昔、怒りに荒れた灼叉達を
大きな鋏を掲げた男
金糸をふたつに結わえた女
雪のような外套を纏った青年
唐服に身を包んだ少年
自らを神を狩る者、と名乗る者達が沈めたという。
そして今、再び灼叉が現れた。
「クッソ……」
「カイザー、回復錠はあルノかイ?」
「今ので終いだ」
「悪夢、ね」
「最悪、差し違えるか」
カイザーが、タワーシールドを構えた。その時。
「先輩!!」
「お待たせしました!!」
「お前ら……」
「助太刀に来たッス!」
「困った時は、お互い様ですよ」
「ふん、やるじゃない」
「感謝感激、だネ」
「その勇気、認めてやる」
――さあ、魑魅魍魎を散らそうか。
「こんな話、あったんだ」
鐵は本を棚に戻した。
「百鬼夜行ねえ……新型荒神だったのかなあ」
「クロガネ! ブリーフィング始まるわよ」
「はーい」