ひさしぶりにつらい夜だな


抱かれた男のことを想って
ちょっと泣いちゃうなんていつぶりかな


別にいまさら
何かを期待してたわけじゃなかったし
その時が満たされてればしあわせで
それが終わっちゃうなら仕方がないから
受け入れてきたつもりで


誰かを特別に想う気持ちなんて忘れちゃってる

つもりだったし

好きじゃなかったつもりなのか

ってそんなのこわい



わたしなんて
一瞬その人を通り過ぎた人間でしかなくて
ちゃんと分かってたよ


それでも特別に想いたかった

身体を許すことも
時間をけずって会いに行くことも
浮き足立って行った美容室も
好みに合わせて選んだ少し可愛らしい服も


彼にとってはそれも
居心地がいい
都合がいい
いつもと違うな

なんて言葉で収まることだったんだろうな


あなたにはいつか
大切な人ができてしまうのかな
みんなに平等に与えてた優しさも
愛も
誰かひとりにだけ、あげちゃうのかな


そんなの当たり前に
わたしが独り占めしたかった

誰のものでもあってもいいけど
誰かのものだけにはならないでほしい




まだつよがりながら会いたいなって思う


わたしの悪い癖をあの日みたいに笑ってほしい




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