり、県のコンクールにも出展したはずだ。彼女とは同じコンクールに三年連続で出したものの、俺はかすりもしなかった。
同じ小・中学校出身だし、同じ部活だったし、俺と同じく生徒会にも所属していた。懐かしいな。彼女はしっかり者だ。俺とは対照的だ。

彼女は公務員で、俺は引きこもりなったりいまはパートで働くしがない人間だ。十数年たてばこんなにも変わってしまうんだな、いろいろ。
あの頃は28歳の自分がこんなことしてるなんて想像もしなかったな。

彼女に中学2年の時だったか、告白した。夏か夏の終わりだったと思う。当然ふられた。好きな人がいて、その人はイケメンで頭脳明晰でバスケ部のやつだった。俺とは全然違うタイプだった。両想いになれたら良いねと言ったら、あなたはいい人(優しい人だったかも)だねって言われた。
好きな人が幸せなら、俺はいいやって感じだったから、そう言った。

高校は別々だったけど、部活の大会で見かけたり、三年の頃は町の図書館の学習室で見掛けた。俺もかなり勉強してたけど、彼女は俺以上に勉強してた。のちに、彼女は難関大に合格したらしいと噂で聞いた。俺は隣県の大学に進学した。
それから何年かして、会った時にあの時すごく勉強してたよね?と彼女から言われたけど、そんなことはない、俺よりもあなたは勉強してたよ、本当にすごいと思っていたよと言ったら、驚いたあと嬉しそうに笑ってくれた。当時は彼女は就職したてで自信がなかったのかもしれない。

あれから、市の施設で女子の友達らしき人と勉強してる姿を見掛けたきり、しばらく会っていなかった。
彼女は俺だって気づいていたのかな。名札してて、いらっしゃいませって言ってるからそういうので気づいたりしてたのかな。でも、俺はマスクしてるから、分からないかな。

声をかけようと思ったが、やめた。俺は仕事中だったし彼女の買い物の邪魔になってしまったらいやだしな。
静かに見守ってたら、色々商品を見て値引き作業してる俺の真後ろも通ってどこかに行ってしまった。

また来ないかな。彼女が気づいたら、今度は話しかけてみようかな。

話題:メンタル