新歓お花見のあとからはもう、恭弥くんと毎日メールをして、1日1回は会ってました。バイトに行かなくちゃいけない月木はミーティングで、火水金は私が授業終わってから学食が閉まるまでの2時間。同じ大学って素敵。

清楚な感じが好き、一途な人が好き、黒髪でショートのが好き。いろいろ好みを聞いて、正直思いました。


い、いける…!!!


あいや、半分冗談です。半分。


とにかく、辻井先生への重くしつこかった愛を語り、一途アピール。そしてこのとき黒髪で肩につかないくらいの長さだった私。大人しい感じだし、清楚な感じにも見えなくもない。…いける!?=結論

彼女もいないってことだったので、向こうもけっこう私のこといいと思ってくれてるんじゃないかなーと調子乗ってました。まさに有頂天。バス停でバスが来るまで一緒に待ってくれるという甘酸っぱい感じもまたたまらんかった。


そして約1週間経った金曜日の夜、この日もメールをしていました。
友達と飲んでいる様子だったらしい恭弥くん。唐突に爆弾発言。


「もう僕、どうしたらいいかわからんのんですよー」

「どうしたんー?」

「だって僕、あおいさんに惚れそうなんですもん」



(゚Д゚)



にやけました。尋常じゃなくにやけてました。そして妙な汗をかきながら返信。


「惚れてまえ〜!(笑)」



(笑)とかつけてごまかしながら、欲望にまみれたこのセリフ。我ながら必死すぎて驚いた。


「だって俺、年下だし…」

「学年は下やけど、年は一緒やん」


ちなみに恭弥くん、高校時代に1年留学していたので、学年は1つ下ですが年齢は同い年です。


「でも〜」

「年なんて関係ないよ!正直私も恭弥くんのこといいなって思ってるし」


必死な女・佐野。がっつきすぎである。もはや肉食どころじゃないこの必死さ。好きになると魚雷の如く突撃するのが私。

結局その日はこんな会話が続き、あれこれって両思いじゃないの?的なもどかしい感じで終わりました。



そして翌日、土曜日。友達に電話で経緯を話します。それはもうハイテンションに。


「これって両思い!?両思いやんな!?」

「両思いやなぁ〜」

「でもなんか付き合おうとかは言われてないんやけど!どうしたらいいん!?来週デートやけどそれまで待てん!!」

「聞いてみたら?」

「………えっ?」

「付き合ってくれん?って聞いてみたら?」

「あ、あぁ…なるほど…」

「うん」

「………うん、わかった聞いてみる!!」


そんなわけで、その日も例に漏れずメール中だったので、ものすごく意味不明なタイミングで言ってみました。メールで。


「てか、なんか今言うのもあれなんやけど、付き合ってくれん?」


送信から数分後、


で、

電話かかってきた…(ドキドキドキドキドキドキ)


「もっもしもし…」

「もしもし?」

「もしもし!」 ←何故か2回言う

「あのさぁ…w」

「(あ、ああ呆れてる!呆れてる!)う、うん」

「このタイミングで言う?w」

「あっ、ご、ごめん!w」

「あーもおおー来週のデートで言おうと思ってたのにー!!w」

「えっ!ご、ごめん!w」←ごめんしかしゃべってない

「…えっとぉー」

「は、はい」

「僕でよかったらお願いします!」

「よ、よろしくお願いします!」


こんな感じにぐだぐだで、出会って1週間でお付き合いが決まったのでした。この電話のとき、尋常じゃなくキョドりまくっていた。

つづく。