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君と繋がる3つの方法1

※家三
※現パロ
※(僕の)頭が悪そうな話









「質問、最近ワシの可愛い三成がワシの相手をしてくれません。…何故だ?何故なんだ?」

ガヤガヤと騒がしいいつもの居酒屋の片隅でワシはいきなり話を切り出した。
いや、これでも真剣に悩んでいるのだ。うっかり友人の前でポロリと溢してしまう程に。ワシの可愛い可愛い可愛い三成から何も音沙汰がない事を。最初はただ忙しいだけなのかとも思ったが音沙汰が無くなって早1ヶ月、勿論その間に社内で三成の姿を見る事があっても側にいつも竹中副社長や豊臣社長がいてワシが話しかけられる状況ではなかった。…当たり前か、三成は社長秘書だもんな。
そんな三成に一目惚れしてやっとの思いで口説き落としてから、三成専用に設定した携帯の着信音も着信ランプも久しくその役目を果していない。

「お前はまーた石田の話か…俺は会社ん中で竹中の後をついて回る石田の野郎を良く見るぜィ?」
「ha!最近三成三成言わねぇと思ったら何だそんな理由かよ?」

向かいに座り酒を煽っていた二人、同僚でもあり昔からの友人でもある元親と政宗は既に出来上がっている様でスーツのネクタイを緩め頬を朱に染め、半ば呆れる様な口調でワシに話しかける。それでは駄目なんだ二人共!ワシは真剣に悩んでいるんだぞっていうかそれより先にだな!

「政宗!なんでお前が三成を名前で呼ぶんだ?今まで石田と呼んでたじゃないか!」
「you fool!?突っ込み所はそこかよッ!!てめぇが石田の事を三成三成言ってたからだろ!」
「政宗にあんた馬鹿ァ?と言われても嬉しくないぞ!三成に言われると何か興奮するけどなっ!」
「あーもう誰だよこの権現に酒飲ませた奴は!ッて俺等か!」

政宗がもう話を聞きたくないというように手元にあるビールに口を付ける。その隣でワシ等のやり取りを聞いてた元親は豪快に笑っていた。いやだからワシ三成が恋し過ぎて真剣に悩んでるんだって!

「つーかよォ、社内では会うんだろ?そん時捕まえて話すりゃ良いじゃねぇか、ほら問題解決だな?」
「そうだそれそれ、それで解決だな。」
「違う。それでは駄目なんだ政宗、元親…ワシは三成とずっと繋がっていたい。会社で会って話をする以外でも繋がっていたい。」

ワシの言葉に元親と政宗がにやにやと微笑む。正直キモい。

「ベッドの中でも繋がりたいってか?そーゆう事こそ石田に直に言えよなァーこれだから恋人持ちって奴はよォ!」
「ha!てめェのノロケに付き合ってる暇はねェな!さっさと愛しのhoneyのおっぱいでもっ…ぐばっ!!」
「政宗?いきなりどうし…ってぇぇぇ!」

そのおっさんの様な台詞はどうかと思うとワシが突っ込むより先に元親と政宗か奇声をあげて机へと沈んだ。何が起こったのかと倒れた二人の後ろへと視線を走らせると二人の後ろには般若の様な顔をした竹中副社長と愛しの三成が真っ赤な顔をして立っていた。二人共、手には凶器にしたのであろう丸めた雑誌を掴んでいる。ていうか雑誌ごときでどう殴ればあの頑丈な二人が沈む程の打撃を繰り出せるのだろうかと思ったがこの二人ならなんか出来そうな気がしたのでスルーした。



中途半端だけど続く

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やみいろのひかり1

※家→←三←吉+お市
※市は西軍
※泥々三つ巴

「……蝶々さん、闇色さんが…泣いているわ…。」

ゆらり、と。音もなく開けられた襖の隙間から、地面より出でる手に支えられた第五天が我に語りかける。そのほの暗い囁く様な声にはこの世の有りとあらゆる不幸が詰め込まれている様で、我の耳には心地好い。特に断る理由もなく、第五天の囁く言葉の真意も知りたい我は第五天を己の部屋へと招き入れた。

「…こんな夜更けにわざわざ主から訪れるとはなァ、我に何用か?」
「闇色さんが…泣いてる…市には聞こえるの。」
「三成が、か…第五天、主が気にする事は無い。」
「今もほら…聞こえる、聞こえるの…。蝶々さん……闇色さん…あのままでは市の様になってしまう…。」

じっと、果てのない闇を含んだ瞳が我の一挙一動を見つめる。その瞳の輝きは直接見ずとも我の心に小さな漣を起こす。

「我の知る三成は理由無く泣く男ではないからなァ…何ぞ人に知られたくない、一人涙を流したい事でもあるのだろうよ。主が気にする事ではない。」
「違うわ……蝶々さん…貴方は理由を知ってる……ねぇ、闇色さんが泣いているの。市には何も出来ないの。」

第五天が我の手を引く。

「……市の、眼を見て…?」
「ヒヒッ…我の命でも吸うつもりかァ?」
「………蝶々さん…闇色さんの事、助けてあげて…ね?」

頑として顔を上げぬ我に痺れを切らしたのか、第五天の影から伸びた手が我の体にまとわりつき我の自由を奪う。その手が我の眼を覆った時、急に我の意識は遠退いた。

「…貴様が私に何の用だ?」
「三成、ワシはお前と二人で話がしたかった。」
「…ここがッ!何処だか解っているのかッ!」
「解っている!だから危険を犯してまで三成と話をする為にここまできた!」

聞き慣れた声と嗅ぎ慣れぬ土の匂いに我はふと目を覚ます。辺りを見回すが深い闇の中、月明かりに照らされ辛うじて目視する事ができた大阪城の影に目の前は森、背後には城壁。という事はどうやらここは城の外らしい。第五天の姿は既に消えていた。殆ど何も見えない闇の中、先程聞こえた声の主の姿を探す。

「貴様という奴は…これだから馬鹿だと言うのだ!消えろ!私の前から!今すぐにだッ!出なければこの場で斬殺してやる!!」
「…刀も持ってないのにか?」

そう遠くない場所に三成と徳川が居るようだ。再び闇に慣れた目で声の出所を探る。と、城壁から少し離れた開けた森の中で二人が対峙しているのを見つけた。
三成の月に照らされ美しく光る銀色の髪に徳川の金色の陣羽織、間違いない。二人の姿を確認すると、何故こんな所へ徳川がという事よりも、今、あやつを三成へと会わせてはいけないという気持ちが沸き上がった。

(…止めなくては……三成、そやつの話など聞いてくれるな…。)

上体を起こし這う様に二人の立つ開けた森の中へと向かう。力の入らぬ足が酷く邪魔だ。

「刀なぞ無くとも無防備な貴様くらい…撲殺してくれる!」
「止めろ三成、ワシはそんな子供の様な喧嘩をしにきた訳じゃない。…戦場では伝えられない、ワシ個人の…武将としてじゃない!某、徳川家康!ただ一人の男として三成に話がある!」
「そんな御託を並べても無駄だ!私の友として生きていた徳川家康はあの雨の戦場で死んだのだ…今更貴様の話などッ!」

先程より確実に近付く声に心が粟立つのを感じる。急ぐ気持ちに己の体がついていかない苛立ちに、絆を解く男の声に対する苛立ちに、…第五天が己に課した残酷な役柄に、声にならない叫びをあげた。

(三成…三成…主は、主は…その劣情に気付いてはならぬ、その災厄の種は芽吹かせてはならぬ…我が、させぬ…!)

力の入らぬ足に無理矢理力を送る。適当な木に擦り寄る様に立ち上がるとそのまま近くの木々を伝い一歩、また一歩と踏み出す。二人の姿が少しずつ近付く。常人の足ならば10歩といったところか、その程度の距離すら輿のない我には長い道程だ。歩みを進める度に気持ちだけが先へ先へと手を伸ばす。

「…三成、話だけでも聞いてくれ。いや、ワシの気持ちだけでも三成に知っていて欲しい。」
「煩い煩い煩い!私は貴様が何を思い、豊臣を、秀吉様を、半兵衛様を…そして私を裏切ったのか…理解など出来ない。貴様の心情など理解したくもない…!」
「…拒絶されるのは分かっていたんだがな…ワシ自身にもこの気持ちはどうにも出来なかった。聞いてくれ三成、ワシは、お前の事が好きだ。」
「戯言を…今すぐその口を塞い…!」

月明かりに照らされた二人の影が重なる。何をしているかなど近づかなくても解るというものだ。その光景を目の当たりにした瞬間、ああ、我は間に合わなかったのだなと悟った。
自然と足の力が抜けていく。膝がガクガクと笑っている。我はそのままその場へと座り込んでしまった。徳川の手が三成の髪を撫ぜ、三成の体を抱きしめる。三成の腕が迷う心を表すかの様に小さくあげ下げを繰り返す、が、何かを決意した様に徳川の背へと回される。
我はただ、抱きしめあう二人の姿を見つめていた。否、見つめる事しか出来なかった。我は、三成に降りかかるであろう不幸を止める事が出来なかったのだ。胸に鋭い刃物で風穴を開けられた様に我の心に冷たく暗い何かが渦巻く…我は何故ここで達観している事しか出来ないのであろうか。

「…だから、私は貴様が嫌いなのだ…。」

三成が徳川の体を押し放しその腕の束縛から抜け出すと、名残惜しそうに指先で徳川の頬をすぅ−…と撫でた。

「…もう用は済んだのだろう。さっさと私の目の前から消えろ。これ以上私を惑わすな。」
「三成…次会う時は戦場だな…。」
「ふん、何を知れたことを。元より貴様と顔を合わす場など戦場以外にあるものか。首でも洗って待っているんだな、…私は貴様を絶対に許さない。」

再び二人の影が重なる。二度目のそれはすぐに離れた。
徳川が三成に背を向け走りだす。三成はその背が見えなくなるまでその場に立ち尽くしていた。

(ねぇ…闇色さんが泣いているわ…)

ふと、第五天の声が聞こえた気がして我ははっとする。今の我には第五天の声が無くても三成の心の内が手に取るように解る気がした。
泣いて、いる。凶王とまで言われた美しき刃が、その刃を折られ悲鳴をあげるが如く。深く暗い絶望の響きが、声無き獣の慟哭が、全てをぐちゃぐちゃに掻き混ぜた様な三成の悲痛の叫びが聞こえる気がした。いや、我には聞こえたのだ。


(…三成、主を、独りで闇の淵へとは落してやらぬ…。)


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風邪っぴき2

※↓の続き
※やっぱり吉三







眠りに落ちた三成の整った顔をじっと見つめる。まだ下がらぬ熱のせいか、ほんのりと染まる頬に少しの劣情を感じながら離された手をそっと三成の頬に這わせた。冷たい肌を染める熱を掌で感じる。暫くはそうして三成の体温を楽しんでいたが、ふと視野に入った部屋の惨状にベッドサイドから腰を上げた。



「刑…部?」

ウィーンという掃除機の音に、浅い眠りから目を覚ますといつの間にか枕元からは散乱した薬のシートやらペットボトルがなくなっていた。洗濯物の山も無くなっていた。音の出所に視線を泳がすと何故か可愛らしい柄をしたエプロンをつけた刑部が掃除機をかけていた。…私はそんなに寝ていたのか。刑部は私の視線に気付き、掃除機をかける手を止め掃除機を仕舞うとベッドサイドへと腰をかける。

「…やれ、流石に掃除機では目覚めたか。」
「…私は、どのくらい寝ていた?」
「まだ一時間…といったところ故、眠いならまだ寝てやれ。」

そっと、私をあやすように刑部の手が私の髪を撫でた。その行為に何とも言えぬくすぐったさを感じる。

「すまない、…何も考えず会いたいなどと言ってしまった。」
「主が謝ることではない、が。熱を出して看病が欲しい時はそうきちんと伝えられぬか?先読みして物を揃えるのも限界がある故。」
「……次回から善処する。」
「…その前に二度目などしてくれるな。主は心配性の我の心臓がいつ止まってしまっても良いと申すのか?」
「そっ…そんな事は一言も言っていない!」
「なァ…三成、主はもっと我に甘えても良いと思うのだが。」
「何が…言いたい…?」

ベッドがギシッと小さな悲鳴を上げる。刑部が仰向けに寝ていた私に跨がると窺う様に私を見つめる。



「…我と共に、暮らさぬか?」



目の前の三成の呆けた顔すら愛しく思えた。その銀色の髪にゆるりと指を遊ばせる。我の言葉にか、己の髪を遊ぶ我の指が不快なのか、眉間に皺を寄せ我を見つめる。その唇が小さく開くと我の首に腕を回し、触れるだけの口付けを落とすとふてくされたように布団へと潜ってしまう。

「……今のが答えだ、刑部。」
「そうか…ヒヒッ。さて、そうと為れば我も色々と支度をせねばなァ。」

布団の上からぽふぽふと三成の頭があるであろう場所を撫で、ベッドから降りるとその場に腰を下ろしこれからの生活について、ふと考え一人微笑む。はてさて、我の愛しい凶王殿は我の提案にどんな反応を返してくれるのであろうか。

「…先ずはダブルベッドにしなくてはなァ。」

背後の布団の中から「刑部ッ!」と我を呼ぶ声が聞こえた気がしたが我はそれを聞こえないフリをし、三成に飲ませる薬を取りに行くために立ち上がった。





****
風邪話が書きたかったはずがリア充爆発しろ話になったリア充爆発しろ!!!!

風邪っぴき1

※現パロ
※吉三
※破廉恥注意





「……う"」

ふと目が覚めると目の前に薬のシートとティッシュ、空になったペットボトルが散乱していた。己の不精さに嫌気が差しつつ、寝返りをうち部屋の様子を確認すると、普段はこざっぱりしている筈の己の部屋が手当たり次第に着替えて投げ捨てた(と思われる)衣類で小さな山が出来ている。ベッドに倒れ込む前につけたと思われるパソコンもそのままだった。部屋の燦々たる状況に思わず小さな溜め息が漏れる。

(…今は何時だ…?今日は…いつだ?)

薬のせいか録な食事を取らぬせいか、一度薬を口にしてしまえば後は溺れる様な睡眠に呑まれてしまっていた私の頭では現状はおろか日時までもが把握出来ていなかった。普段は枕元に置いてある筈の携帯を漁る。目的の物を見つけ、携帯を手に取り開くと数件の着信が残っていた。着信の履歴を漁る。一件は家康、一件は半兵衛様、残りは全て刑部からであった。最新の履歴と携帯に表示されている時間とにらめっこをする。その着信を受けてから5分ともたっていなかった。慌ててこちらから刑部へと電話をかける。プルル、プルルと相手の電話を呼ぶ無機質な機械音に苛々しつつも5回目の呼び出し音の途中でその無機質な音がぷちんと切れた。

『…三成か。』
「あぁ、私だ…刑部、すまない。何度か電話を貰っていた様だかなんの用事だったのだ?」
『…それを主が我に問う、か…三成、主が我を呼んだのよ。』
「………記憶に、ない。」
『主の事ゆえ、そんなものだと思っていた。証拠なら主のパソコンのメッセの履歴でも見ればよかろ?』

刑部の言葉に、這いつくばって進むようにベッドから降りてパソコンへと近付く。画面を覗き込むと確かにメッセンジャーを起動させた形跡が残っていた。メッセンジャーの画面に表示される己の名前と「刑部に会いたい」との一言。自分の発言とは思えないそれに顔が熱くなるのを感じながら意識を電話へと集中させた。

「確かに、私から会いたいと…ねだったようだな。」
『ヒッヒッ…我はそれを見て主に電話をしたのだけどなァ。しつこく電話をしても主からの反応がなかった故、態々主の部屋を尋ねてしまったのだが…我は何時まで外に居れば良いのだ?』
「なんだとッ…!?来ているなら来ているとさっさと言え!!!」

刑部の言葉に慌てて起き上がり携帯の終話ボタンを押すと急ぎ玄関へと向かう。ドアスコープを覗いても誰も写っていなかったが適当なサンダルを履き、玄関の扉を開けた。アパートの階段を降り、辺りを見回すと刑部の愛車が止まっているのを見つけた。車へと近付くとその運転席の窓ガラスを乱暴に叩く。

「刑部!刑部ッ!!」

鍵の開く音がして運転席の扉が開いた。中からコンビニで買い込んだと思われる大きな袋を抱えながら刑部が降りてきた。

「本に、主には振り回される。病人は大人しく部屋で待っていれば良いものを…。」
「煩い!私の勝手だろう!その重たそうな袋をさっさと寄越せ!刑部の足には負担になる!!」
「そのような言葉が主の口から出ようとは…やれ困った、コマッタ。」
「何が困ったのだ、…だから私が荷物を持つと言っている!」

呆れた様な口調で私の話を聞き流し、袋を抱えたまま車の鍵を閉め私の部屋へと向かう刑部の背を慌てて追う。勝手知ってるなんとかで私の部屋に上がり玄関に荷物を置き、私が入ったのを確認すると玄関の扉を閉め鍵をかけた。と、そのまま私の体は玄関の扉へと刑部の手により押し付けられる。何事かと刑部の顔を見つめれば刑部の窺う様な視線にぶつかり反射的に視線を逸らしてしまう。

「…何の真似だ?」
「いやなに、確かめたい事があるだけよ。」

刑部の手が上着の隙間から侵入する。ゆるゆると脇腹を撫でながら私の首筋を刑部の舌が撫で、時折音を立てて軽く吸い付かれる。その感触に背筋に甘い痺れが走った。暫くそうしていると首筋を舐めるのに飽きたのか、腹を撫でていた手は私の腰をしっかりと抱き、空いていた手で私の頭を撫でるとそのまま私の顎を掬い口付ける。最初は軽く蝕むようだったソレが次第に深い物へと変わると堪えきれなくなった私の体はガクッと力が抜け、抱き締める刑部へとすがる様に抱き着いた。それと同時に激しい口付けからも解放される。

「…ぎょ…っふ…ぁ」
「…どうした、三成。体が辛いか?」

己の頭を撫でるその手が気持ち良い。その気持ち良さに意識まで手放しそうになるがそこはぐっと堪え、刑部の腕から抜け出そうとしっかり己の足で立ち上がる。

「大事ない。上がるならさっさと部屋に上がれ。」
「あい、わかった…とは言えぬなァ。主が今にも倒れそう故。」
「大事ないと言っている!」

刑部の腕を振り払い刑部の持ってきた袋を手に取り、部屋へ入るとテーブルの上にその袋を置き、洋服の山を足で壁へと押しやり自分はベッドにへと腰掛けた。後から入ってきた刑部は私の部屋を見回すと小さく溜め息を吐いて私が空けたスペースへと腰掛ける。

「…して、主のその熱、いつから続いている?」
「…一昨日からか?もう覚えていない。」
「病院は?」
「…行っていない。」
「飯は?」
「…食っていない。」
「…どうして最初に熱が出た時、我を呼ばなんだ?」
「…寝れば治ると思っていた。」
「主の事ゆえそんな事だろうと思っていたが…やれ三成、その様な事をするのは子供だけで充分よ。」

刑部がガサゴソと袋を漁ると中からひえピタやらレトルトの粥やら林檎やらが出てくる。ひえピタの箱を開け中から一枚取り出すとそれを持ってこちらへと近寄る。

「…もう悪戯はしない故、きちんとベッドに横になれ。」
「…わかった。」

刑部の言葉に素直に頷きベッドへ横になると、額に冷たい物がぴたりと貼られる。その気持ち良さに目を伏せ、刑部の手を探し適当な方向に手を伸ばす。ベッドサイドへと刑部が腰掛けるのを感じ、伸ばした私の手を刑部がきちんと握り返してくれるのを確認すると私の意識はゆるゆると眠りを求め落ちていった。

ジョバイロ

※豊臣家三
※少し破廉恥









「…三成」

私を呼ぶ声とのし掛かられる人の重さにふと目を覚ます。目の前に広がる相手の顔を確認すると私はわざとらしく溜め息を吐いた。

「わざわざ寝床に侵入するまでの急用か?下らない用事だったら斬滅してやる。」
「今日も冷たい位綺麗だな、三成は」
「…貴様、人の話を聞いているのか?」

相手の調子のズレた返答に苛つきを覚えつつ、私の上に跨がり人の首筋に擦りよろうとする家康の肩を押し戻した。

「家康、貴様とそういう仲になった覚えもなるつもりも私にはない。退け。」
「……三成、ワシ、三成の事が好きみたいだ。」

言葉と同時に押し戻した体に、家康の太い腕に、抱き締められた。逃げようともビクともしない家康の腕に諦めた様にその中に収まる。伝わる相手の体温に目眩がしそうだ。

「それで何だ?私を無理矢理にでも犯しにきたか?」
「…初めはそのつもりだったが三成の顔を見たら気が変わった。」
「フン…くだら……ッ!」

私の言葉を遮る様に家康が私の唇へと口付けを落とす。一度目は啄む様な、二度目は私の頭を動かない様にがしりと掴み貪る様な。その先は何が何だか良く解らなくなってしまった。

「ッいぇ…や…」
「みつ…なり…」

どれぐらい口付けを交わしていたのか解らない。満足したのか、家康の唇が離れていく。私は家康の肩に凭れかかった。この身の何処にそんな欲が眠っていたのかと思うほど、普段とは違う熱が身体の底から沸き上がるのを感じた。

「…三成…。」

骨が軋むのではと思えるような強さで家康は私を抱き締める。

「三成の中に、ワシの居場所を作らせてくれ…。」

何時もの調子とは違うすがる様な声色で小さく呟かれる家康の言葉に、この男にもこんな一面があるのかと思った。見慣れぬ家康の姿に心臓を素手で握られる様な、何とも言えない苦しさが私の胸を支配する。

「好きだ…三成、好きなんだ…お前を、…お前が欲しい。」

何度も呟かれる"好き"という言葉が苦しい胸にチクリチクリと突き刺さり何とも言えない暖かさへと変わる。

「止めろ家康、私にそんなつもりは…。」
「…好きになってくれとは言わない。只、ワシの気持ちを知っていて欲しかった。好きなんだ、三成が。」

心臓が抉られる。
好きだという言葉に思考迄もが拐われる。

もしかしたら、この苦しさを
人は恋と言うのか?

「…貴様が言う事はよくわかった。…退け…明日の戦に響く。」
「三成、好きだ。」

家康は満足した様な、少し寂しいような微笑みを浮かべ私の体を解放し、そのまま立ち上がる。私は上体を持ち上げ、寝所から立ち去ろうとする家康の背を見つめ、相手に聞こえるか解らぬ程度の声で呟いた。

「……貴様のその想い、不愉快だ。胸が苦しくなる。私を苦しめた責任を取れ。」

家康には確り聞こえたのだろう。驚いた様にこちらを一瞬振り返り、何時もの太陽の様な微笑みを浮かべるとそのまま静かに障子の向こうへと消えていった。




貴様に気付かされた想いが、私をがんじがらめにする。

どうも今夜は寝れそうにない。




*

そしてバサラ3の冒頭に続く…みたいな。

ポルノのジョバイロの「貴方が気付かせた恋が貴方なしで育っていく」のところが猛烈に家三に聞こえて仕方なかったんです。何で家三こんな悲恋なのに萌えるんだろう…!
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