センスっていうか。
ひとにはひとなりの感性があって、良かれとしているものがあって。それを上手く表現出来るかっていう技術、それがセンスなんだと思う。
だからわたしがしている勉強は、センスを磨いていることになるんだろうな。伝えたいことをその絵で表すために、見せたいところをよく見えるようにする。明度や色相や彩度、粗密、構図を調整したり。それがいかに効果的であるか、によって絵が評価される。
たとえば、「揺蕩う水のイメージ」を表現したいと思ったときには、まず、絵に描き表しやすくするためにそのイメージをより明確にする。「深海で」と場所を決め、「ゆらゆらとゆれる」と擬態語を使って想像し、「海藻」と具体的なものを設定したり。すると、「深海」としたことによって青い色を使うこと、「ゆれる海藻」としたことによってやわらかな曲線を描くこと、「ゆらゆら」としたことによって曲線のリズムが決まる。こうした要素を絵にすれば、最初に設定したイメージを表すことができる。
そうやって、上手くやれればいい。それでもひとに気に入ってもらえないこともあるかもしれないけど、それはもう感性の問題だから。感性とはそのひとにとって絶対的な価値観であり、他人に理解を求めなくてもいい。好きなものは胸を張って好きと言える。それはひとには否定できないものだから。
のに、ね。

とりあえずまあ、好きなものを好きにしてもいいんだから、より良くするための勉強さえしていればいいんじゃないかな、っていう。