生存確認
 モ゛氷(dcst)
 2020/8/29 01:38

体はどこまで堕ちようと、決して心は屈しない、そのプライドの高さを気に入っている。
きゅうきゅうと締め付ける濡れた穴の感触に乱れた息を、赤く染まった耳許に吹き込む。跳ねる肩と、ほんの少しだけ洩れる声を、いとおしいと思う。

「ん…、ッ」

頑なに顔を背け、感じている姿を晒そうとはしない。それでも、男の象徴はだらだらと涙を流しているし、後孔は俺を決して離そうとはしない。素直じゃないのは、理性で操れるところだけ。それだってもうギリギリだというのに、そのギリギリのラインを越えた事はただの一度もなかった。
ちゃんとしてる。人として、男として。ちゃんと男なのに、俺に対しては男のままでいられない。それが嬉しい。堪らなく。

「ねぇ、顔見たい」
「っ…嫌です…誰が…!」

弾んだ呼吸の隙間から、何とか絞り出した様な声が答える。強情。力の抜けた体を思い通りにするなんて簡単過ぎて、口許が緩むのを止められない。

「いや…っ、」
「…めちゃくちゃとろけた顔してるじゃん」

掴んだ腕に抵抗するだけの余力はない。汗と涙と涎にまみれて快楽に歪んだその顔が、ほんの少しの征服欲を満たしてくれる。

c o m m e n t (0)



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