※原作本と内容は多少異なります。
※(フレユリパロ)長期連載
※1の続き。
-------------------
モンスターキャンディー
【第2話】
「ようこそ星城学院へ、ユーリ・ローウェルさん」
あのあと俺は、屋上でのことをなかったことにして手続きを済ますために校長室にいた。
「…はい。」
「うちの学院は伝統ある学院です。特に厳しい規則はありません…
が!!」
すると校長は突然手を机にバシッと置き、強調するように声のトーンあげた。
「一つだけ…絶対に守ってもらいたいことがあります。」
校長は額に溜まった汗をハンカチでゆっくりと拭きながらいった。
「これは国家的機密です!!必ず守ってください。」
いきなり国家的機密などと話しだした俺はびっくりして目を丸くした。ゴクリ、と舌に溜まった唾を一気に飲み込んだ。
「は、はい…;」
国家的機密ってなんだよ……;
「…………ウチの学園には宇宙人がいます…」
…………!?
はぁ!?、とそのまま言葉を顔をだしたような顔つきをした。いきなり何SFを語りだすんだこのハゲおやじは…と心の中で激しくツっこんだ。
「う、宇宙人!?;」
「そうです。混乱をおさえるため、公表してないだけで…」
そうゆうと校長はまた汗を定期的に拭きながら静かに語りだした。
「地球にはエイリアンが来ていて、今 国連と話し合いをしているのです。彼らは羽を持ち、空を飛び、人の血を吸って生きるという。ラキュラ星のラキュラ族…そして我が校にいるそのラキュラ族の生徒の名はフレンです。」
―…突拍子もないことを次々と語られ頭と目がぐるぐるしてきた。
それにしても…あの羽のあるやつ…いや、宇宙人か。あいつ…フレンって言うのか…ん?、待てよ…
ばっ
「その人、飛ぶんですね?手品じゃなく!;」
「?え、あ、飛びます飛びます!!;」
校長はまじまじと目を見つめていう俺に何故か顔が赤くなっていたがそんかなことはどうでもいい。…よかった、それなら……あいつ死んでないかもしれない!!
ホッ
校長は急に目を輝かせた俺をちょっと不審そうにひくつかせみせた。
「こ、コホンッ;…血は吸われても無害ですから、彼とも仲良くやっていってくださいね。」
「…は、はい!……って、ゆーか、俺は男だから…血を吸われるとか関係ないんじゃ」
俺がキョトンとしていると校長はいきなり肩に両手をガシッのせてきた。
「……まぁ、普通の男子生徒なら…でも、あなたのような綺麗な容姿の方は…要注意を。」
いきなり表情の変わった校長が少し怖かった。
そうか…
宇宙人だったのか…じゃぁあれって、単なる「お食事」だったってわけか?だからって仲良くできるとは思えねぇけど…
-----------------
「では、転校生を紹介します。」
ドキンッ
「…ユ、ユーリ・ローウェルです。よろしくお願いします…」
内心心臓ばくばくの中、いつものポーカーフェイスを保とうとそっけなくあいさつすると、クラスは女子からは黄色い声がわいわい聞こえ、男子からはぶすくれたような声が聞こえた。
まぁ…あいさつはこんな感じでいいだろ。
小さく会釈すると担任教師が指をさしていった。
「じゃぁ、ローウェルさんはあの席へ…」
はい、とまたそっけなく返事をすると指をさしている方向の席をみて俺は言葉を失った。
――ガタッ!!
宇宙人が隣ィィィ....!?!
俺の顔は一気に青ざめた。つーか、やっぱり生きてたのか―…少し安心もあった。が、
まさか…さっきの宇宙人が同じクラス…しかも隣の席…;。当の宇宙人は俺の方を無言でじろじろと見てくる。
授業が始まるとヒソッと隣から声が聞こえきた。
「『さっきはよくもいきなり殴ってくれたね…にこっ』」
笑ってはいるが目が本心ではない。
「『あ、あれは!;殴ったんじゃなくっ慌てたら肘が入っちまっただけだ!!;』」
「――!そこの!!授業中は私語をつつしむ!!」
「は、はいっ;」
ちッ、こいつのせいで…俺はまた睨みつけた。
「あのさぁ、話しかけてくんなよ…、だいたい血なら女子のを吸えよ、男の血なんて気色悪ぃだろ、さっきの見ると、吸われたがってる女子いっぱいいたみたいだし…とにかく、俺に構うなっ」
俺はいいたいこと全てをいってみた。すると宇宙人は俺を一瞬キョトンとした目でみてこういった。
「それはムリっ…だって、君は黄金律だから。ほかの血と全く比べものにならないんだよね…」
はぁ?教科書で顔を埋めながらそういった。
午前中の授業が終わると、予想どおり女子が宇宙人の周りに群がってきた。
「ねーねっフレン〜そろそろお昼でしょ?」
「今日は誰の血を吸うの?」
「ん?」
するとその現実を何気なくみてた俺の方をじっとみてきていきなり机の方まで一瞬で移動し、首を腕で絡めてきた。―…!?
「今日は、転校生さんのがいいなっ」
語尾にハートマークでもつけたようないい方でそういってきた。
「――はぁぁっっ!?」
女子が「ありえない」といった口調で声を揃えていった。
おいおいっ!!;
「〜〜っ!!なんでだよっ、普通のこいつら(女子)と普通の俺、何が違うって言うんだよ!?」
俺は絡められた腕をいやいやと振りほどきながら叫んだ。
「それが大違いなんだよね…」
囁くようにそういうと宇宙人、フレンは一度強引に絡めた腕を解放すると静かに窓に両肘をつけて、窓が背中になるようにこちらに目をむけて語りだした。
「君の体は“黄金律”っていってね、完全に左右正対称の肉体で…そーいう人を食べると、とっても美味しかったり、物凄く延命したりと、とにかく他のと全く比べものにならないくらい特別なんだよ。」
「〜〜!?」
な、なんでそんなのがよりによって俺なんだよ…悔しそうに顔をしかめていると、
「ねぇっまたちょっとでいいから嘗めさせて?血は吸わないからさっ」
「っ―!;絶対ェヤダっ!!」
つーかどこ嘗める気だっ
「じゃぁ髪の毛一本ちょうだいっ☆」
「髪の毛食うんじゃねェェェ〜〜!!!この変態っ」
その時、まわりの女子数十名が…嫉妬で怒り狂っていることに、俺は気づきもしなかった。
第二話完
_________
next≫あとがき