話題:もう、嫌だ。



時々、無性に腹立たしくてたまらなくなる。
怒りで身体中の血がスッと冷えて、身体が震えてくる。



昔自分がされたように、ボコボコにぶん殴って、何度も蹴りつけて、蹴飛ばして、針で身体中刺してやって、散々痛め付けたら気分は晴れるのだろうか。


立ち直れないまでに責めて、馬鹿にして、お前になど生きる価値すらないと、口汚く罵ったら気分は晴れるのだろうか。




そうして、同じような人間になるのか。





私がそれをしないのは、暴力を振るうのが恐いからではなく、許しているからでもない。


触れるのさえ嫌なくらい嫌悪しているからだ。

汚らわしい、あの身体に触るのが嫌だからだ。






あのような人間と同じ血が流れている私は、それだけで人として終わっている。

生まれ落ちた瞬間から終わっていた。



同じモノにはなりたくないと願っても、似たモノにはなっている。


嫌で嫌でたまらないのに、身体中の血を抜いたって、他人にはなれないのだ。





理性で自制が出来ているから、私はまだ人でいられるだけで、もし自制不能なくらい憤ってしまったら、あいつらと同じように感情の赴くままに行動してしまったら……


きっと暴力だけでは済まないだろう。いよいよ、殺してしまうかもしれない。



空想の中で、何度も何度もそうしてきたように。







これ以上、私を追い詰めるな。





私が生きる為に、生かしてやってるだけなのだから。