話題:いや別にすごい大事な話じゃないけどさでもさ誰かに曖昧な返事で聞いてほしいことってあるんだよ、あるんだもんだから、適当に聞いてほしい話


ホテル勤務の話だけど
ここの勤務で
五本指に確実に入るだろうとの衝撃的な衝撃すぎる人物達の出逢い!

それだけ俺も強く精神力を鍛えられたわけで
色々と今も教訓になってる人間ドラマ


俺が働いてたホテル
完全に日勤と夜勤に分かれてる勤務体系で
俺は日勤でフロント業務をこなしていたわけで
夜勤は歳が高めの方々が多く働いていたんだよ

そんな俺
日勤の仕事を終えると
寮から出てきて
真夜中の時間帯に夜勤スタッフが働くフロントへ遊びに行くのが日課で

差し入れしたり
歳が上だから皆さん
息子のように接してくれて自分も色々と勉強にもなっていたんだ

そんな働いてから2週間目の出来事

普段通りに真夜中の時間帯
遊びに行くと見慣れない方が働いてる

小柄な初老の男性で
丁寧な言葉使い
物腰が柔らかい方で

これは、夜勤の主任さんなんじゃないかと?
新人の俺は挨拶をしとかないとって

真夜中に遊びに来てる事も詫び
きちんと挨拶したら

『そんな事は気にしないでよ〜』


ん?
あっち系なのか?
少し戸惑いながらも挨拶を済ませて
その晩は終わったわけ

翌日も真夜中に遊びに行くと
昨日の主任さんが中央に立って仕事をしている姿が

別の夜勤スタッフさん
俺の背後から言う

『加藤さんも昼間に働いてるのに物好きだよな〜』


ん?
んん?


アルバイトなのか?
昼は別に仕事して
夜勤スタッフとして真夜中にホテルで働いてるのか?

その疑問を夜勤スタッフに素直に聞いたら…


その加藤さんと言う方





ラーメン屋の親父




ホテルの直ぐ側で営業している普通のラーメン屋の親父でした

しか〜も

勝手に働いてる有り様で〜

しか〜も

自前かよって


制服が自前かよって!


若かった俺
衝撃的な出来事で頭が混乱して

だって
無断でフロントに入り働くなんて

だって
無断で普通の親父を働かせるホテルの常識に衝撃的で



慌てて聞きましたよ
他のスタッフさん達に


何でも
若い頃、加藤さん
ホテルで働きたくて仕方なかったんだと
だけど夢は破れ
今はラーメン屋を営業してるから
その希望を叶えたくて働かせてるんだと言うじゃないか

いやいや
いやいや
いやいやいやいや

ある意味では理解できるけれど
それは駄目だろうと
外部の人間が働いてる事態で宿泊者も役員連中にも言い訳が出来ないじゃないかと

だけど
だけど
加藤さん




夜勤スタッフより出来る




情けない事に
他の本職である夜勤スタッフより働きが最高で



この勤務体系は
夜勤の人達しか知らない秘密らしく
俺にも口外したら絶対に駄目だからと


翌日


ホテルの近く
加藤さんが営業してると言われたラーメン屋へ行ってみた



店内を覗いたら
加藤さん
ラーメンを茹でてましたが(笑)



俺が辞めるまで
加藤さんは続いた出来事です



夢は諦めちゃ駄目なんて言うけど
加藤さんに対しては
諦めてと強く思いました