猫と哲学

もう駄目だ。
近付きたいのに近付けない。
遠回しな表現もそろそろ此処まで。
貴方と離れるから
こうやって言えるのかもしれないけど
貴方だからこそ
言えるのかもしれない
何時だって見ているだけで良かった。
今までずっとそう
好きだと思う。

貴方に伝えたい。
伝えようか悩んでる。
これじゃ貴方の思惑通り。
悔しくて、ただ、惹かれる。
恥ずかしいとかじゃなくて
嫌われてるとかじゃなくて
伝えなきゃいけないかなと思うのは
貴方だから。
皆に知られても良いと思うのは
貴方だから、良いのかなって。
少しは貴方の気持ちも気になるけど
私は言った方が良いのか悩んでる。
初めての告白。

言っても良いのかな？

気持ちが揺らぐ。
勝手な事して勝手な事考えて
私の傷が入った心を掻き乱さないで。
私はそんなに強くない。
不意に優しくしないで。
急に冷たくしないで。
そんな無責任な貴方。
好きでムカつくと言いたい。
急に抱きついて驚かしてやりたい。
好きとか言いながら大っ嫌いと無茶苦茶な事言って困らしてやりたい。
貴方、無責任なんだもの。
私も貴方に同じ様にして
人の気持ち考えずに
貴方と同じ無責任な人になりたいわ。

クルクル回る。
貴方と居ると世界が回ってる様に感じる。
綺麗な獣の瞳で見つめられ
気がおかしくなりそうよ。
こんな気持ちもいつかは終わるかしら？
だって叶うこともないストーリー。
貴方と私じゃ此処まで。

魅力的な貴方。
その自信があれば誰だって貴方に近付きたいと思うわ。
私は貴方を近付かせたいけど
そんな自信は何処にもない。
私の獣はただ貴方を見ているだけ。

息の根を止めさせて。

勘違されても良いの？
皆が居る前で好きなんて言葉、私に向かって言うなんて馬鹿な人ね。
そんな言葉で私の心を動かしたって
私は貴方を好きにはならない。
私、怒ってるのよ？
俺は私に嫌われてると皆に言い触らして
私にどうして欲しいのか分からない。
ねぇ？
この駆け引きは私の勝ちかしら。
だって貴方、好きになって貰いたいって言ってる。
駄目よ。
貴方は他の人のモノ。
私じゃ奪い取れないわ。
私の負けかしら？
私は貴方の事なんて嫌いなんだから。
嫌いじゃないと保てない。
もし、勘違いであれば
私を奪い取って抱きしめて。
これが勘違いなら…

ほら、私が間違ってたみたい。

冷たい言葉こそ。
崖から落ちそうになる。
それはもう辛い事だ。
落ちてしまったら上へと漏れ溢れ
私は抜け殻になるだろう。
それでも構わない。
貴方に理解して貰わなくても
私は既に壊れている。

無駄な優しさこそ。
目から溢れる物が止まらない。
それがもう辛い事だと。
貴方に理解して貰わなくても
私は既に可笑しいのだ。

本当であれば私は貴方を苦しめたり
同じ辛さを分けて上げたいけど
私には貴方の存在だけが苦しいから
いっその事、落ちて
抜け殻となった私を貴方は知らないまま
普段に過ごしたら良い。
壊れて無くなった私にはもう
失う事さえない落下地点。

だから壊れているのだと。
自分を守りながら生きている。