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「パレード」吉田修一 感想



感想の前に、久々にブログを書いた理由をすこし。

ブログを離れていた間、Twitterをすごくやっていて、これでとても楽しかったのだけど、
140字、というTwitterの文字数制限はわたしが何かについて「書きたい!」「思いを残したい!」と思うときに使う文字数として いささか少なすぎて、感想らしい感想、レビューらしいレビューはどんどんしなくなっていった(もちろん、色々事情もあってたくさんブログを書いていたころとは環境も変わったので、時間的に書けなくなった、というのも大きい)

けれど、ここ半年くらい日記をつけていて、それが思ったよりも楽しく、良い感じに続いているお陰で、プライベートでも日々インプットしたものを「感想」「考察」「レビュー」みたいなかたちで少しでもアウトプットしたくなってきた。

そして考えたのが、今まで日記の中にごちゃごちゃ書いていた本の感想をMARKSから出ている「Reading Edit」という 読書の感想用に特化したノートにまとめる、というかたち。

今さっき、わたしは記念すべき最初の感想を書き終えたばかりだ。
その作品がこの記事のタイトルにした吉田修一「パレード」
紙に書いて、フゥ、と自分の中でこの作品についてひとつ咀嚼し終えて、さぁ次の本…といこうと思った。
でも、わたしは貧乏症なので、ここまで書いたならこれ誰かに見せたいなーっていう気分になってきた(貧乏性っていうか、自己顕示欲強いのかなぁ…)
そしてピンと閃いた。

久々にブログ書こう!!

短くまとめるつもりだったのに、結局長々書いてしまった。
つまりは単純にがんばって書いたから「誰かに見て欲しかった」

最初からそう言えよ!って自分で自分のめんどくささに辟易したが、そんなわけで、また本の感想書いたらブログ書こうと思います。
良かったらまたお付き合いください。


+++++++++++++++

(本題はじめ)


この作品を手にとったキッカケは、直木賞作家の吉田修一の初期の傑作、と聞いたから。
また、映画の「悪人」がとても好きだったので(ここ数年で「悪人」を超える邦画にまだ出会っていない。ああいう泥臭い、人間臭い映画が公開されて、ある程度興行収入が得られるしくみが日本にあることにちょっと感謝しているくらいだ。あまりにいい映画なので、まだ見ておられない方に広くおすすめしておきたいところだけど、子どもにはわからないと思うので、精神年齢の高さに定評のある方にだけこっそりオススメしたい。主演の妻夫木くんと深瀬さんも素敵だけど、わたしは満島ひかりちゃんと岡田将生くんの演技についてもすごくすごく心に残っている。演出も映像も、役者の演技も、ぴたりとハマっていた。ハリウッド映画には出せない泥臭さ、人間臭さだ)

こんな調子で映画「悪人」について延々と話し続けられそうなくらいには「悪人」が好きなのだけど、実は吉田修一さんの小説を読むのはこの「パレード」が初めてだったりする。
賞を獲った作品だと聞いたし、ペンネームも強面だし(?…最近の作家さんはちょっとオシャレなペンネームが多いので、それと比較して普通っぽい名前ですよねですよね…?)どんな硬い、読みにくい文体かと思ったら、ものすごく軽くて読みやすくて驚いた。

物語の筋書きはこんな感じ。

強い思い入れがある友人同士でも、恋愛関係にあるわけでもない男女5人が狭めのマンションの一室で共同生活を送っている。
大学生のサトル、人気アイドル俳優を恋人に持ち、彼からの掛かってくるのかこないのかわからない電話を待って1日をすごしている琴美、不仲の両親を持ったがゆえに男性に対して暗いトラウマを抱えている未来、男娼のサトル、映画の配給会社に勤める直輝。
共同生活を送るキャラクターの一人称視点が章ごとにリレーのようにつながっていく連作長編の形式で、時系列通り、とりとめのない、本文中の表現を借りれば「まるでチャットルームにいるような」匿名性の高い、誰もが「自分」を演じているかのような日常がつらつらと語られていく。

退屈な小説だなぁ、と9割をだらだらと読んだ。正直、どうしてこれが山本周五郎賞なんだろう?と思った。

ところが、ラストの章で青春群像劇のようだった物語は一転「世にも奇妙な物語」のような「こわい」話だったのだとわかる。

正直わたしは冒頭付近と中間部にあった「巷ではある事件が起きていて、世間を騒がせている」という大きな伏線の存在をすっかりぽっかり忘れていて、最初ラストを読んでも「????」状態だった。
どうしてあの人があんなことをしたのかも分からないし、突然すぎる!と。
でも、作品の9割を前フリに使う大胆な手法と青春小説としてのレベルの高さはすごいと思う。
山本周五郎賞を獲ったのも頷ける、初めて本を読む人よりも数多くの作品に触れてきた玄人にうけそうな、捻くれた魅力のある作品だと思った。

個人的には5段階で3くらいの好き度だけど、読んで語り合いたい部分がとても多い作品なので、気になった方はぜひ読んでみてください。
そして、ラストの感想を語り合っちゃくれまいか。わたしはいま、話したくてウズウズしてるけど、誰もこの気持ちを分かり合える相手がいなくてムズムズしています。ムズムズ。


【山小屋というよりはロッジ風の小さな別荘でさ、何度かドアをノックしてみたけど、中には誰もいなかったんだ。考えてみれば、八ヶ岳といえば避暑地だもんな。で、諦めて駅へ戻ろうと思ったんだけど、ああいうのをなんて言うんだろうな、急にさ、急に『目の前にあるガラス一枚、お前は割れないのかよ』って誰かの声が聞こえてさ、別にどうしてもその山小屋に入りたいと思ってたわけじゃないんだぞ。それなのに、そんな声が聞こえると、なんていうか、入ってみたいような、入らなきゃいけないような、そんな気になるんだよ。もちろんその山小屋が他人の持ち物で、そこのガラス割って侵入すれば犯罪行為になるってことぐらい、頭では冷静に分かってんだよ。それなのにさ、なんていうのかな、今俺は家出中なんだってことに少し興奮してたのもあるのかな、その山小屋の中へさ、もっといえば、見知らぬ他人の持ち物であるその山小屋の中へさ、無理やり侵入してみたいっていうか……、無理やり自分の体を押し込んで、その山小屋自体を自由に動かしてみたいっていうか……、そんなヘンな衝動に駆られたんだよ】


読書家ばとん

読書家様に捧げるバトン


読書家様に捧げるバトン


⇒最近ちっとも感想書けていないですが、ちまちまと本は読んでいます という主張ばとんです(苦笑)



読書家の皆様に幾つか質問をさせて頂きます

お暇な時にでもお答え下さい*



▼まず読書はお好きですか?
⇒大好きです。漫画を読むことの次にすき。


▼1ヶ月に幾らくらい読みますか?
⇒最近めっきりよめなくなって、二週間に一冊くらいになっちゃってます。
ダメすぎる。
昔は一日一冊じゃきかないくらい読んでました。


▼好きな作家の方はいらっしゃいますか?
⇒いっぱいいます〜。


▼では好きな作家の方を全部挙げて下さい
⇒特に好きなのはあさのあつこさん、小川洋子さん、川島誠さん、司馬遼太郎さん、辻村深月さん、中村航一さん、本多孝好さん、森博嗣さん、森絵都さん、三浦しをんさん、村上春樹さん、村上龍さん、山田詠美さん。外人だったらシドニィシェルダンとか。
ほかにもいっぱいいます。


▼何冊くらい本を持っていますか?
⇒そんなには…あ、でもなんやかんやと100冊くらいありますね。


▼どんなジャンルがお好きですか?
⇒青春もの、恋愛もの、ミステリー、歴史…ジャンルはあまり気にしないで読みます。


▼苦手な作家さんはいらっしゃいますか?
⇒うーん…。いないわけではないんですが、あまり言わないほうがいいかな、と。



▼ハードカバー派ですか?それとも文庫派ですか?
⇒ハードカバーが好きなんですが、がさばるのでついつい文庫、って感じですね。


▼読書に欠かせないものはありますか?
⇒特になにも…と言いたいところですが、ふかふかした場所は必要!ソファーとかベッドとか、ふかふかしていればどこでも。



▼読書に最適な場所はありますか?
⇒パソコンを置いているデスクかな…いま、社長の椅子みたいな立派な椅子がありまして、これが本を読むのにいいんですよね(笑)


▼枝折は使いますか?
⇒しおりの代わりに、漫画にはさまってるビラとかを使ってます…←



▼読むのに挫折した本はありますか?
⇒今のところはないですね。私の母は「ハリーポッター」を挫折してました(苦笑)横文字の名前を覚えられないらしいです



▼今まで読んだ中で一番厚い本は何頁ありましたか?⇒なんでしょう…?星新一全集みたいのは百科事典並に重かった。



↑ほしいんですが、三万…orz

分冊されてますが、長かった気がするのは三国志…?司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」もなかなか長かったですねぇ…(面白くてあっという間に読めちゃったんですが)



▼読書から得たものはありますか?
⇒知らない言葉をいっぱい教わりましたね。
活字で言葉を覚えたせいか、私はよく言葉のイントネーションがおかしいといわれます(苦笑)



▼本はご自分で購入しますか?それとも借りますか?⇒借りてきたいのですが、図書館が遠いので最近は買ってますね



▼今まで幾らくらい本につぎ込みましたか?
⇒(笑)わかるわけないじゃないですかー!
漫画をふくめたらもう、大変な額にのぼっているきがします。



▼一番心に残っている本はありますか?
⇒んー、私は一度読んだものは忘れない性なんですが、やっぱり川島誠さんの「ロッカーズ」「でんわがなっている」「800」は印象が強いですね。



▼好きな装丁の絵師さんはいらっしゃいますか?
⇒写真がすきかもしれない。


▼携帯小説ってどう思いますか?
⇒「Deep love」だけ読んで合わないことがわかりました(苦笑)



▼横書きについてどう思いますか?
⇒本として読むのは違和感があるんですが、慣れれば縦書きと同じかなぁ、と。今後は本も横書きの時代になるかもしれないですね。



▼読書の魅力はどこですか?
⇒想像することができるところ。
より深く、人物の内面に潜るような体験ができるところ。
時間も場所も、一気に飛び越えられるところ。
他にもいっぱいありますが、とりあえずこれくらいかなぁ。



▼最後にあなたにとって読書とは?
⇒幸せな時間。
読書は決して内向きな行為じゃなくて、フィクションを通して現実を見つめる手段だと思っています。
とかカッコイイこと書いてみましたが、個人的にはただただ楽しいことです。




ありがとうございました





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「別冊 図書館戦争T」有川浩 感想<後編>



昨日の宣言どおり、「別冊 図書館戦争」感想続編でございます〜。

昨日にも増して甘いぞ!!もう救心が何粒あっても足りないぞ!







■触りたい、触られたい二月

キスはしてるけど行き着くとこまではいってない堂上と郁。
純情乙女純粋培養でここまできちゃった笠原郁(茨城県産)としては、イロイロと複雑。
そんなこんなで、ちょっとしたことでスレ違ってしまってしまっている折、図書館である事件が起こる。


・両親がルスで、堂上の部屋で二人で

たまたま堂上の両親がルスのときに、堂上家に上がる機会があった郁。
いつになく長いキスが終わると、堂上が軽く肩を突いた。支えがなかったので、あっけなくベッドに倒れた。すると頭の横に堂上の手がきて、郁は堂上を見上げる。…ってここまで書いててすごくつらいんですが!!!!
ものすごくお膳立てされた「普通ならこの流れで最後まで」な感じの状況で、寸止めとなったお二人さん。堂上教官の心中お察し申し上げる。この心臓飛び出しそうな距離感が…いろいろとすごいです。


・純粋培養乙女26歳・茨城県産

もちろん「純粋培養乙女26歳茨城県産=笠原郁」です(笑)
さすが柴崎、この農作物のような表記をするとは。うまいです。超無農薬野菜だね、これ。そんな野菜を育てるのは結構大変なわけで。ちなみに栽培者は堂上篤ですね、この表記でいくと。


・男同士の恋バナ

堂上と小牧がお互いの恋愛の進展具合について語り合っております。小牧のほうは「やっと20超えてくれて親公認。たまの休みにホテルとまる」ってな進展具合。ちなみに堂上のほうは、まぁさっき書いたとおり「寸止め」なわけで。
「正直、どこまで手ぇ出していいかわからん」が、堂上の本音なんでしょうね。そして、「怯えて怖がらせて…逃げられるのが怖い」と続けた堂上がなんともせつない。男の人と女の人にとって、「カラダ」の意味ってたぶん大分違うのだと思う。男の人はやっぱりそういうイキモノなので、カラダをつなげていきつくとこまでいかないと不安なんでしょう。でも、女の子は割合そのあたりはもうちょっと手前の…キスとかまででも満足なんですよね(よく、ただ抱き合って眠りたい、とか女の子言うじゃない!)
複雑な男心をのぞけました〜


・バレンタインデー。初手作りチョコ、が床におっこちた

おっこちたけど、チョコが食べられなくなったわけでなく。それよりも、郁が箱を落とした理由のほうが問題だった。
「堂上の手に触れた」
その瞬間怯えて、息を呑むような悲鳴をあげて箱を落とした。
そんなんされたら堂上さんもさすがに傷つくわけで。これ以上押して嫌われたら、と思うと距離をおきたくなるわけで。
ここまで来てなんたる焦らし…!


・「堂上二正、お前のことよく見てるよ」
なんだか無性に泣けてきて、手塚をハンカチがわりにしたところを…堂上に見られる

別に喧嘩なんかしてないのに、どこか気まずい堂上と郁。そんなとき、手塚が郁にくれたヒトコトが「お前のことよく見てる」
「見る」というのは本当に何気ない行為だけど、すごく意味があるものだと私は思う。その視線に籠もる感情次第で意味が変わる。
手塚の指摘した堂上が郁を見る目の優しいことこの上ない!これ以上の愛情ってきっとないんじゃないかなぁ。このシアワセモノ(笑)なのに、人生ってうまくいきません。大事な友達をハンカチにしているところを堂上さんに見られてしまいましたとさ。
まぁ、この場合、手塚の胸で泣いたことより「堂上のことで泣いた」ことのほうが問題だったわけですが。


・催涙ガス噴射事件+なかなおり

幸いにも避難が早く終わり、被害は最小限に食い止めれれたかに思われた。ところが、難聴の子供がひとりいないとの連絡があり、郁は単独、救助に向かうことにする。すると、もちろん王子様(笑)はついてきて郁を助けてくれるわけで。
命を張って二人で協力して子供の救助をしたことで、なんとなく気まずかった距離が戻ったのでした。
こういうのを見ると、「仕事ではお互い信頼できるパートナーで、プライベートでは一番大事な人」というこの二人の関係って、本当にいいなぁと思う。プライベートでごたごたしても、仕事で繋がって、するとプライベートの関係も修復されるわけです。二人らしい仲直りだよなぁ。


・手当て

柴崎に催涙ガスにさらされた肌の手当てをしてもらった郁。そういえば、堂上も同じように催涙ガスに肌をさらされたんだったと思い立った郁は、堂上を呼び出して肌の手当てをする。
顔の手当てを女にさせる、という図式は端から見ても「トクベツ」な感じだったようで、ちょっとだけ気恥ずかしい二人。
しかし、ここで終わらないのですよ皆さん!!(何)最後にクリームを塗ろうとしたら、堂上が…逃げた。
なぜって?「指で直接触られたら変な気分になる」からだそうですよー!!!
はい、もうご馳走様です!…いやでも、一方的に触られるのってなんとなく気恥ずかしいものですよねv


■こらえる声

概要はあえての略!!


・情緒がなかった罰

やっとのことで「合意」がとれたお二人さんは、ある休みの日にちょっとこじゃれたホテルにやって来た。お先に風呂を使った郁さん。続いて堂上さんが風呂へ。で、ガタブルしながら堂上さんを待っていますと、自分のつけている下着が…スポーツブラであることに気づく。
皆さん、スポーツブラってご存知ですか?
え?ご存知ない?それは、「胸があると邪魔な女子が胸をペッたんこにして動きやすくする」ために存在するブラです。
色気もへったくれもありませんね(笑)というわけで、下着をどこかで調達しようと敵前逃亡をかましかける郁さんですが、案の定堂上に見つかりまして。
「お前にそんな価値は求めてない」とバッサリやられ、あっという間に上を脱がされてしまいました…トサ!
あーもう、私ここの空間にいるのが(読んでいるのが)こんなにも恥ずかしいものを久しぶりに読んだ。でも幸せってそういうこっぱずかしいものなんだと思う次第です。堂上さんオットコマエ!


・天使のブラを以ってして

そんな「はじめて」を挽回すべく、柴崎をつれて下着を買いにきた郁。かの有名な「よせまくってあげる」ブラを購入しようとするが、「天使のブラ」が行うのは背中や腹の贅肉を寄せ集めて「胸」を作成する、という行為なため、贅肉のない郁には天使のブラでよせあげ作戦は実行不能なのであった。がっくし。
この後の「人間なんでもは手に入らないのよ」と言う柴崎も妙に好きです(笑)柴崎は美人で適度に大きな胸で細くて華奢で、女の子としては理想的なスタイルですが、郁のようにスレンダーで足が長くはなれない。ひとりの人間である以上、両立できない事柄もある。人の形質を羨ましがってみても意味がないってことですね。


・肩の負傷

さかのぼること公休中の「外泊」日。
初めてのお泊りでスポーツブラという失態をおかした郁さんですが、さらなる「失態」をおかす。
声が、でそうになるのを必死で耐えていたところ、優しい堂上が「なにか噛んでろ」と言った。
じゃあ、と思った郁さんは何を思ったか「堂上の肩に噛み付いた」のでした。
そんなわけで、堂上の肩には「おんなの歯型」がバッチリと刻まれたのであった。
で、それを「肩の負傷」と思った手塚は「大丈夫ですか」と心配する。
なんだ、この…羞恥プレイ(笑)手塚の言葉に苦笑いを浮かべるしかない堂上さんのおかしいことといったらないですよ、お嬢さん!


・あんまりかわいこと書いてくるな、バカ

「ギャー!!」でした。え、どんな文脈のセリフかわからないって?私に説明させるなよw もう、文脈はなんでもいいじゃないか。これを堂上教官が言った!!!これだけで私はときめいた。ときめかされたとも。


・あんたなんかだいっきらい だいっきらいで結構だよ。

図書館でかくれんぼをする困った子供・雄大。ただの困ったやんちゃぼうずと思っていたら、雄大は実は母親から虐待を受けていた。気づけなかった柴崎は一度雄大のいたずらを母親にチクッたことがあり、事実を知って愕然とする。柴崎が人目を隠れて泣いていると、やってきたのは手塚。「図書館は虐待の専門家じゃない。お前のせいじゃない」なぐさめの言葉をかけてくれる手塚。
でも素直に「ありがと」とは言えない柴崎は「あんたなんかだいっきらい」と言うわけです。
「なんでわたしのことあんたにはわかっちゃうのよ、わかって欲しいなんて言ったことないのに、なんで…どうして」そんな気持ちが滲んだ「だいっきらい」 胸がぎゅーっとなりました。柴崎、かわいすぎるんですが!


■シアワセになりましょう

ついに1巻ラストにたどり着きました。もう力尽きかけてます、この「ラブっぷり」に(笑)


・外泊じゃなくて、二人でちっちゃな家を借りたらどうだろうか
ばかばかしいごっこ遊びだ


昇格試験をクリアし、なんとか三正になれた郁。お給料もあがるし、図書館隊カップルの定番、「二人で仲良く近くに休みの日用のワンルームを借りる」を堂上に提案してみるも、あっさり却下。ばかばかしいごっこ遊び、と切り捨てられてしまう。
まぁ、郁の気持ちもわかりますが、堂上の言いたい「その先」をきかないこの子も悪いですよね(笑)


・「こういうときの女の人のとっておきの飛び道具、知ってる?」

「一緒に部屋を借りたいな」「ばかばかしい」事件からどうにもすねている郁に、小牧が言ったヒトコト。
すねるほうも待つほうも消耗するこの状態を打開するとっておきの飛び道具とは、「甘える」こと。
さすがオトナの提案です(笑)よくわかってます。でも、それを実行できないのが笠原郁なのでした(苦笑)


・1Kを借りてごっこ遊びをする費用=?

和解の兆しを見せたふたりが公休日に再びやってきたのは、喧嘩した日と同じ喫茶店。ご飯を食べ終わると、堂上は不動産のチラシを出す。そこには、郁が言った「ごっこ遊びをする」のにちょうどいい物件のことがかかれていた。堂上に言われるまま、ここを借りてちょっとした休憩所にするための費用を計算すると、約30万。
「それだけあれば、ちょっとした婚約指輪くらい買えると思わないか」
「思います」
「俺から受け取る意思はあるのか」

っ〜!!!

はい、もう声になりませんでした。三十万あれば婚約指輪が買える。結婚ゴッコなんかしなくたって、結婚しよう。
堂上さんはそう言いたかったのでした!はい、もうお腹いっぱいです…。この「意思はあるのか」という言い方がね!いいですよね〜v 普通に「結婚しよう」じゃないのだね!堂上らしくて好きです。


・俺はいつまでお前の教官だ?郁

結婚、という話が出たにもかかわらず相変わらずの「教官」呼びをつづける郁に、堂上が言い放ったヒトコト。
さりげなく呼び捨てしつつ、「俺も呼べ」オーラだしてくるなんて、反則です!!「キャー」とか「ギャー」って言葉はここで枯れ果てました(笑)同じ堂上になるのに、「堂上教官」じゃ今後困るのはその通りなんですけどね!
さりげなく「俺様」ってくる堂上が核爆弾レベルで萌え(ここにきて初めて萌え、と言ってみた)



はい、もう長すぎて皆さんドン引きされている頃だと思いますが!これにて別冊図書館戦争の感想を畳みます。

今の字数は4500字です。過去最長記録ではないかと…!ここまで付き合ってくださったみなさん、ありがとうございます。
この記事は更新通知行かないようにすると言ったのに、うっかり忘れて更新通知いってます…orz
ごめんなさい!!
あ、こんなところで難ですが、新たに購読してくださった貴方様、本当にありがとうございますv こんな辺境ブログを購読してくださるなんて神様のようなお方ですね…!

「別冊 図書館戦争」有川浩 感想




「きゃー!!!!」


あ…いきなり奇声から始まってすみません。


でも、今から語ろうとしているのが「別冊図書館戦争」についてで、そしてこの作品を読んだことのある方なら私の奇声の意味をわかってくれると思うのだ。


いつもなら、では早速レビュー!とか言いたいところなのですが、ごめんなさい。


レビューを書くことができるほど、この作品に対して冷静でいる自信がありません(笑)


だって、読みながら「ワー!」とか「キャー!」とか「へっへっへ…」とか「ギャー」とか言ってたら、家族に「うるさい」ってぶち切れられたくらいなんですの…。


だから、感想ということで勘弁しちくだせぇ(しかもあまりに長いのでまた明日に続いたりします。明日の分は更新通知いかないようにするので、興味ない方は許してください!)


ネタバレしかないと言って過言でないので、未読の方はご注意あれ。


ここにキュンときた!叫んだ!というポイントについて語り明かします。


では…長いぞ!!!







■「明日はときどき血の雨が降るでしょう」

図書蔵書切り裂き事件とその顛末についての掌編。メインは堂上×笠原ですが、サブで小牧×毬江も。以下キュンポイント、もしくは笑いポイント、考えたポイント(要するに個人的に感想書きたい部分です)

・手塚の恋愛遍歴

…女子をほったらかして上官と並び歩きをする手塚に、柴崎が見た手塚の恋愛遍歴。それは、「勝手に好きになられて、でも好きになれなくて、そうしてるうちに相手が愛されていないことに疲れ果てフラれる」!

モテる男子って、ままそういうことがありますよね〜。女の子はその人の上っ面にときめいて「スキっ」と暴走するんだけど、いざ付き合ってみると優しくない(好きな人じゃないから優しくなれないのは当たり前なんですが)し、大事にしてくれないし…愛してくれない。一方通行の想いに疲れ果てて、告白してきたのはアッチなのに、「ごめん、もう無理」と言われフラれる。
結局は本気で好きな人じゃないのに付き合うのが失敗ということなんでしょうけど、手塚の気持ちもわかるなぁ。だって、結構かわいめの子から告白されてフリーで特に好きな人もいないのに告白を断るって「ホモか!?」って言われそう…(苦笑)


・リンゴが剥けない、怪我をする。それは何フラグ?

お待ちかねの堂上×郁ですよー!!まだ入院している堂上にリンゴを剥いてあげることになった郁さん。しかし、彼女ほどの不器用さんがリンゴなどという複雑高等フルーツを剥けるはずもなく!案の定怪我をするのですが、怪我した指をなんと!!!

舐めて、血を止める堂上さん

ご馳走様です。本日一発目の「ぎゃー!!!」が起こりました。
怪我ですら愛を深める。あぁ、そんなデレにあの堂上教官がなるとは!!!!ありがとうございます、有川さん。多謝(笑)破壊力が高すぎて死ぬかとおもた。救心をください…。


・祝王子様卒業

退院した堂上を「待ってました!」とばかりにからかいにかかった玄田の書いた横断幕の一文。
堂上=郁の王子様vネタは何度となくからかいのネタ化されてますが、この人にやられるとさしもの堂上も大変です。
でも、この部分で一番感じるのは「この人たちって本当に仲がいいなー」ってことで。いじられる堂上さんっていうのも抗いがたい魅力があります(笑)素直で大変かわいらしい!


・柴崎にあんまり手荒なことするな、自分のスペックを考えろ

照れ隠しに手塚の背中を小突いたら、思いがけず力が強すぎたらしく咳き込ませてしまった郁。そんなとき、手塚が言い放った一言。

もう、これを手塚恋しちゃってるフラグと言わずになんと言う!好きな女の子を傷つけたくないなんて、いじらしすぎて涙がでてくるぞ、私は。郁が柴崎にする「小突き」なんて、大したモンじゃないのにね… しょーもないことを本気で心配して「ヤメロ」と言う手塚に私が「キャー!」と再び叫んだのは言うまでもないです、ハイ。


・「お前、間違ってもスカートとかはいてくるなよ」「そんなことわかってます!」

図書窃盗犯確保のために私服警備を行うことになった郁。そのときの服装について、堂上が言った一言。
窃盗犯を捕まえる際には大捕り物になることが予想される。そのときに、スカートなんかはいてたら「あられもない姿になっちゃって、まぁまぁ」になるのは目に見えている。そんなわけで堂上は郁に「スカートははいてくるな」と言うのですが、そんなこと言われなくたって「わかってます!」と郁。あぁ、言外に隠れる気持ちを察することができない奴です。相変わらず。
この後の手塚フォロー「言わずもがなのことを言わないと安心できないくらい大事なんだろ」まで含めて「ぎゃー!!!」でした。

愛しいカノジョのスカートの中身を他のヤローに見られたくない、心配なんて…!堂上教官、あなたはぶっきらぼうだけど、やっぱり王子様ですたい…!男の人が時折みせる「独占欲」って、なんでこんなに胸がときめくのかしら…


・「堂上教官、あたしのこといつから好きでしたか」「少なくともこっちはお前より早かったことは確実だ」

なんかノロケられたー!!!と読んだ瞬間思った!
いわゆる「わたしのほうが●●があたしを好きな気持ちの●倍スキ!」「俺だって●の気持ちの●倍スキ!」みたいな、そういう不毛(笑)な感じのやりとりなんですが、こうサラリとやられると、一瞬かたまってから「ノロケられたー!!!」と気づくのです。うん。



■一番欲しいものはなんですか

堂上が復帰してから、二人きりでなかなか会えない。とすると、できていないことがある。…キスが、できない。そんなお正月に、郁は早くも堂上家にお呼ばれして…?+酔っ払い図書館占拠事件の顛末 もう殺されると思ったっす…!この甘さは凶器でした…!


・俺の部屋

乙女の夢のつまった空間ですよー!!彼氏の部屋、いいですねぇ。もうこの単語だけで甘いとおもうのは私だけですか?え、そうでもない?郁が「ヒミツの花園」という気持ち、わかります。まだ触れたことのないその人の一面がそこに隠れているきがしてトキメクんですよね〜


・郁のあられもない姿に逃げた堂上

酒に酔って堂上のベッドで眠るハメになった郁。まぁ、寝れば人間寝乱れるわけで。堂上教官はさすがに見てられなくなったのか、風呂に逃げてしまいましたとさ!この「相手のそういう姿にドキドキしてしまう」感じ、ものすごく甘くないですか!?下手にキスしたりするより「ギャー!!!!」だった私です。このジレジレモヤモヤする堂上、すごく好きです。男の子って大変だよね…!


・携帯のフォルダに一枚だけ入っていた写真。…それは

それは勿論郁さんですよ!えぇ、予想の範囲ですけど、これにときめかずしてなににときめけばよいのだ!この「特別」オーラが…!ときどきチラっと見ちゃったりしたんでしょうか。いつも目の前にいるのに、なぜ写真を見る必要があるのだ、堂上教官!(笑)でも、好きな人の写真ってついどこかに忍ばせておきたいのが乙女なんですよね〜…って堂上さん乙女じゃなくて三十路じゃん(笑)


・柴崎の「お守り」

柴崎ってああ見えて結構古風なとこありますよね〜。お守り。美人でなんでもソツなくこなす柴崎の見せる「ちょっと不器用」な一面に、色恋にだけはニブイ手塚が少しうろたえるのがなんともかわいくて素敵だと思った。
これ以上ないくらい似合いのカップル(絵的にも能力的にも)なのに、すんなりいかないのが逆にいいですよね〜。恋愛は少しじれったいくらいでちょうどいいのかも(笑)


・「そのスーツ帰ったらすぐ脱げ」

酔っ払って図書館に居座るオッサンに、ちょっといい感じの注意をしてしまった郁。酔っ払いが郁に抱きついて、痴漢被害で連行できたのは良かったものの、抱きつかれてオッサンの匂いがついたスーツについて堂上が言い放った一言。

他の男が自分のカノジョに触ったときに着ていた服なんて、いますぐひっぺがしたいのを堪えて言ったヒトコト、だそうです(柴崎予想)

何度もいいますが、このジェラってる堂上さんって、「凶器」以外の何者でもないと思うのですがいかがですか?(誰に聞いてるんだか)そして脱げってさぁ、脱げってさぁ…(ニヤニヤ) そういう意味じゃないけど、なんとなくニヤついてしまった私です。


・「他の奴らがやってること、俺たちもやって何が悪い」

説教と思ったら、キスで。
図書館隊のカップルは、木陰で一目を盗んでキスするのが、普通で。

でも、それを堂上がやると思っていなかった郁はもう、目がテン。
で、そんな堂上が言い放ったのがこれですよ。

=(訳)俺だっていちゃつきたい

ってことだろー!!!あぁ、家にある砂糖を全て詰めたより甘いものを喰らいました。

ぎゃー!と通り越して顔が震えます(笑)
ちびっこな堂上さんですが、そんな彼がする「オトナのキス」ってね。もうなんなんですか、人殺しをするつもりか!救心が何粒あっても足りないんですけどー!


…もう心臓が痛いので、別冊1の感想は明日に続きます。

もう一度宣言しておくと、明日は更新通知いかないようにして投稿しますので「また図書館戦争の話かよ!」とキレそうな方もどうか見逃してください(苦笑)

明日もこの甘さと戦いますよ!!!(誤解しないで頂きたいのですが、この3500字を超える話で何が言いたいのかというと、この話が死ぬほどすきってことですので!甘くて死ぬとか言ってますが、それがいいんです。もういっそ殺してくれ笑ということです)


では、「もうちょっとこのテンション高い感想聞いてやるか」って方だけになると思いますが、また明日!




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「やさしい訴え」小川洋子 レビュー



数日前に読み終えた小説なのですが、なんとなく感想を書ける気分じゃなくて寝かせてあったのですが、読んで数日たった今のほうが、小説の世界に強く引きこまれているような…不思議な気分になっています。


小川さんの小説はどれも素敵なのですが、中でもこの作品はとてもすきです。


というわけでレビューでも。






■あらすじ■

夫から逃れ、わたしは山間にある小さな別荘に逃げ込んできた。

そこでわたしが出会ったのは、チェンバロというピアノに似た…だけど似ていないやさしいやさしい音を奏でる楽器を作る男・新田氏とその弟子の薫さん。


ふたりとの優しい関係に癒されたわたしはいつしか新田氏に恋をするが…


■レビュー■


チェンバロという楽器を私は一度だけ見たことがある。


すぐ近くで耳を澄ませて聴いているのに、遠くから鳴っているような そんな音のする楽器だった。


音を奏でているというよりは、静寂を広げているような楽器だ、と思ったのを今でも覚えている。


今回、この「優しい訴え」を読んでいて、「あぁ 小川さんの文章はチェンバロの出す音に似ているんだ」と思った。

物語が語られているのに、静かなのだ。

さっきと同じ比喩を使えば、音が奏でられているときのほうが無音のときより静か、という矛盾を小川さんの文章はやってみせる。


こんな言葉を紡げるひとはなかなかいない。


小川さんの書かれる文章を二文字であらわすとすると、「静謐」というのがとてもしっくりくる。


この「やさしい訴え」で語られる物語は、決しておおきなドラマがあるとか、衝撃的などんでん返しが最後にあるとかそういった起伏はないのですが、だからこそ小川さんの紡ぐうつくしい言葉の世界にじっくりと浸れる、そんな小説になっています。


雨の日、静かな部屋でひとりで読むのにピッタリな小説です。


気になった方はぜひ!





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