話題:今日見た夢
こんな時間に書くのもおかしいですが、なんていうか…話が少し進んだ感じ。戦闘パートはなかったかも。


トカゲ型魔禍獣を撃破してから数日後。鼎は本部からそこそこ近い東京都某所にある某アパート(通称:ゼルフェノア寮)へと帰っていた。


鼎は数日間休んでろと宇崎から言われていた。
魔禍獣戦で対の刀の盲点が露になったことから、宇崎は鼎の対の刀についてさらに調べたいと申し出た形。


本部では司令の宇崎が鼎から対の刀を借りている。

数日前の魔禍獣戦にて。アーマードシステム発動下にもかかわらず→対の刀はイレギュラーな事態になり、システム補正が効かず→鼎の身体の負荷は通常の倍になったと知らされる。

戦闘時、イレギュラー発生により鼎は尋常じゃない体力の消耗をしていたことになる。


この事を知った宇崎は、対の刀を改めて調べることにしたわけで。
本部研究室では宇崎が対の刀を慎重に分析。手袋を履いて厳重に刀を扱ってる。


宇崎の研究室には助手がいないため、本部隊員の空操(からくら)と桐谷が助手のようなことをしてる。

「室長、なんでまた鼎さんの刀を分析しようなんて思ったんですか?」
空操は何気に聞いてる。宇崎は真顔で淡々と作業しながら答えた。

「空操も桐谷も聞いてるだろ?数日前の魔禍獣戦」
「あぁ…鼎さんがかなり危ない状況になったかという戦闘ですよね」
桐谷が反応する。
「晴斗の剣と鼎の対の刀はまだわからないことが多い。鼎はまだ病み上がりだ、あいつを休ませるついでにこっちではイレギュラーな事態が発生しないようにする必要があるんだよ!」


アーマードシステムのおかげでトカゲ型魔禍獣は倒せたが、禹螢は目的のためにあえてあのデカブツに襲撃させたように見える…。


「桐谷〜」
「なんでしょうか」
「晴斗をここに呼んできてくれないか?あいつにはちょっとばっかし用があるが、今は手放せないからね」
「わかりました」


しばらくしてから晴斗が研究室に来た。

「室長、なんですか?俺に用って」
「お前、鼎の家わかるか?」

「鼎さんの家?わからないですよ。なんとなく場所は聞いてますが、ゼルフェノア寮でしょ?」
「そ。晴斗〜お前今から鼎んとこ行ってくれないか?あいつの様子が気になる。鼎は病み上がりだが、無理している可能性もあるからな」
「電話かラインで近況聞けばいいじゃないですか」


「鼎はああ見えて寂しがり屋なの、知ってるだろ。彩音はちょくちょく鼎んとこ行ってるから、鉢合わせするかもな〜。とにかく顔を見せてやれ」
宇崎はゼルフェノア寮への手書きの地図を晴斗に渡す。晴斗は地図を見る。意外と本部から近い。

晴斗は研究室から出ようとした。宇崎の声がする。
「鼎の刀、あと2日くらい借りるからゆっくり休んでなと伝えてくれよ〜。それと晴斗、鼎に何かあったらすぐに連絡しろ」
「わかりましたよっ」


東京都某所・ゼルフェノア寮。彩音は鼎の部屋を訪ねていた。何回もインターホンを押すが、反応がない。

おかしいなぁ…。彩音はドアをノックしながら話かける。
「鼎!鼎!?いるんでしょ!?ドア開けて欲しいんだけど…」
少ししてから鍵が開く音がした。その後、不自然な音が聞こえたような気がした。彩音はドアを開ける。そこには壁に寄りかかっている鼎の姿が。かなり辛そう。

「鼎!?どうしたの!?」
彩音は慌てて部屋に入る。

「おかしいんだ…。まだあの戦闘の影響が出ているんだよ。病院に行った方がいいのか…?」
「どういう…こと?」
彩音は鼎を連れて廊下から部屋へと行く。なんとかリビングに着いた2人。彩音は鼎を座らせる。鼎の様子は少しおかしい。

「あの魔禍獣を倒した後、私は搬送された。あの時はまだ良かったんだ…。消耗が激しすぎただけで。問題は病院から帰ってきてからだ。対の刀に触れたとたんにまた私の身体に異変が起きた」
「異変!?」
「原因不明の熱にうなされた。熱はすぐに下がったが…。対の刀が気になり、私は刀を室長に預けたんだ。改めて分析して欲しいと。刀を取りに行かせてな」

「それで鼎は休んでいたんだね…。鼎、仮面外したら?ものすごく辛そうに見えるよ」
「いや…いい」
鼎は無理してる。彩音はそれを感じとった。


「鼎さーん!いる?俺だよ」

この声は晴斗!?鼎は晴斗の声に反応した。玄関へと向かった鼎は晴斗の声を聞き、少し元気が出たらしい。


晴斗は彩音と鉢合わせ。鼎から詳しい話を聞いた晴斗はすぐさま宇崎に連絡。
「対の刀に触れてから原因不明の熱が出てた?晴斗、今の鼎の様子は?」

「まだ少し様子がおかしいというか…辛そうにしてます。まだ外に出たくないって。刀まだ借りる話はしましたよ」
「鼎は病み上がりなのもあるが…。な〜んか引っ掛かる。もう少し、刀を調べさせてくれ」


一方、群馬県某町・ゼノク。蔦沼は本部へと行く準備をしていた。

「宇崎からヘルプ来たからこれから僕は本部に行くが、西澤はゼノクを頼んだよ。まぁ何もないと思うけどね。あの特殊なシールドとシステムは起動させてあるからな」
「長官、本部行っちゃうんですか」
「一時的ならいいんだが、場合によってはしばらく本部に滞在することになる。紀柳院の対の刀の盲点が露呈したのはマズイかもしれない」

対の刀の盲点!?

「…と、いうわけで行ってくるよ。ゼノクに何かあったら…なきゃいいんだが」


東京都某市・ゼルフェノア本部。宇崎は蔦沼の到着を待っていた。

「長官〜。すいません、ヘルプ出してしまいまして」
「いいのいいの。早いとこ研究室に行かないと。紀柳院の状況聞いたら早急に原因特定する必要があるだろ。対の刀をね」


ゼルフェノア寮・鼎の部屋。晴斗と彩音は鼎を寝かせることに。明らかに調子悪そう。
「鼎…寝ていた方がいいよ…」
「彩音…今までこんなことは1度もなかった。武器に裏切られた気分がする」
「そんなはず…あるわけ…」

鼎の対の刀は主である鼎を守るために戦闘中に、鼎をアシストすることがあった。対の刀には意思があるのか?


「よーし、いい子だ。大人しくしてるんだよ」
蔦沼は対の刀に話かけている。まるで動物を相手にするように。蔦沼は浄化型の刀を見て何かに気づく。

「紀柳院の不調の原因はこの刀だな」
「えっ!?もうわかったんですか!?」
「あの戦闘、柘植は紀柳院に浄化型の刀の発動を強化出来ないかと言って→強化させたが。この刀には強化は不向きなんだ。だから対の超攻撃型の刀が発動強化の役割を担っている。この対の刀は絶妙なバランスで保っているんだよ」
「鼎が不調になったのは…」

「対の刀のバランスが崩壊したんだ。一時的なものだから紀柳院は回復する。あと2日くらいはかかるけどね」
「長官、まだ帰らないですよねぇ?他にも目的があるんでしょ」
「宇崎、お前なぁ〜。敵の標的はこの首都圏に変わったから、嫌な予感がしてさ。禹螢達はまだ本格的には動かないと思うよ。こないだの魔禍獣はカマかけただけに過ぎないからね」
「あれ?長官、義手…変わりました?」
宇崎は蔦沼の黒い義手の手の甲に紋様があることに気づいた。よく見ないと紋様はわからない。

「対禹螢用に作っていたんだよ。やつはかなり強いからな」