悪友から唐突にメールが来た。“LINEもアドレスも変えたなら変えたで連絡しろってんだ“、正直ヒヤッとした。だって君、大学生活充実してたみたいだし私の変わりになる人間は見つけたって言ってたじゃないかと。お前は広い世界と沢山の人と関わりを持っているかもしれないけれど、私には閉鎖的な世界に限られた数名としか関わりがないから、関わりのある人間の姿がどれほど大きく意味のある物かきみは分かってないんだよ。私は誰かに依存したくないし、悪友自身依存されたら面倒だろうと思ったから、私は悪友からそっと逃げたのに。気まぐれに手を差し伸べないで欲しい。いっそ私を忘れてくれ。メールはまだ返せてない。一番アイツが私によく似ていて、私のダメな部分含めよく知っていたように思う。普段は自己中心的でジャイアンのくせに、自分でも分かるくらい私に優しくて。きっとアイツは自分を私に重ねていたのかもしれない。私もアイツには友人の中で最も心を許していたのもまた事実。でも状況はもう変わっているわけだ。唯一無二の存在ではなくなったのなら、私の存在意義はなくなる。悪友もよく“必要とされてるのが俺の存在意義だ“って、言っていた。私も同じ。必要とされてるのが存在意義で、君や他の友人達から必要とされなくなったら、存在意義がなくなる。社会的には最早死んでるも同然だけど。だから、先に手放される前に、私が手放した。自分が傷つくのが嫌だから。最低だけどさ。私は悪友がした事は許される事ではないかもしれないけれど、それを許せるだけアイツを大切に思っていたりする。だから、迷うわけで。アイツが私に与えてくれたものは、正直片手じゃ足りない。我ながら都合の良い世界観だと思う。それだけ恩も感じているし、大切に思ってる。だからこそ、壊れていく自分を見せたくないように思う。思い出の中で色褪せて死んでいく方がよっぽど良い。悪友の描く私はどんな私なのか分からないけれど、これ以上悪い一面を見せて嫌われたくない。頭ん中ごちゃごちゃして気持ち悪くなってきた。葛藤。