帰郷した。
お休みだから帰ったのではなく、しばらく故郷で生活するつもりで帰郷した。
まあ今回の道中の話はとりあえず置いておいて、二年ほど前に帰省した道中から学んだことを綴りたいと思う。
約二年前、帰省の手段として電車を使用した。
いつもは新幹線を使用して5時間ほどでビューンと帰っていたのだが、日中の殆どの時間を捧げてすべて電車で帰ってみようと思ったのだ。
その理由は単純に2つ。
1つは、節約のため。青春18切符が使える時期だったので、3500円で帰省することができたのだ!(ちなみに、新幹線だと片道2万程かかる)
2つは、青春18きっぷを使用して故郷から遊びにきた友人が「1回やってみると良いよ〜」と勧めてきたから。
まあ、大した理由ではない。
なんだかんだで、なんか面白そうだからやってみよ!話のネタにもなるし!と思ったのである。
早起きして、始発の電車に乗って出発した。
私は妄想していた。1日のほとんどを電車に乗ってすごすのだから、何か面白いことが起こるだろう。
電車が遅れるとか(これはちょっと本気で困るかもしれない)
痴漢の逮捕劇が見れるかもとか
隣に座ったおばちゃんと面白い話ができるかもとか
変なおっさんに話しかけられるかもとか
色々考えて、道中の気持ちの変化を書き記しておくためにノートまで買っていた。
結論から言うと、5時頃の始発から20時半頃に実家の最寄駅へ付くまでの間、何ら変ったことは起こらなかった。
痴漢の逮捕劇はもちろん、電車が遅れることもなかった。
実に安定した、平凡な旅であった。
思い出をピックアップするなら、大阪でちょうど通勤ラッシュに巻き込まれて精神が死にかけたり、岐阜あたりのローカル線で小学生男子よろしく先頭車両でワクワクしながら進行方向を眺めたりしていたことだろうか・・・。
とにかく、特出した何かは無かった。
今回の帰省は2泊3日しながら、車で高速道路を使用したので、人生で1番の大きな旅になった。
11時間ほど車を走らせれば帰省できるのだが、教習所以来高速道路を走ったことがなかったため、1日で自動車を運転するのは4時間程度にしようと決めて計画したのだ。
結果としては、今回もとても安定した旅であった。
寄り道しながら、生きて帰った。
大して大きな寄り道はしてなく、2日めに寄った名古屋城がテンションのピークであった。
歴史は大の苦手で興味もあまりないのだが、お城には興奮を覚える。城フェチ・・・というよりは、たぶん建築物に興奮を覚えるタイプなのだ。東京駅も大好きだし、なんなら大工さんがお家を建てているのを眺めるのも大好きだ。
何が言いたいのかというと、私の人生はこんなものである。
大きな楽しいイベントはあまり無い代わりに、命に関わるほど大変なイベントも起こらない。
痣や擦り傷などの小さな怪我は頻繁にしてきたが、入院するほどの病気や骨折はしたことがない。
願わくば、このままぼんやりと多くの人が歩んでいるそこそこ幸せな人生というものを歩んでいってみたいものである。