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緑赤

漫画用メモ


緑間は赤司の本質を知りたかった。しかし最後まで見抜くことはできなかった。それでも彼は隣りに居た。居続けた。

緑間と赤司は同じ方向を向いているが、二人の道は一致することはない。時たま重なる時間もあったが、お互いを理解できないまま離別の時が来た。

緑間は赤司を理解したかったが、赤司がそれに応えることはなかった。いつも上手くはぐらかせ、風のように去っていく。
赤司は緑間の気持ちを知っていた。しかし彼は緑間に応えたいという自らの欲求には気づかなかった。ついぞ彼に伝えることなくその姿を消した。

赤司は人の想いを読み取ることが得意だった。周りの人間の考えが手に取るように分かり、頭の中へと入っていった。だが彼は自分のことだけはまるで何も分かっていなかった。

緑間は赤司が消えてしまいそうだと思った。この世から「なくなる」と。肉体も精神も人の記憶からさえもその存在をなくしてしまう、と。

緑間は走った。
赤司をこの世に繋ぎとめるために。

「真太郎」
「…名前で呼ぶな」
「つれないね。そんなに僕じゃなくてあいつが良いかい」
「ああ。赤司はあいつだ」
「僕も赤司だ」
「俺の知っている赤司ではないだろう」
「そういう頑固なところ、あいつも呆れていたね」
「………」



「でも好きだった」



「赤司はお前のことが好きだったよ」
「そんな台詞、お前の口から聞きたくないのだよ」
「…もう赤司はいないというのに」
「知ったような口を聞くな。あいつはお前の想像以上に執念深い」
「……赤司がまだ消えてないとでも?」
「どう思うかは勝手だ。だが俺も」


(投了か?)
(フン、今回は負けなのだよ。だが次は勝つ)
(飽きないな、お前も)
(いずれ俺が教えてやると言っただろう、敗北を。それまでは絶対に諦めん)


「あいつと同じくらい、いやそれ以上にしつこいぞ」

アクアリウム

メンタル弱い青峰が不安になる青火ちゃん話。



火神と水族館に来た。


普段ならこんなロマンチックな場所に来るのは絶対にごめんだが、あいつがいきなりペンギンを見たいとか言いだしたから、仕方なく付き合ってやることにした。どうやら海外から珍しい種類が日本へと送られてきたらしい。何だよお前可愛いじゃんと思い、上機嫌でニュースで放送でもしてたのかと聞くと、黄瀬から写メが送られてきたんだと、絵文字と顔文字まみれのまるで女子のようなメールを見せられた。おい、お前らいつからメールする仲にまで発展したんだよ。黄瀬との仲を見せつけられたようで少しイラついたが、そこはぐっと耐えやり過ごした。ともかく俺は火神と二人で水族館に行くことになった。仕方なくな。


「おい青峰、こっち来てみろよ!」


はしゃいだ様子で火神が声をかける。お目当てのペンギンを見た後もこいつの興奮は醒めやらない。


「はー…待てよ今そっち行くから」


早く来いよと目で合図する火神の元へ歩いていく。こいつ、俺を置いて一人でさっさと行きやがって。別に寂しいわけじゃねえ。俺よりふよふよ泳いでいる魚共の方が大事な火神が気に入らねーだけだ。


火神がはしゃぎながら見ていたのは鮫だった。


「へぇ…こりゃかっけーな」


大きな水槽に一匹だけ静かに泳いでいる鮫を見て、俺は素直に感動した。昔ジョーズで見た鮫よりは小さいが、他の魚を圧倒する迫力は十分だ。真横で同じように感激している火神をよそに、俺はガラスの隅を見た。白いパネルに鮫の生体が書かれている。


「何て書いてあったんだ?」


いつの間にか自身から離れていた俺を見つけた火神は、明らかに興味津々な様子で寄ってきた。パネルの内容を伝えると、やっぱり鮫はかっこいいな!とニカッと笑って返された。満面の笑みを浮かべる火神は、太陽のようだった。動揺した俺は思わずたじろぐ。こいつ、俺がその顔に弱いの知っててやってんじゃねーだろうな。そんな俺の不安を余所に、火神は急に神妙な顔つきで俺を見つめ始めた。


「…何だよ」

「いや…お前って鮫に似てるよな。凶暴だし乱暴だし」

「なんだそれ。つまり俺もかっこいいってことか?」

「ちっげーよバカ!いま凶暴なとこが似てるって言っただろ!」

火神をからかうのは面白い。すぐムキになるし、赤くなる姿は(男に使うのも何だが)可愛いと思う。いつもと同じように怒る火神の表情を楽しみながら、あしらうように俺は返した。

「お前だって鮫みたいに荒々しいバスケスタイルじゃねえか。似たようなもんだろ」

「バスケは関係ないだろ!」


火神はへいへいという適当な返答に対し、ふてくされたように何か言っていたが、俺の耳には全く入らない。いよいよ付き合うのに飽きた奴は一人水槽から離れて鮫を見つめた。俺もまた、そんな火神をじっと見つめる。

…本質は変わらないだろ。


勝利への渇望…多少テツにほだされちまったが、お前と俺は元々同じ人種だ。勝つことを求め、貪欲にバスケをプレイする。勝つのが全てじゃねーけど、試合をするならやっぱり勝ちてえ。俺とお前は似た者同士だからこそ、こうやって惹かれるんじゃねえかな。そこには恋愛感情を超えた何かがあると俺は思っている。火神のことは好きだけど、それは単なる恋や愛ではなく、同種の匂いによる安心感から来るような気がする。言うなれば兄弟のような。


しばらくすると、ずっと黙り込んでいた火神がぽつりと一言漏らした。


「本当はこいつもこんな狭い水槽を飛び出して、海へ出たいんだろうなあ…」


この中は綺麗だけどよ、と付け加えた火神の目線は、いつの間にか鮫から外され水中に引き込まれていた。燃えるような赤い瞳に青が混じり合って不思議な色味を帯びる。水槽の波紋が火神の目の中でも静かに揺れた。

「青峰、お前みたいだなこの水の色」

無邪気に笑いながら、火神は再び俺に目線を向かわせた。素直に褒めたその言葉にもちろん裏なんてない。でも、


鮫を閉じ込めてるのは、その青は。


「おい…どうしたんだよ、青峰。気分悪いのか?」

「いや、別に、なんもねーよ」
「本当か?」


かけた言葉に反応もせずただ呆然と立ち尽くしている俺を見て、火神は心配そうに声をかけてきた。何事もなかったかのように振る舞う俺を見て、不安そうに顔を覗き込み、そっと俺の頬に右手を伸ばす。火神の暖かい手のひらが優しく触れた。俺は無意識に左手でその手に触れ、感触を確かめるようにぎゅっと掴んだ。触れた部分からじんわりと火神の体温が自分の中に流れてくる。温かい。


なあ火神、お前を狭い水槽に閉じ込めている俺をどう思う。お前を決して手放そうとしないこの俺を。


お前は俺と同じだろ。誰かに飼われるタマじゃねえ。


いてもたってもいられなくなり、キスをした。相変わらずこいつの唇は熱くて柔らかくて、触れた箇所から溶けてしまいそうなほど甘く、その心地よさは俺を安心させる。少しの間だけ唇の自由を奪い、すぐに離した。火神の目をじっと見つめると、そこには俺の姿揺らめいていた。自分がどんな表情をしているか見てみようとしたものの、分からなかった。火神は珍しく触れるだけのキスに戸惑っていたが、俺が何も言わないことに何かを察したのか自分からもキスをしてきた。また触れるだけ。


「…無理すんなよ、青峰」


少し困ったような顔をして笑う。そんなツラすんなよ、と言おうとしたが、そうさせてるのはまさしく俺で。脳裏によぎった独占欲をさらけ出すわけにはいかない。出かけた言葉を心の奥深くにしまい込み、行こうぜと俺が薄く笑うと火神は笑顔を取り戻し、何も聞かずに、ああと返した。




お前もいつか俺の元から去っていくのだろうか。






せめて、今だけは俺の元に居てほしい。俺のものでいてほしいんだ。

君たちが好きです。

青火のことが好きな黒子の独白。友情か恋愛かは自由判断で…。



火神くんと青峰くんが付き合い始めて1ヶ月が経った。元はライバルであったものの、似た者同士というかさっぱりとした性格やバスケ馬鹿なところが合ったらしく、青峰くんがたまたま火神くんの家に行ってから、急速に仲良くなっていったようだった。それがどういう過程で恋人にまで発展したのかはよく知らない。青峰くんに、君が火神くんを襲ったんじゃないですか、と冗談混じりに聞いてみたら、一瞬言葉に詰まってから否定されたから、多分僕の推測は当たっている。


正直に言うと、僕は火神くんのことが好きだ。普段のムスッとした様子も、恐いもの知らずな勇ましさも(馬鹿とも言うけど)、バスケをプレイしている時のキラキラした顔も、美味しそうにご飯を食べる笑顔も、からかうとくるくる変わる表情も、全てがすごく好きだった。


でもそれ以上に、僕は青峰くんといる火神くんのことが好きだった。


火神くんは、青峰くんという対等の相手を見つけて喜んでいたし、青峰くんとする1on1を何よりも楽しみにしていた。たくさん食べるあいつに料理を作ってやるのは面倒くさいと言いながらも、その顔は笑みに溢れていた。


そんな火神くんの表情が好きだ。でもその表情を作り出すのは、僕じゃない。


もちろん僕は青峰くんも好きだ。帝光時代は良きパートナーであったし、光のように明るいところや兄貴肌な面、とにかくバスケ一筋な一途さが好きだった。何より彼は、本当は優しい人なんだ。


そして、その本質を引き出しているのは、今は僕じゃない。火神くんだ。


二人は今、お互いを必要としている。彼らが求めているのは、影じゃない。共に眩しく光ることのできる相手だ。


黄瀬君に嫉妬しないんスか、と聞かれたこともある。全くしないと言ったら嘘だ。できることなら二人とも僕だけのものにしていたい。でもそれは傲慢だろう。黄瀬君は僕を強い人だと言ったけど、僕は強くなんかない。ただ二人が好きだから、二人に一番幸せな道を、二人が一番笑顔を見せてくれる道を歩んでもらいたいだけなんだ。本当は僕のエゴだ。そう言ったら、黄瀬君はそれを強いって言うんスよと返してきた。


火神くんも青峰くんも、僕のものなんかじゃない。でも、いやだからこそ、君たちが好きなんだ。だから僕は、君たちの幸せを願わずにはいられないんだ。

続き↓

前の続きっぽい火黒火。
アニメが良い展開なせいで結末迷う(´^ω^`)続かないかも
もっとメンタル強い黒子が好きですくそっ…





黒子が心配だった。


さっき黒子に傘を借りたんだ。俺が傘が無い無いって騒いでいたら、いつものようにどこからともなく現れて(多分最初からいたんだとは思う)、傘無いからどうぞって。俺は喜んでそれ受け取ったんだけど、黒子の様子がおかしかった。


あいつはさ、たまにすげー寂しそうに笑うんだ。今日もそうだった。


黒子!
昇降口までダッシュ、先に行った黒子を急いで追いかけると、一足遅かったか、雨の中歩く黒子がいた。俺が叫ぶと、あいつは驚いて振り向いた。


火神くん、どうしたんですか。そう返しながら佇む。ああ、おい馬鹿、濡れちまうだろ!







みじけえ!
唐突に青火の話


ケンカの勢いで青峰が手を出す→バスケで和解→青峰が火神を好きだと自覚→ちゃんと告白
…の流れが理想です はああ


「何でテメーが上なんだよ」「じゃあお前は俺を犯したいわけ?」「…いや遠慮しておく」
って会話をさせたい。

黒火のつもりがうっかり火黒SS

黒子が病んでるように見えなくもなくもなくもない





ひどい夕立だった。


何も持たずに昇降口で立ち尽くす僕は、どう見ても傘を忘れて困っている男子学生だった。でも誰も気づかない。だって僕は影だから。


傘は置いてきた。火神くん、傘無いならどうぞ。そう言って唯一の折りたたみ傘を一本。え、マジ?ありがとな!お礼と共に向けられる満面の笑み。そうそう、その笑顔が見たかったんですよ。


雨は更に強くなってきた。馬鹿でしょう、僕。好きな人の笑った顔が見たかっただけなんです。それだけのために雨に打たれたっていいんです。ずぶ濡れになったって風邪引いたって死んだって。


僕は一歩踏み出した。雨粒が痛い。




雨雲は影を消し去るんだ。
この気持ちごと、僕はいなくなる。






救いがある続きを書きたい(´^ω^`)かがみん〜〜〜〜
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