あちらの方からあの方のお母様を通じて連絡がありました。
話したい事がある、と。
あの方は激怒して、連絡を一切取る気は無いそうです。
…まだ、まだ諦めていない事を喜んでしまうわたくしはいけないんでしょうね。
連絡を取ってしまいたい。
鏡夜さん……貴方の声が、聴きたい。
…けれど、裏切ってあちらの方に連絡をしてしまえばわたくしは……どうなるんでしょう。
消されてしまうんでしょうか。
…でも、でも…!
鏡夜さん、鏡夜さん…っ。
舞羅。
あの子がガトーショコラを作った時の材料に、生クリームがありましたの。
けど、せいぜい50mlくらいしか使ってなくて。
昴ちゃんが、全部使ったれ!って生クリーム全部泡立てたらすごい量に。(笑)
舞羅ちゃんがガトーショコラと一緒に生クリーム添えてましたけど、それでもいっぱい残ったんですの。
勿体無いし、未来が食べますの!って食べたんですのね。小さめのボールに半分くらいの生クリーム。
始めは久しぶりの甘い物にテンションが上がって、美味しくいただきますって食べましたの。
…けど、のえるちゃんが一緒じゃない。
『すごーい!これ全部のえる達が食べていいの!?
美味しいね、みっちゃん!』
そう呼んでくれる声が、無い。
そう思うと、美味しいはずの生クリームを食べる手が止まりましたの。
悲しくて、寂しくて、胸に大きな穴が空いて。
ずっと、表に出る機会が無かったから…ただただ、時間が過ぎて行く感覚。
未來には、あの子を守る義務がありますの。
だから、幸せな夢に浸って眠りに逃げる事は…出来なかった。
でも、表に出た途端…苦しくて、悲しくて、切ない気持ちがいっぱいいっぱい溢れて来て。
ねぇ、のえるちゃん。
未來は、未來はのえるちゃんが大好きなんですのよ。
ずっとずっと、好きなんですの。
愛してる。
声が、聞きたい…。
みっちゃんって、呼んで欲しい。
のえるちゃん、のえるちゃん…っ!
未來にはのえるちゃん以外、いないんですの。
ずっとずっと、きっとこのまま…のえるちゃんを好きでいると思いますの。
ねぇ、のえるちゃん。
…あなたの中に、まだ未來はいますか?
未來。