スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

なんて無力か…





先日、店長と面談があった





…私には、こんな世界がとてつもなく、生きづらく感じる。



どうすれば、私は誰かに、会社に、必要とされる人材となれるのか
さっぱりわからない。


だって私は、ずっと価値のない
ただ流れるだけの存在だったから。




流れに身を任せる事が、どれほど楽だったか



自分の無力さを、思い知る毎日。




あぁ…変えた薬はやっと私の身体に効果を出した。

それも耐性がつくまでのものだろうけれど。



この世界では、やっぱり私は無力で非力で脆弱だ。


あの人は、私はやっぱりあの世界が似合う、と笑う。






あぁ…どうすればいいのか、わからない

通院。





月に一度の通院。




貰う薬はいつも変わらない…筈だった。



「最近どう?落ち着いてるかな?」


そう聞いた医師に、

「いえ、全く。
一週間も経たずに再発します」と答えた私。



そんな私に医師は難しい顔をして、考える仕種をした。



きっと、あの処方で落ち着く筈だと、あの医師は踏んでいたのだろう。


しかし、一向に治まらない症状。



寧ろ、症状が出る頻度が増えた。


その事実に首を傾げる医師。




医師が学んできた医学なんて、所詮は"だいたいの患者はこの処方で治まる"というあやふやなものだ。


全員がそれで治まる筈もないし
それより少ない薬でも長い期間、症状が出ない人ももちろんいる



私が、医師が学んできた医学の常識から外れていた、ただそれだけ。





しばらく押し黙った医師は、暗い表情のままようやく口を開くと

「…薬を変えてみましょうか
ただ、今の薬よりも量が増えますし、保険がきかないので今までとは桁違いの料金になりますが…
とりあえず、二週間分出してもいいですか?
それなら今回の料金はあまり変わらないはずです。これで効果があるようなら、続けて
ないようなら、元に戻しましょう。」



これが、最後のカケになるのだろうか


医師は、効かないなら元に戻す。と言った。


次の手を、提示しなかったということは、もう…他に手がないのかもしれない




「わかりました…二週間後に、来ます。」


新しい薬への期待よりも
もう他に手がないのだと、暗に言われたことに絶望した。



経った二週間分。
それで一ヶ月分の料金になった。



この身体は、本当にお金が掛かる。



母に、私用の保険証を作り替える手続きをしてもらったが、一ヶ月経つのに未だに私の手元に届かない…


聞いても曖昧な返事が返ってくるだけ。



あぁ…不正出血もしていたから、他の病院に行かなきゃならないのに…






身を削る思いで、働いた給料は今のところ殆どがその削った身体を治療する医療費。




こんな繰り返す日々に、意味はあるのだろうか…



いっそ、誰か終止符を。

錯乱。







きっと、色々私の中のなにもかもが、壊れてた。




きっと、ずっと前から壊れ始めてて…それに気付かなかった。



だから


叫んだ。泣き喚いた




ごめんなさい
ごめんなさい
月、いい子になるから


って。



だから、要らないなんて言わないで


って。




落ち着けって何度も言われて、体押さえ付けられて、やっと正気になった。




悲しく、なった…



嗚呼、私、こんなに壊れちゃってたんだ…って







ねぇ…いい子じゃなかったら、月は要らない子?



だからお母さんは私を抱きしめてくれなかったの?


だからお母さんは、いつも私に「お父さんの所に行きなさい」って、お姉ちゃんだけ側に置いて言ったの…?



ただ、抱きしめて欲しかった

ただ、私を見て欲しかった


お父さんに。って投げ出さないで欲しかっただけなのに。





いい子って、なに?

堕ちた人間




どうなってもよかった。


なにも怖くなかった。



今思えば、あれは自棄になっていたんだと思う。




今でも、時々私の前に現れるあの人は、言う


「相変わらず、死んだ魚の目をしてやがる」って。少し嬉しそうに笑って言う。



きっと彼は、嬉しいのだろう…



"堕ちた人間は、自分だけではない"ってね…




体調が悪くて寝転ぶ私の髪にそっと触れ、言う。


「相変わらず、綺麗な髪だな」って。



この髪だけは、私に残された唯一の綺麗な部分。


病に蝕まれたこの肉体は、きっともうダメ。綺麗なんかじゃない。

見えない部分で、壊れ始めている…



様々な薬の服用。


それでも治まらない症状。

それに加えて副作用。



動けるようになるようにする薬を飲んで、治らず副作用に苦しむ…一体、なんの為に飲んでいるのかわからなくなり、なんだか笑えた。



あの人に聞いた

「ねぇ、月がまともになったら寂しい?
月がいなくなったら…お前は泣く?」



きっと、弱っていたせいだ。だからこんな事を言ってしまったんだと思う。


そしたらあの人は


「泣いたりしないが…寂しくなるな、いなくなったら。」






充分だと、思った。


私が死んだとしても、ここに一人は確実に消えた私の存在を寂しいと、思う人間がいたのだから…


母親にすら、愛されなかった私の存在を、認めてくれる人間が少なくとも一人はいた。




私の病は、死に至らぬ病だけれど、人間はいつ死ぬかわからないのだから。

"あの坂を越えれば



海が見える"




いつだったか、教科書に載っていた小説の一節。



作者も作品名も、何一つ思い出すことは出来ないけれど…



辛くきついことも乗り越えれば
それに見合う報酬が得られるのだと、そういう意味を持つその一節に惹かれた。




その時の私は、きっとなにも知らなくて…きっと本当の"辛い"ということも味わったことはなかったはずなのに。





死に至らぬ病。


しかし、完治することはなく

死ぬまで付き合っていかなければならないという事実に、私は今日も苦しむ。



いっそ、死に至ればいいのに…

終わらぬ苦しみから、解放されたいのに



私が、天寿を全うするまで、きっとこの病は私を苦しめるだろう。





何故、私が…


そんな気持ちでいっぱいになる


一体、私が何をしたというのだと、居もしない、神とやらを罵倒する。






この病は、終わりのない、坂だ。



堪えて、苦しんでも、海は見えぬ…



終わりのない、坂だ。
前の記事へ 次の記事へ