今回は超創機大戦記事になります、内容は前回の続きみたいなもの。
文字数の限界を超えた為、今回は本文と追記に分けていまする。
興味があれば下記からどうぞ。
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テイロン隊が降下地点に差し掛かる少し前、光牙達は…。
-ガゴォォン-
-ズゥゥン-
「うおおっ!?」
「何事だぁ!?」
潜水艦に衝撃が走り、乗組員達が慌てて確認する。
「艦を潰す、退避しろ」
光牙は直接回線で潜水艦の乗組員達に勧告し、徐々にダイバークラネオンVのパワーを上げていく。
-ベキョォ-
-ググググググ-
「…そろそろ浸水するぞ、溺死か生き長らえるか、好きな方を選べ」
-ググググググ-
「…そ、総員退避だ!急げ!」
ダイバークラネオンVの鋏が潜水艦を徐々に圧迫していき、潜水艦の艦長は慌てて退避命令を出す。
-ボォォン-
-ゴポォッ-
-バキョォォォッ-
-ボォォォォン-
潜水艦から数隻の小型潜水艇が射出された後、ダイバークラネオンVの鋏に挟まれていた潜水艦は真っ二つに割れて沈む。
「………」
「いかせるかよ!」
-ガゴォォン-
「ちぃ…!」
潜水艦から密かに出撃していたシーグリムが巨大な鋏でダイバークラネオンVを捕らえ、移動を妨害する。
-グググ-
「このまま挟み潰してやる!」
「甘いな」
-ガゴォォン-
-ググググググ-
シーグリムの鋏が少しずつダイバークラネオンVの胴体に減り込んでいくが、光牙はダイバークラネオンVの鋏でシーグリムの鋏を掴み、シーグリムの鋏を引き剥がそうとする。
-グググ-
「ふん!」
-ググググググ-
-べキョォッ-
「何!?バケモンかこのZWはぁぁぁ!!!」
ダイバークラネオンVの鋏はシーグリムの鋏を挟み潰し、シーグリムのパイロット絶叫する。
「砕けろ」
「ヒィ!?」
-ゴポォッ-
-バシュゥゥ-
-ボォォン-
動きを止めたシーグリムの胴体にダイバークラネオンVのプラズマ・トライデントが突き刺され、シーグリムが粉砕される。
-ドドォォン-
-ズゥゥン-
「コッチは片付いたぞ」
「此方も片付きました」
ラバンのガロツVから直接回線が開かれ、光牙は淡々とした口調で答える。
「おし、上がるぞ」
「了解」
簡潔なやりとりの後、二人の機体は海面に向かって徐々に浮上していく。
周囲には光牙とラバンが撃破したシートリムやシーグリムの残骸、潜水艦の残骸と重油らしきものが浮上していくのが映る。
重油らしきものは海中・海面に設置されている何かの装置に吸い込まれていき、残骸は政府公認のサルベージ屋たちが群れをなして忙しく回収している。
そして駆逐艦の艦長がサルベージ屋と交渉して食料と残骸回収権を餌に、武器弾薬と艦の修理に必要な物資を調達していた。
-ザバァァァ-
「ふう…貴公らが居なければ我が艦は危なかった、其方の協力に感謝する」
駆逐艦の艦長は冷や汗を拭いながら礼を言う。
「…我が艦は損傷が激しく、急ぎ修理をせねば航行できん状態だ、援護の礼といっては何だが….此方のレイス・ウェイアと周林光遼の2名とサフィニオン2機を其方の作戦で使ってくれ」
艦長は遺憾そうな口振りでラバンと光牙に言う。
「…了解した、2名と新型は此方の指揮に従ってもらう事にする」
艦長の言にラバンは疑問を抱くが、サルベージ屋達が護衛についている様子を見て快諾する。
「二人とも問題児ではあるが、腕は保証する、使いこなしてやってくれ」
艦長はそれだけを言うや、通信を切ってサルベージ屋達と共に駆逐艦の修理に取り掛かる。
「…だそうだ、お前らは此方の指揮に従ってもらうぜ」
「「了解」」
ラバンはレイスと遼の二人に言い、二人は敬礼しながら応える。
「…中尉、ダイバーもガロツVもまだまだいけますね、この分なら作戦完了後の帰りに2、3艦隊と遭遇したとしても戦闘は可能です」
光牙はダイバークラネオンVとガロツVのスキャンと調整をしつつラバンに言う。
「あんだけ無茶して余裕ありやがんのか、とはいえ…計器類のチェックだけは念入りにやっとけよ、海は怖ぇからな」
ラバンは長年の経験に裏打ちされた様な口振りで光牙に言う。
先の戦闘で光牙のダイバークラネオンVは強行突破を計り、空母3隻、戦艦2隻、潜水艦5隻、ZW19機を撃破する戦果を挙げたが、ダイバークラネオンVもラバンのガロツVもまだまだ余力があったという。
「…テイロン隊が戦端を開いた様だ、俺たちも急ぐぞ」
ラバンは流れてくる情報からテイロン隊の動きを判断し、皆に進軍を促す。
「…予定だと既にリッパー01が射出されてる筈だ、お前は先に上がってそれを取りに行け、そのあとはお前に任せる」
「了解」
ラバンは光牙に言い、光牙はダイバークラネオンVを凄まじい勢いで加速させていく。
「俺達は予定通り上陸して敵を引きつけるぞ、この戦力なら味方が来るまで保たせられる」
ラバンはレイスと遼に言い、上陸に向けて動き出す。
「奴の援護は要らないのですか?」
「光牙なら大丈夫だ、あいつは簡単に殺られるタマじゃねぇからな」
遼はラバンに問い、ラバンは少し自慢げに答える。
「ですが…サフィニオンならば」
「あの加速じゃ、今から援護に行っても奴の足を引っ張る事になる、俺たちは中尉と共に戦った方が良い」
「…了解した」
遼の言を遮る様にレイスが言い、遼はこれ以上言うの止めてサフィニオンを加速させる。
「おっし、いくぞ!」
「「了解!」」
ラバンは気合たっぷりに言い、レイスと遼はラバン機に続く。
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-ゴボボォッ-
-ズドゴォォォォン-
「雷撃!?何処だ!」
港付近に布陣していた四国勢の艦隊が雷撃を受け、駆逐艦一隻が真っ二つに割れて沈んでいく。
-ドゴォォォォォン-
「む、室戸級撃沈!」
「索敵どうしたぁ!?」
続いて室戸級軽巡洋艦が沈み、艦隊の乗組員達が各々索敵と応戦態勢を整えていくが、その間にも雷撃によって駆逐艦一隻が中破し、続いて索敵中の駆逐艦の艦底を数本の銛の様なものが貫き、徐々に浸水する。
「レーダーにもセンサーにも反応なし!フルステルス機と思われます!」
「敵は近くに居るはずだ!対潜爆雷の広域投下を急がせろ!」
「了解!」
電子戦によって新型の索敵機が掌握された上、従来の索敵機が役に立たず、旗艦の艦長は対潜爆雷の投下を命じる。
-ゴボボォッ-
「ちょっと待て!…音を拾った!指定すっから其処に対潜爆雷投下してくれ!」
「おし!対潜爆雷投下!」
-ドボォォォン-
-ドドドドドドゴォォン-
四国勢の艦隊も熟練者が多いのか、旧式のソナーだけで瞬時に敵機の位置を捉える辺りは流石である。
音を拾った乗組員の指示に従い、室戸級巡洋艦と駆逐艦から対潜爆雷が投下され、海中で爆発する。
しかし…。
-ドォォォォン-
-ズガガガガァァン-
-ドドドドゴォォォォン
海面からダイバークラネオンVが飛び出し、ド派手な水柱をあげて飛翔。
直後に旗艦の室戸級を含む複数の艦艇がダイバークラネオンが放った魚雷とハイブリッド・ライフルの弾の直撃を受けて沈黙する。
「VNFS、ネービー解除」
『了解、ZEAX-14・クラネオンVからネービーを解除、地上戦闘モードに切り替えます』
-ギショォォン-
「思念波障壁」
-ヴゥゥゥゥン-
-キュゥゥゥゥン-
-バシャァァァァ-
空中でダイバークラネオンVが水中戦用VNFSネービーを解除、同時に思念波障壁を展開し、クラネオンVの装甲が黒く変色、ステルスの為に取り込んでいた海水を全て排除して地上戦闘モードになる。
『ネービーは魚人形態にて潜水後、水中から友軍を援護します』
パージされたVNFSネービーはパーツ同士が合体して魚人形態に変形し、海に潜る。
「思念波誘導、VNFS換装!」
『了解、マスターの思念波をリッパー01に接続、迅速なるVNFS換装を行います』
-ヒュゥゥゥゥン-
-ピシュゥン-
-ガキュゥゥゥゥン-
直後に光牙の思念波を受けたリッパー01がクラネオンVに向かい、クラネオンVにドッキングしてVNFS換装を行う。
『ZEAX14・クラネオンV、蓄積データとマスターのNセンスを参考にVNFS換装、モデルの再構築完了、最適化…完了』
クラネオンVのVNFSがリッパー01装着時に装着モデルを再構築し、機体とパイロットの最適化を行いつつ、リッパー01の装甲がクラネオンVの各部に移動していく。
-ガシッ-
-グググ-
「…!ストライク・リッパー!」
-ヴゥゥン-
-ブルブルブルブル-
光牙はVNFS換装途中に何かの反応を捉え、二つのストライク・リッパーを投げる。
-ギショォォン-
『VNFS換装完了、ZEAX14V・ブレイドクラネオンV…戦闘開始』
-ゴォォォォォ-
「こんなところで動きを止めやがって!落ちろ!」
-ブルブルブルブル-
-ガッキョォォン-
「ぐわ!?」
-ブルブルブルブル-
-バシュゥゥ-
「うおお!?」
-ガシュゥン-
-ギショォォン-
-ドドドドドド-
VNFS換装を終えたクラネオンVがブレイドクラネオンVになり、直後に飛燕が迫るが、投げていたストライク・リッパーが飛燕の真横から現れて強打し、もう一つのストライク・リッパーが態勢を崩した飛燕を切り裂く。
戻ってきたストライク・リッパーをキャッチしたブレイドクラネオンVが激しい対空砲火を潜り抜けながら降下する。
-ズゥゥゥン-
-シャァン-
-バシシュゥゥ-
ブレイドクラネオンVが着地し、地面に居た二機の甲型紅花を両刃型プラズマ・シュナイダーの二刀流で両断する。
「浅野光牙、ブレイドクラネオンV…突っ込む!」
光牙は長期の潜水ストレスを発散するかの様に言い、四国反政府連盟の本拠地に向かって突撃する。
-ガシッ-
-キュゥゥゥゥン-
-ビビッ-
「この程度の防衛網など!」
-バチュゥゥン-
-ゴォォォォォ-
「うお!?」
光牙はブレイドクラネオンVの脊椎シートとVNWSから流れてくる情報を整理しながら呟き、敵ZWの55.6mmアサルト・ライフルや74mmリニア・ライフルの弾をすり抜けるようにして回避し、脚部超電磁蹴加速装置を作動させて一気に間合いを詰める。
「むぅん!」
-バシュゥゥ-
「串刺しになんな!」
「………」
-ヒョォッ-
NEエクスオーブレイドによる電光石火の抜刀で裏愚椎冴(リグシーゴ)を両断し、大型重突槍を持って待ち構えていた甲型菊池(こうがた・きくち)の突きを回避。
-シャァン-
「な!?」
「ふん!」
-ズバァァッ-
ブレイドクラネオンVが甲型菊池とすれ違った瞬間、NEエクスオーブレイドの刃が一閃。
-ドドドドドド-
-ガゴォォン-
-ズゥゥン-
-ドォォォォン-
次の瞬間には甲型菊池の胸部から上の部分が23mm側頭部リニアを乱射しながら前のめりに倒れ、胸部から上が無くなった甲型菊池が後ろ向きに倒れる。
-ズゥゥン-
-ガシッ-
「オラァ!」
「蜂の巣に…!」
-バチュゥゥン-
「う!?」
「ぬ!?」
味方機のロストと地響きに反応した甲型紅花が55.6mmアサルト・ライフルの銃口を音の方向に向けるが、そこには味方機の姿があった為に一瞬だけ動きを止めてしまう。
-バスゥ-
-バシュゥゥ-
-ズゥゥン-
「うわっ!?うわぁぁ!?」
-ドドドドドド-
-バシュゥゥ-
-ズゥゥン-
動きを止めた一瞬の隙に一機の甲型紅花がX字に斬り裂かれ、直後に55.6mmアサルト・ライフルを連射したもう一機の甲型紅花も瞬時に両断される。
「くっ、敵は何機居るんだ!?ぐあぁ!」
-バシュゥゥ-
-ズゥゥン-
忍者の様に動くブレイドクラネオンVの動きに対応出来ず、甲型紅花は真っ二つに両断される。
「おい!?クソ…どこへ行きやがった!?…敵も結構な手練れじゃねぇか…!」
-ズズズズ-
-ズゥゥン-
「何ぃ!?」
ブレイドクラネオンVの姿を探して動いた途端、後続の甲型紅花の上半身がずり落ちる。
-ボォォン-
「クソッタレ!敵は何処にいやがんだ!?とにかく本部の守りを固めろ!敵が来るぞ!」
甲型紅花のコクピットを射出しつつ、傭兵は叫ぶ様にして増援を求める。
-ビシュゥゥゥン-
「………」
大通りに出た途端、ビームがブレイドクラネオンVに迫るが、光牙は咄嗟に反応して回避する。
しかし…
「む…!」
-バチュゥ-
-ガキィィィィン-
-ググググググ-
「ち、腕を上げたじゃねえか、黒いZWのパイロットさんよぉ!」
ブレイドクラネオンVの切り払いと波返しに驚きつつ、親鸞は競り合う。
「…舐めるな!」
-キュゥゥゥゥン-
-バシュゥゥ-
-ガラァン-
-ズゥゥン-
「クソ!甲型紅花じゃ動きが重過ぎる…!」
ブレイドクラネオンVの圧倒的なパワーと両刃型プラズマ・シュナイダーの高出力は甲型紅花の日本刀型プラズマ・シュナイダーを容易く両断し、間一髪で間合いを取った親鸞は冷や汗をかきながらぼやく。
「むぅん!」
-バシュゥゥ-
「なぁっ!?チクショォォォ!!」
-ボォォン-
親鸞の甲型紅花は、ブレイドクラネオンVの超電磁蹴加速装置による電光石火の踏み込みと抜刀に対応出来ず、瞬時に両断されてしまう。
「小此木さん!コッチでさぁ!」
-ブロロロ-
「黒いZW!次会ったら覚えてやがれよぉ!!」
「小此木さん!そんなことしたら危ねえですよ!」
「うっせー!捨て台詞だ!さっさと逃げるぞ!」
両断される瞬間に脱出に成功していた親鸞は、味方の装甲車に回収され、中指を立てて叫びながら逃げていく。
「……」
捨て台詞を吐きながら去っていく親鸞達を光牙はさして気にも留めず、ブレイドクラネオンVを加速させる。