陽炎法師


思い出せない 幼すぎた日々
いつからか 朧気な輪郭で
そっと 指先をなぞる様に
見えてきた 過去の中の思い出

忘れたくない 失いたくない
そんな 想いと裏腹に
すり抜けてく 溢れていく
小さく 大きな 光


キミの背中に 重ねた
いつかの日の 守るように
遮った あの広く小さな背中
もう一度 同じ背中に 会わせて

ひどく 肌寒い
秋晴れの日溜まりの街
青い 空の上
ヒトヒラの白い花が 舞う


霞む記憶の中 それでも鮮明に
アナタの笑った 表情(かお)が
今でも ねぇいつまでも
焼き付いて、離れない
まあるい 月に願いを掛けて
想いは 届くと信じた


弾くことなく割れたガラス玉
粉々になったのは 誰の願い?
頼ってすがりついた 幼い日
笑って 赦してくれた人は何処?


見えない暗闇にキラキラ
耀く 星さえ飲み込む
震える瞼の裏側
見続けて 目を背けた その先


どれだけ 強がっても
明るい 日射しの 見えない
そんな 暗闇が 踞っていて
しゃがんだ 身体が
ねぇ 押さえても 押さえても
震えて 泣き声を あげてるの


手を伸ばして その向こう側から
大丈夫だと この手を掴んで
いつもの様に 低いアルトで
安心させる言葉 ください


置き去りにされた 時間に
目を向ける 勇気が
今は 未だに ないのだけれど
いつか そんな思いとは裏腹に
そんな時間の流れに
また染まる日が来るのでしょうか

貴方を忘れる事はなくても
思い出として いつか
笑いながら 少しだけ切なく
穏やかな表情(かお)で
貴方を 思い出して 泣けるでしょうか

さようならの 向こう側に
いつか いけるでしょうか





------------

少し前に書いた歌詞。
ちょっとした鎮魂歌のつもりです。
うーん、精神があり得ない位に沈んでる
と言うか、凄い時間だ。
もうひとつだけ、アップしますよ。